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第105話 アナザーエピソード 〜ラーナ〜
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彼……アクセルと関わっていると、何故だか昔のことを思い出してしまう。
私こと、ラーナ・リンネル・メルトリアはランディール帝国の第三皇女として生まれてきた。
強き者こそ、国を統べる権利ありという実力社会の帝国は私にとって地獄の空間にいるのと同じであった。
私には、父様のような剣術の才能も、母様のような多彩な魔法を扱える力……適性がなかった。
そのせいで、家族からはまるで不良品のように扱われた。
ある時は、鍛錬とは言えない虐待と言ってもいいほどの剣を打ち込まれたり、試し撃ちの的として魔法を撃たれたりした。
今でもその消えない傷は、私の身体に刻まれている。まるで、お前は一生下僕だと言ってるかのように。それがトラウマのようなもので……誰にも見せたくないものでもあった。
そんな私でも、好きなことがあった。
剣を振ることだ。
でもそれは、兄様や姉様と打ち合いすることではない。私が好きだったのは……。
「おぉ、ラーナ!来てくれたのか!」
「うん!おじいちゃんとの時間、好きなんだもん!」
「おほぉ、そうかそうか!おじいちゃんは嬉しいぞ」
現皇帝……ロネル・リンネル・メルトリアこと私のおじいちゃんとの時間が私にとってかけがえのない時間で一番好きな時間だった。
家族よりも私に凄く優しくしてくれて、甘やかしてくれた。この時は、恐怖やトラウマのようなもが感じなくて、とっても好きだった。
どれくらい好きかって言うと、前まで「おじいちゃんと結婚する!」と何度も本人の前で言ったくらいだ……今では恥ずかしくてそんなこと言えないけど。
おじいちゃんの剣はとても荒々しくて、幻想って言ってもいいほど綺麗な剣だった。
他の人物のような才能に振り回されてるものじゃない。それに伴う努力をひたすら続け、磨き上げたものだと、見ただけで分かった。
才能がない私にとっては、そんなおじいちゃんは憧れの象徴でもあった。
この時間だけは私が生きていいと実感させてくれた……そんなはずなのに……数年後、悲劇が幕を開けてしまった。
ある時だ。私がいつも通りにおじいちゃんと剣を打ち合っていると、急に胸を抑えて苦しみ出したのだ。
冷静などなれるはずがなかった。私は死に物狂いでおじいちゃんに声を掛け続けた。それなのに、おじいちゃんは何も答えてくれない。
その場にいた護衛の人達がおじいちゃんを背負ってベットに連れて行かれてたが……あまり、覚えてない。
それほど、頭が真っ白になるほどの出来事だったのだ。
この国にいる腕利きのお医者様に見せてもらった所……原因不明の呪いが掛けられているとのことだ。
このままだと、命が危ないと言われて……私は呆然としてしまったのと同時に思ってしまった。
——私の、せいだ。
分かってしまったのだ。この出来事に、家族が絡んでいることが。
たまにその事で嫌味を言われたり、いつも以上に打ち込まれたりすることだってあった。
その嫉妬と憎悪が私に向けられて……そして、邪魔と感じた父様が何者かに頼んで、おじいちゃんに呪いをかけたのだと。
でも……言えなかった。家族に恐怖の種を植え付けられた私には……そんなこと口が裂けても会えなかった。
でも、そんな時に好機が訪れた。
この国にあるイメドリア王国、武勇祭の景品の中に癒しのペンダントという品物がある。
それが、猛毒を除く異常状態を打ち消してくれる効果があるのだ。
つまり、今おじいちゃんに掛けられている呪いにも効くのだ。
「……私が、おじいちゃんを救わないと」
そう決心した私は、一応父様に報告を入れてから、イメドリア王国に出発した。
ただ、家族のせいで性格が捻くれてたので、あまり人と関わるのが得意ではなかった。
そのせいで、私はずっと一人であったが……そんなの、関係ない。
「おじいちゃんを救えば……そんなこと」
そんな考えをしてた時に現れたのだ……私を、認めてくれる人が。
アクセルという白と黒が混ざった髪色をした人物だ。
初めは気迫も何も感じなかった。ただ、自分と同じだと思った。何もない私みたいに……それが私を苛つかせ、彼の周りにいる人が激怒させてしまうほどの事を言ってしまった。
弱い、劣化品……まるで自分のことを言ってるみたいで心がぐしゃついた。
でも、それをなんとも思ってない彼の様子があった。
(……なによ。私には目もくれないわけ?)
