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妻
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新しい妻が淹れたお茶は美味しかった。心が晴れ晴れとしているうちに、旧式をさっさと片付けなければ。
妹の家庭菜園から妻のバラバラになって発見された。だったら、遺棄する場所に困って冷凍庫に隠してあるアレらは誰なんだ……。
ここのところ定時で帰宅すると、隣の部屋に亡くなった妻の遺族が入っていくのを見かける。住んでいるのは唯一生存してる妻の伯母と同世代の女性一人だけのはずなんだが……。
籍を入れたばかりの妻と旅行。景観とサービスが素晴らしいと評判の旅館に行ったら、予約した部屋以外前妻と元愛人で満室だった。
妻は昨日まで生きていた、はずだ。同じベットで寝たのに、火事で全焼したと言っていた実家で首を吊ってから三日経っているなんて。だが思い返せば会話が噛み合わない事があった。彼女が火事で亡くしたのは家だけではなくて、両親と年子の妹……。
妻はいわゆる霊感持ちで視える体質。その影響を受けたのか自分も最近視えるようになったが、子供の頃からそうだった彼女とは流石踏んできた場数が段違いで、何が居ても全く気にしない。頼もしい限りだが、物干し竿に首を吊った状態で現れる女が不倫相手だと気づかれる事が何より一番恐ろしい。
妻を殺して埋めてから三日経ち、あの場所ではすぐ発見されるかもしれないと不安になった。遺棄する場所を変えようと掘り起こすと、骨しか見つからない。更に手足が多い事に戦慄する男に「足りない」としがみついてきた。
妻を埋めた山で知らない男が勝手に穴を掘っていたので慌てて殴って止めさせた。すると穴から妻の声で見知らぬ男の名前と今日の年月の声が聞こえた。後に、都会で人気のない場所で穴を掘って占う方法が流行っている事を知った。
浜辺に落ちていた瓶には手紙のような物が入っていた。好奇心の赴くままに中身を取り出す。私がこの海を訪れて手紙が入った瓶を拾うまでの数日間の行動が事細かに書かれていた。旅行に出かける前、庭に埋めた妻の字だった。
友人に紹介してもらったジムで腰を抜かしそうになった。馬鹿な、嘘だ……! なかなか痩せない元妻はバラバラにして、近所のゴミ屋敷に屯する野良猫にやったはずなのに。
「私が行きます」
妻の寝言に絶望した。それは死神の死刑宣告に等しい。次は誰だと思いを巡らせた時、子供部屋で何かが落ちる音がした。
妹の家庭菜園から妻のバラバラになって発見された。だったら、遺棄する場所に困って冷凍庫に隠してあるアレらは誰なんだ……。
ここのところ定時で帰宅すると、隣の部屋に亡くなった妻の遺族が入っていくのを見かける。住んでいるのは唯一生存してる妻の伯母と同世代の女性一人だけのはずなんだが……。
籍を入れたばかりの妻と旅行。景観とサービスが素晴らしいと評判の旅館に行ったら、予約した部屋以外前妻と元愛人で満室だった。
妻は昨日まで生きていた、はずだ。同じベットで寝たのに、火事で全焼したと言っていた実家で首を吊ってから三日経っているなんて。だが思い返せば会話が噛み合わない事があった。彼女が火事で亡くしたのは家だけではなくて、両親と年子の妹……。
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友人に紹介してもらったジムで腰を抜かしそうになった。馬鹿な、嘘だ……! なかなか痩せない元妻はバラバラにして、近所のゴミ屋敷に屯する野良猫にやったはずなのに。
「私が行きます」
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