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学園祭
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学校の学園祭最終日のイベントはフォークダンスだった。踊る相手はいないのでぼんやりとキャンプファイヤーを眺めていると、他校生らしい見知らぬ少年が話しかけられた。
「俺と踊らない? ……駄目?」
薔薇のピアスが印象的な美少年に気後れして断りかけると、今にも死にそうな顔をするので受け入れた。一周踊ると名前も言わずすぐにどこかにいってしまう。
「……すみません、俺とも一緒に踊って頂けませんか」
罰ゲームだったのかなと思っていると、今度は灰色の髪に水色の瞳の青年に誘われた。一周するたびにすぐ離れて、彼女が疲れない程度につぎつぎと話しかけてくる。
ドレッドヘアの少年、紫色の髪の青年、方言がきつい黒髪青年、黒髪に青い瞳の元気いっぱいな少年、無愛想な金髪碧眼の少年、帽子を被った明るい少年、真っ白な髪に紅色の目の青年、威勢のいい茶髪のウルフカットの青年、坊主頭の礼儀正しい少年……。
思いがけない非日常に少女はすっかり舞い上がった。誘われるまま踊って、踊り続けて……。
祭りが終わったその翌朝。
「ねえ、昨日神風さんと踊ってた金髪のイケメンどこの学校か知らない?」
「さあ……ブレザー来てたからこの近くじゃないんじゃない?」
「全員超カッコ良かったよね~モデルかな?」
「でも踊り終わったらすぐどっか行っちゃって見失うんだよね……忍者かよ」
「むしろお化けだったとか」
「やだー」
「あの子来たら問い質せばいいじゃん? メルアドくらいは聞いてるでしょ。緑の髪のイケメンとは長く喋ってたの見たし」
「校舎裏に来いってやつね」
「一人くらいいいよねー」
何人もの美青年美少年と踊り明かした事で一躍有名になったとある女子生徒は、学園祭以降、二度と学校どころか家にも戻らなかったそうだ。
「いっしょう、おどりましょうね」
「俺と踊らない? ……駄目?」
薔薇のピアスが印象的な美少年に気後れして断りかけると、今にも死にそうな顔をするので受け入れた。一周踊ると名前も言わずすぐにどこかにいってしまう。
「……すみません、俺とも一緒に踊って頂けませんか」
罰ゲームだったのかなと思っていると、今度は灰色の髪に水色の瞳の青年に誘われた。一周するたびにすぐ離れて、彼女が疲れない程度につぎつぎと話しかけてくる。
ドレッドヘアの少年、紫色の髪の青年、方言がきつい黒髪青年、黒髪に青い瞳の元気いっぱいな少年、無愛想な金髪碧眼の少年、帽子を被った明るい少年、真っ白な髪に紅色の目の青年、威勢のいい茶髪のウルフカットの青年、坊主頭の礼儀正しい少年……。
思いがけない非日常に少女はすっかり舞い上がった。誘われるまま踊って、踊り続けて……。
祭りが終わったその翌朝。
「ねえ、昨日神風さんと踊ってた金髪のイケメンどこの学校か知らない?」
「さあ……ブレザー来てたからこの近くじゃないんじゃない?」
「全員超カッコ良かったよね~モデルかな?」
「でも踊り終わったらすぐどっか行っちゃって見失うんだよね……忍者かよ」
「むしろお化けだったとか」
「やだー」
「あの子来たら問い質せばいいじゃん? メルアドくらいは聞いてるでしょ。緑の髪のイケメンとは長く喋ってたの見たし」
「校舎裏に来いってやつね」
「一人くらいいいよねー」
何人もの美青年美少年と踊り明かした事で一躍有名になったとある女子生徒は、学園祭以降、二度と学校どころか家にも戻らなかったそうだ。
「いっしょう、おどりましょうね」
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