そう思った。でも、時々こちらを見る彼の目は……おじいちゃんと同じ優しい目であった。
それが、きっかけなのだろうか。自己紹介の時や試験のときではない。
あの時、優しい目をしてくれた彼に興味が湧いた。
それから私は、彼に武勇祭に出ないかと提案してみた……ほんとに、自分でも何やってるんだろって思った。でも、彼はそんな提案に乗ってくれた。
彼……アクセルは鍛練してる時にいつも私に的確なアドバイスをくれた。
おじいちゃんみたいな優しい言葉だけではなく、少し厳しいことも言うことだってあった。
でも……こんな私でも、彼の目には失望、軽蔑、嫌悪などのようなものがなかった。
だから、彼に褒められた時は心が踊った。
こんなに楽しい気持ちになったのは、いつぶりだろうか?
自分の剣が着々と実力を付いてきてることや改めて剣を振るう楽しさを実感してくれたりと……昔に戻った気分であった。
でも、それは傲慢だということに私はあの時気づいてしまった。
あの赤髪の男……アレスに負けて、自分は調子に乗ったんだと分かってしまった。
そして、思ってしまう。やはり才能も何もない私では何も駄目なんだと……。
………その時くれたアクセルの言葉が今でも鮮明に覚えている。
折れない不屈の心に、積み重ねてきた努力の剣。
それが私の強さだと言われた時、馬鹿馬鹿しいと思ったのに……何故だが目頭が熱くなってしまった。
『これは、お前が勝ち取った勝利だよ』
そんなことない。きっと私のために言ってくれたのは理解出来たけど……彼の目は本気でそう思っているという迫力があった。
なんでだろうか、今まで閉ざしていた心がまるで氷のように溶けているのが、分かったのは……そして、思ったのだ。
私は……アクセルのその言葉で救われたのだと。
『わしはお主の剣が好きだぞ』
嘗て私に対して言ってくれたおじいちゃんの言葉。
劣等感の塊であった子供の頃の私では、それは理解できなかったが……あの試合を見て、そしてアクセルの言葉を通じた私なら分かる気がする。
この剣が……私の剣を好きと言ってくれたほんとの理由が。
◇
「はぁ……はぁ……おじいちゃん…!」
アクセルと鍛錬していたという事もあってか基礎能力が大幅に上昇して、僅か二日でランディール帝国に着くことが出来た。
途中、城の中で家族に遭遇して何か言われた気がするが、今の私はそれどころではなかった。
(……あの人がくれたチャンスを、無駄にするわけにはいかない…!)
大切に握りしめているエメラルド色をしたペンダントを見ながら、おじいちゃんの部屋に辿り着いた。
(お願い……おじいちゃん…!)
心臓がドキドキとなり響く中、意を決してその扉を開けた。
「おじいちゃ……ッ!?」
……最後まで、言葉が発することが出来なかった。
だって、身体を起こして窓の外を眺めている自身の祖父の姿が目に入ったのだから。
「ん?……おぉラーナ!元気であったか?じいちゃんはお主に会えて嬉しいぞ!」
少し痩せ細っているが、こちらに手を広げて元気に言葉を発するおじいちゃんに……私は思いっきり飛び込んでしまった。
「おじいちゃん!!」
思いっきり飛び込んだはずなのに、おじいちゃんはなんともないように私を受け止めて、頭を優しく撫でてくれた。
「ど、どうして?なんで元気になってるの?」
「それがの…わしにも記憶がないのだ。ただ、そこにあるビンの入った液体を飲んだら、身体が嘘のように軽くなってな。びっくりしたぞ、ははは!」
疑問に思ってベットのそばにある机を見ると……そこには何かのビンがあった。
それがなんなのか分からない……でも、一つだけ分かったことがあった。
(……あの人が、助けてくれたんだ……)
ただの直感だ。でも、そう考えるしかなかった。
もし私が間に合わなかった時のために、事前に自分の祖父を助けてくれたんだ。
(……なによ。あんな事言っておいて……ちゃんと助けるなら、事前に言っておきなさいよ)
捻くれた性格のせいで、心の中でもそんな言葉しか吐けない。
でも、彼には感謝しかなかった。
きっとおじいちゃんを救えても彼が何もしなければ私は……今でも苦しんでいたと思う。
今思えば分かる。彼の行動は全部……少しでも私を救うためにやってくれたのだと。
「……さて、ラーナや。おじいちゃんは少しやる事が出来た」
「……それって?」
「わしをこのような目に遭わせた愚か者の始末だ……それで頼みがあるのだが……頼まれてはくれないか?」
おじいちゃんの提案に対して、私は賛成だ。
おじいちゃんをこんな目に遭わせた奴らのことを……許すつもりがない。
以前の私であれば、即答したであろう……でも、私は彼との約束を果たさないといけない。
「……ねぇおじいちゃん。それなら私のお願い、聞いてくれる?」
「ん?なんだい?ラーナの頼みであれば、なんでも叶えるぞ」
「ほんと?じゃあ……」
私は自分の宝物のようにそのエメラルド色をしたペンダントを握りしめて、自身の祖父に言い放った。
「私、これからも学園に行きたい!!」
——アクセル。貴方の言葉、嘘にはさせないわよ。絶対に貴方の元へ戻ってくるわ。
私の剣が好きって言うならこれからも付き合いなさい。
それに……貴方とやりたいことがあるの。
その時は……ちゃんと付き合ってね?
