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心霊スポット
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肝試しに二階建ての廃墟に行ったんですよ。そしたらクローゼットからワンピースを着た幼女が出てきたんです。すると言い出しっぺの二学年上の先輩はおいおい泣き出したんで恐怖倍増でした。一先ず外に出て訳を聞くと、幼女が昔海で溺れて亡くなった姪に瓜二つだったんだとか。溺死した姪だったとしても、何で自宅でもない廃墟に出てくるんだって話ですよね。
もう肝試しや飲み会の雰囲気でもなかったんで、現地解散しました。その時、たまたま同じ電車乗る一学年上の先輩に教えてもらったんです。先輩は逃げる時一番後ろで、つい振り替えちゃったんですって。幼女、先輩の事すごい睨んでたんですって。
「機嫌悪いとかじゃなくてさ、知らない相手に向ける表情じゃないと思うんだよな」
それから二学年の先輩は大学辞めちゃったんで、これで打ち切りです。
肝試しで大きめの蛇に驚いた俺達は慌てて廃墟から出た。
「先輩いないじゃん」
「あっ」
恐る恐る家に戻ると、先輩が廊下で泣いている。帰りましょうと肩を叩くと、ズブ濡れの女の子が「お帰り」と駆け寄って来て、肩から胸までぱっくり裂けた中年女が奥の部屋から顔を出して「今日はカレーだよ、手を洗っておいで」と奥の部屋から顔を出した。
酒を飲んだ先輩を家まで送った。なのに着いたのは先程行ってきた幽霊屋敷。住所も道も間違っていない。何度か訪れた事がある場所に幽霊屋敷が建っている。試しに幽霊屋敷があった場所に行くと、先輩の家があった。灯りが点いている。戸惑いつつ家の中に入った先輩に、二度と会う事はなかった。
事前にしっかり仕込んでおいた廃墟に入る前、後輩の一人が「屋上に誰かいるんですけど」と言い出した。まだ入ってないのに変な事言うなよと見上げると、その後輩が手を振っている。
心霊スポットに行ってきた後輩が泣いている。
「俺も霊感欲しいっす」
あー××山って確か猫の幽霊(濃いめ)がわんさかいるんだったな。
先輩から「個人塾の廃墟に行こう」と誘われたので行ってみた。暗い所為か長く感じる廊下の途中で、全員のライトが消えた。最後尾にいた後輩が悲鳴を上げ、皆外に逃げ出す。
「いってて……」
何故か誰一人も靴を履いておらず、靴箱の中に入っていた。ザクザクと切り裂かれた状態で。
無断欠勤今月九回目の後輩が電話をかけてきた。肝試しという名目で不法侵入したら、怖い目に遭ったらしい。
「片っ端から連絡つく人あげてるんですけど、全然許してくれないんですよぉ」
外から太鼓の音が近付いてくる。
見たのがやべー人間かお化けがヨ4対3くらいで意見が割れた心霊スポットから逃げ帰ってきた後の話なんですけど。そのやべーのが姉ヅラして一緒に棲んでるんですよ、先輩と。でもそれから先輩、バカな事を言わないしやらないし巻き込まなくなったんで、バッドエンドとは言い難いんですよね。
幽霊屋敷の噂がある廃墟に行った。隣の部屋に入った後輩がギャッと叫ぶ。吹き出した先輩が「俺、昼に下見に行った時に仕込んどいたの。捕虫シート。天井からぶら下げるヤツ」とネタバラシされる。質悪いなと思いながら確認に行くと、暗闇の中ゲップの音がした。
料理の家とかいう心霊スポットへ行き、自分は何とか逃げ出せた。誰かと話したくなり、事情を知らない後輩に電話をかける。
「先輩、さっきからトントンってモールス信号っすか?」
ハッと顔を上げると、包丁を持った手のシルエットが浮かんだ。
もう肝試しや飲み会の雰囲気でもなかったんで、現地解散しました。その時、たまたま同じ電車乗る一学年上の先輩に教えてもらったんです。先輩は逃げる時一番後ろで、つい振り替えちゃったんですって。幼女、先輩の事すごい睨んでたんですって。
「機嫌悪いとかじゃなくてさ、知らない相手に向ける表情じゃないと思うんだよな」
それから二学年の先輩は大学辞めちゃったんで、これで打ち切りです。
肝試しで大きめの蛇に驚いた俺達は慌てて廃墟から出た。
「先輩いないじゃん」
「あっ」
恐る恐る家に戻ると、先輩が廊下で泣いている。帰りましょうと肩を叩くと、ズブ濡れの女の子が「お帰り」と駆け寄って来て、肩から胸までぱっくり裂けた中年女が奥の部屋から顔を出して「今日はカレーだよ、手を洗っておいで」と奥の部屋から顔を出した。
酒を飲んだ先輩を家まで送った。なのに着いたのは先程行ってきた幽霊屋敷。住所も道も間違っていない。何度か訪れた事がある場所に幽霊屋敷が建っている。試しに幽霊屋敷があった場所に行くと、先輩の家があった。灯りが点いている。戸惑いつつ家の中に入った先輩に、二度と会う事はなかった。
事前にしっかり仕込んでおいた廃墟に入る前、後輩の一人が「屋上に誰かいるんですけど」と言い出した。まだ入ってないのに変な事言うなよと見上げると、その後輩が手を振っている。
心霊スポットに行ってきた後輩が泣いている。
「俺も霊感欲しいっす」
あー××山って確か猫の幽霊(濃いめ)がわんさかいるんだったな。
先輩から「個人塾の廃墟に行こう」と誘われたので行ってみた。暗い所為か長く感じる廊下の途中で、全員のライトが消えた。最後尾にいた後輩が悲鳴を上げ、皆外に逃げ出す。
「いってて……」
何故か誰一人も靴を履いておらず、靴箱の中に入っていた。ザクザクと切り裂かれた状態で。
無断欠勤今月九回目の後輩が電話をかけてきた。肝試しという名目で不法侵入したら、怖い目に遭ったらしい。
「片っ端から連絡つく人あげてるんですけど、全然許してくれないんですよぉ」
外から太鼓の音が近付いてくる。
見たのがやべー人間かお化けがヨ4対3くらいで意見が割れた心霊スポットから逃げ帰ってきた後の話なんですけど。そのやべーのが姉ヅラして一緒に棲んでるんですよ、先輩と。でもそれから先輩、バカな事を言わないしやらないし巻き込まなくなったんで、バッドエンドとは言い難いんですよね。
幽霊屋敷の噂がある廃墟に行った。隣の部屋に入った後輩がギャッと叫ぶ。吹き出した先輩が「俺、昼に下見に行った時に仕込んどいたの。捕虫シート。天井からぶら下げるヤツ」とネタバラシされる。質悪いなと思いながら確認に行くと、暗闇の中ゲップの音がした。
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