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第193話 水着

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「はぁ……ほら離れなさいマリア。アクセル様が苦しんでわ」

そんな声が聞こえ、「あぁ……」とマリアの残念そうな声とともに辺りの視界が眩しくなった。
う、うぅ……一体いつまで俺は抱きしめられてたんだ……?何故か身体中が痛いし……。

「すみませんアクセル様。マリアの事止められなくて……」

「あ、あぁ。きにする……な……」

……ドレス姿を見ても思ったが、こいつらルックスが良すぎないか?
俺の目の前には肩や腹が露出している黒の水着を着こなしているマリアとピンクと白の縞模様という可愛らしさ全開の水着を着たジークの姿あった。

「……なんか、凄い可愛いな二人とも」

つい本音が出てしまった。いや仕方ないと思う。綺麗系の二人がこういう可愛いものを着るというギャップが勝ってしまったからだ。

そういうとマリアは嬉しそうににぱぁ……!と表情を明るくさせ、ジークはビクッと身体が跳ねた後、恥ずかしそうに水着を隠した。

「あ、ありがとうございます……その、久しぶりに着てみたのですが中々慣れなくて……アクセル様も似合って」
「ありがとうアクセル!!私、貴方にそう言われてすっっっごく嬉しいわ!!」
「……」ピキッ

……ジークがマリアの耳を掴んで何処かに行ってしまった。
マリアは痛い痛い!?って叫んでたけど、どうやら相当イラついたようでジークの顔は酷く真っ赤であった。

「……な、なぁアクセル……こ、これは少し変ではないか……?」

「あら、そうかしら?私は結構好きわよ。この水着」

「ん?なに…………………」

……今、俺の目の前には衝撃的な物を着た二人の姿が映っていた。
な、なんでここにそれがあるんだ……?

「あ、その水着はですね。どうやら最新のもののようですが、二人がなんでもいいと仰られたのでソフィアが選んだんです」

「だ、だからってソフィアよ!こ、これはその、どうかと我は思うが!?」

「でもみんなと比べたら布面積多いわよ。それにこの水着、可愛らしく名前があるじゃない」

「………」

……原作では見たことのなかったその水着に対して俺は、絶句することしか出来なかった。

なんで、なんでここに………スク水があるんだ?
それに妙に似合ってるし、可愛らしく真ん中にそれぞれ二人の名前が書いてあるんだからもう何も言えない。

「どうアクセル?私たちの水着姿は?気に入った?」 

「…………ま、まぁいいんじゃないか?」

……今度また二人に似合う水着を買ってあげよう。そしてソフィア、何でもいいからって少し限度があるぞ。

「まぁアクセル。随分と立派な肉体をしていらっしゃるのですね。見惚れましたよ」

「ん?ナーシャか………なんか過激なもの着てないか?」

「そう思います?でも……アクセルになら全部見られてもいいのよ?」

黄色のマイクラビギニを着て、発展途上の身体を見せつける様に誘惑してくるナーシャに対して、最早前とは別人なのではないか?と発想してしまう。

ソフィアも何故か目つきが鋭くなったし……この二人、仲悪くなってないよね?

「……それで、ユニーレに隠れている二人はなんなんだ?」

彼女の後ろにぴょこっと見えるピンク色の髪の皇女明らかにソフィア達よりも大きく成長している胸が強調されてる聖女を指摘する。

うっ……という声が聞こえ、渋々ユニーレの背中から出てくるラーナとルシア。

「こ、こんなの着たことないから恥ずかしいわ……なんでみんな恥ずかしくなさそうにしてるのよ……」

「わ、私も……は、肌を露出する機会など……あぅ……」

ラーナは全身を隠す様に肌の露出がないレディースのようや物を着ている。
流石に全身の傷は見せられたくないよな……。

対するルシアはみんなのものに比べると少し露出が少ないスカート型の水着だ。
ただ本人はそれでも恥ずかしいのか、いまだに身体を隠している。

「二人とも似合ってるぞ。個性があっていいじゃないか」

「そ、そういうものなの?よくわからないわ……」

「あ、アクセル様に褒められるのはとても嬉しいのですか……や、やはり私には早い気がします……!」

困惑そうにしているラーナに、自分には早い!と人の目を気にするルシアに対してそこまで気にしなくてもいいのにと思ってしまう。

個性はあるけどみんなそれぞれ水着を用意してきたんだなぁ……と思ってると、急に両方の手から誰かが握ってくるような感触を受けた。

「さぁお兄様!全員来たことですし早速向かいましょう!今日は思いっきりソフィアと遊んでください!」

「え?ちょ、ちょっとまっ……」
「あらソフィアちゃん。その遊び、私もぜひ参加させてください。私もアクセルと遊びたいので」

そう言って無理矢理俺の手を引っ張ってどこかに連れて行こうとするナーシャとソフィア。

俺はなんとか抵抗……というなの助けを求める様に父と母に視線を向けるが……あの二人、イチャイチャしてるせいでこっちに気づいてない……!

ユニーレ達も俺達のこと見守ってるだけだし……結論、何も出来ないと悟りました。

「「さぁ、お兄様(アクセル)!!」」

「……あはは」

そうして俺は二人に連行されるがままにされるのであった。
どうやら海の遊びはまだまだこれからのようだ。

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