Miss.エッグの事情(9/16更新)

狂言巡

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他人の不幸は蜜の味/エッグif

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「後は部下を探させるわ。今夜は付き合いなさい」

 スピネルはそう言って、額をくってつけてきた。長い前髪がさらさら零れ落ちてきて心地いい。どうやら機嫌は幾分回復したようだった。

「一緒に居てもいいんですか?」
「アンタが嫌って言ってもね」

 思わず弾んだ声になると頭を撫でられる。嫌がるなんて有り得ないのに、どうしてそんな意地悪を言うのだろう。

「残念ね。アンタが立てた計画が台無しだわ」

 小さく首を横に振る。別に自分で処理するから構わないのに、むしろ英雄殺しの優等生が行方不明で恐らく警察かヒーロー協会に捕まってしまっている事が申し訳ない。そう伝えると、スピネルは少し面白がるような顔をした。

「どういう事なの、説明なさい」

 咎めるような調子ではない指示に「だって日本では子供のやった事は大体親が責任を取るから』とこっそりと教えた。

「例えば自分の子供が飲み会で非合法のクスリ使って、年下の女の子に乱暴したりしたら、落語家を続けるのは暫らく難しいんじゃないですか?」

 僅かにスピネルの目が見開かれる。そして、喉を逸らして心底愉快だと言うように嗤い出した。

「イイ子ね。点数上げておくわ」

 きょとんとしている様子が更に面白かったのか、緋色の唇を吊り上げて頭を引き寄せられた。





 大型テレビでは人気沸騰中だった落語家が記者会見で質問責めに会いながら、深々と頭を下げ謝罪しているのが映っている。あるアイドルグループに入っていた次男が、飲み会で他の学生と一緒に後輩の新入りモデル(未成年)に性的暴行を加えた挙句に、違法の薬を使用した疑いまであるらしい。この一大スキャンダルに、今後の落語家活動は困難を極めるだろう。日本人は行き過ぎなくらい加害者側の家族にまで責任を求める部分がある。パールの隣に座ったオニキスもテレビ映像を観て、愉快そうな嘲笑を浮かべた。
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