エスエフ短編集(8/13更新)

狂言巡

文字の大きさ
上 下
2 / 9

隕石が降ってくる

しおりを挟む
 事が判明した地球。しかし脱出するための宇宙船は人数が限られている。善人だけを乗せるという国の発表に、人間達は必死で善行に励んだ。しかしすぐに足の引っ張り合いを始め、血腥い諍いが起こる。気づけば人口は宇宙船の乗船できる人数まで減っていた。嬉々として乗り込んだが、それはフェイク。本物の宇宙船は隕石を予知した人間達が乗って宇宙の彼方に消えていた。





 前日、国から選別された人間達は宇宙船にのって地球を脱出した。遺された人間達はどうせ明日全てが終わるのだからと、盛大な宴を開いた。翌日、隕石は降ってこなかった。助かった選ばれたのは自分達だったのだと喜ぶ彼らの頭上に、故障で操縦不能となった船が墜ちてきた。
しおりを挟む

処理中です...