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第194話 ヒロインズの海遊び〜ソフィアとナーシャ〜
しおりを挟む「さぁお兄様!今からソフィアと一緒に遊びましょう!!」
「……えっと、これはどういう?」
そこには一面に広がる砂の上に……所々に置いてある泳ぎながら使える物の数々が置いてあった。
ビートバンに……なんだこれ、イルカの浮き輪か?にしてもイルカの牙ってこんな大きかったっけ?
「遊ぶにしてもこれでどう遊ぶんだソフィア?」
「よくぞ聞いてくれましたお兄様!この道具を使ってソフィアと一緒に海の上を泳ぐんです!」
あぁ……なるほど。意外にもとても可愛らしい遊びに納得した。
いやこの子、たまに羽目を外してとんでもないことやるからな……。
「なるほど……では失礼して私はこの輪っかのようなものを……」
そう言ってナーシャはさらっとドーナッツのような形をしたシンプルな浮き輪を取ろうとして…‥ソフィアに腕を掴まれる。
「……なんでナーシャちゃんがここにいるんですか?」
「?なんでって私もソフィアちゃんとアクセルと一緒に遊ぶためですが?」
「だ、だめです!今日はお兄様は私と一緒に遊ぶと決めているんです!!」
「いや決まってないけど……」
「そ、それに……な、ななななんですかその格好は!?ぬ、布面積があまりにも小さいではありませんか!!は、はははは破廉恥です!!」
「それはそうだな」
ソフィアの言葉に否定をしたり、肯定したりする。前者はともかく後者はまじでそう。なんでここまで大胆な子になっちゃったんだナーシャ……。
「いけませんか?なんだか最近、ソフィアちゃんに冷たく扱われてる様で悲しいです……」
「うっ……で、でも今日はだめです!ナーシャちゃんはそうやってお兄様を誘惑するのでだめです!禁止です!!ノーです!!」
若干ソフィアのことを揶揄ってないかナーシャ?少し楽しそうにしてるのは俺の気のせいか?
そんなことを思いながら二人のことを見てると、ナーシャはソフィアに近づきて何かをひそひそと話している。
それを聞いたソフィアは……顔を真っ赤にさせ、ナーシャの方を凝視した。
「な、ななななな!?」
「いけませんかソフィアちゃん?私は別にアクセルの側室でも構いません……それに!ソフィアちゃんとの暮らしも悪くありませんので!」
「そ、そそそそそういう問題では!?!?あの、その……お、おにいさまぁあああ!!!」
そう言って涙目のソフィアが俺の方に近づき抱きついてきた。なんでこうなった?
「お前、ソフィアに何言ったんだよ……」
「あらアクセル?気になります?教えてもいいですけど……その時は責任、取ってくれますよね♪」
「……遠慮しとく」
嫌な予感が的中しそうになったので俺は即時に首を振る。
残念、と全く残念そうにしてない彼女の様子を見て、原作ヒロインの中だと……いやもしかしたら俺が知ってる中でユニーレの次に魔性の女になったのではないかと感じてしまう。
「……とにかく遊ぶんだな。ほらソフィア、俺と遊ぶんだろ?だったらこんなことしてる余裕はないぞ?」
「……そ、そうですね。折角海に遊びに来たんです。こ、こんなところで動揺などしてる暇はありませんね」
そう言ってまだ少し頬が染まっているソフィアが俺から離れる。ほんとに何言われたんだよ……。
「さぁアクセル!早速海に泳ぎましょう!私、もう待ちきれないわ!」
「うわっ!?ちょ、ちょっと待て!?」
とてつもない力で俺のことを引っ張っていくナーシャに静止の言葉を吐くが、俺の言葉など耳に入らない様だ。すっごい笑顔で海に飛び込んだ。
「うわあっ!?」
「きゃっ♪」
ナーシャは楽しそうにしてるが、俺は全くそうじゃない。は、鼻の中に水入っていく……。
「お、お二人とも!?お待ちください!私も一緒に!!」
ソフィアのそんな声が聞こえた瞬間、彼女が海の中にダイブした光景が目に入った。
最早浮き輪関係ないなこれ……。
「ぷはっ!も、もうナーシャちゃん!急にお兄様を連れて行かないでくださいよ!」
「いいじゃないですか♪ソフィアちゃんも了承してくれたし、遊ぶ時は全力でないと楽しくありませんわ♪」
「わ、私は別に了承などしていません!というかいつまでお兄様にくっついているんですか!離れてください!!」
こちらに泳いできたと思ったら俺の腕を掴んで力強く引っ張ってくる。
「だめです~!いくらソフィアちゃんでもそれは許しませんよ~!」
ナーシャもそれに対抗するように思いっきり俺の腕を引っ張るけど……い、痛い!痛い痛い痛い!?
「ふ、二人とも待ってくれ!?これ以上は腕が!」
「もうっ!言うことを聞かないソフィアちゃんはお仕置きです!!」
「それはこっちの台詞です!!最近いつもお兄様に誘惑して……!今日という今日は許しませんよ!!」
すると、二人の背後に水で出来た巨大な水の龍が顕現されていく。
え、何?もしかしてこれって……。
「「水龍!!!」」
「ぐわぁあああ!?!?」
ソフィアとナーシャの魔法が炸裂し、そのせいで真ん中にいた俺は二人の攻撃の餌食になってしまった。
な、なんでいつもこうなるんだ……。
その後、休止に一生を得た俺は無事に海から脱出してとりあえず二人に正座をさせて説教をしてそのまま離れるのであった。
全く……い、命がいくつあっても足りやしない。
「あ、アクセル~!」
ん?この声は……。
声の方を見ると……そこにはこちらに向けて手を振っていたマリアと何かの準備をしているジークの姿があったのだった。
今度は一体何をやろうとしてるんだ?
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