エスエフ短編集(9/24更新)

地球

　ある日、大量のUFOの模型が上空に固定される事件が起こった。航空機は飛ばせないし、取り外そうにもそのための機械が届かない。困惑しきりの地球人は知らない。異星人の子供が、地球をヴィネットとして学校に提出するつもりである事など……。





　幼馴染の正体は、誇り高い星の王子様だった。願いを叶える為に、何万光年の彼方の、小さくて綺麗な惑星から飛び出してきた。寝たきりの母に、地球で作った指輪を贈るのだ。





　お月さんに乗って釣りに来たけれど、この地球っていう釣堀、紙しか釣れねぇじゃねぇか。ぐっしょり濡れた、地球人からすれば札束を手にした異星人は舌打ちした。





「ここではね、昔地球人がたくさん死んだらしいんだよ」
「えーどうやって？　意味わかんない」

　地面を走る乗り物を知らない、銀河の彼方からやってきた地球人からすれば異星人の子供は首を傾げた。





　地球滅亡の日が、実は一日ずれている。それを知っているのはどうやら、私みたいだけど、推しのライブに行きたいから黙っておこう。