私こと、ラーナ・リンネル・メルトリアはランディール帝国の第三皇女として生まれてきた。
強き者こそ、国を統べる権利ありという実力社会の帝国は私にとって地獄の空間にいるのと同じであった。
私には、父様のような剣術の才能も、母様のような多彩な魔法を扱える力……適性がなかった。
そのせいで、家族からはまるで不良品のように扱われた。
ある時は、鍛錬とは言えない虐待と言ってもいいほどの剣を打ち込まれたり、試し撃ちの的として魔法を撃たれたりした。
今でもその消えない傷は、私の身体に刻まれている。まるで、お前は一生下僕だと言ってるかのように。それがトラウマのようなもので……誰にも見せたくないものでもあった。
そんな私でも、好きなことがあった。
剣を振ることだ。
でもそれは、兄様や姉様と打ち合いすることではない。私が好きだったのは……。
「おぉ、ラーナ!来てくれたのか!」
「うん!おじいちゃんとの時間、好きなんだもん!」
「おほぉ、そうかそうか!おじいちゃんは嬉しいぞ」
現皇帝……ロネル・リンネル・メルトリアこと私のおじいちゃんとの時間が私にとってかけがえのない時間で一番好きな時間だった。
家族よりも私に凄く優しくしてくれて、甘やかしてくれた。この時は、恐怖やトラウマのようなもが感じなくて、とっても好きだった。
どれくらい好きかって言うと、前まで「おじいちゃんと結婚する!」と何度も本人の前で言ったくらいだ……今では恥ずかしくてそんなこと言えないけど。
おじいちゃんの剣はとても荒々しくて、幻想って言ってもいいほど綺麗な剣だった。
他の人物のような才能に振り回されてるものじゃない。それに伴う努力をひたすら続け、磨き上げたものだと、見ただけで分かった。
才能がない私にとっては、そんなおじいちゃんは憧れの象徴でもあった。
この時間だけは私が生きていいと実感させてくれた……そんなはずなのに……数年後、悲劇が幕を開けてしまった。
ある時だ。私がいつも通りにおじいちゃんと剣を打ち合っていると、急に胸を抑えて苦しみ出したのだ。
冷静などなれるはずがなかった。私は死に物狂いでおじいちゃんに声を掛け続けた。それなのに、おじいちゃんは何も答えてくれない。
その場にいた護衛の人達がおじいちゃんを背負ってベットに連れて行かれてたが……あまり、覚えてない。
それほど、頭が真っ白になるほどの出来事だったのだ。
この国にいる腕利きのお医者様に見せてもらった所……原因不明の呪いが掛けられているとのことだ。
このままだと、命が危ないと言われて……私は呆然としてしまったのと同時に思ってしまった。
——私の、せいだ。
分かってしまったのだ。この出来事に、家族が絡んでいることが。
たまにその事で嫌味を言われたり、いつも以上に打ち込まれたりすることだってあった。
その嫉妬と憎悪が私に向けられて……そして、邪魔と感じた父様が何者かに頼んで、おじいちゃんに呪いをかけたのだと。
でも……言えなかった。家族に恐怖の種を植え付けられた私には……そんなこと口が裂けても会えなかった。
でも、そんな時に好機が訪れた。
この国にあるイメドリア王国、武勇祭の景品の中に癒しのペンダントという品物がある。
それが、猛毒を除く異常状態を打ち消してくれる効果があるのだ。
つまり、今おじいちゃんに掛けられている呪いにも効くのだ。
「……私が、おじいちゃんを救わないと」
そう決心した私は、一応父様に報告を入れてから、イメドリア王国に出発した。
ただ、家族のせいで性格が捻くれてたので、あまり人と関わるのが得意ではなかった。
そのせいで、私はずっと一人であったが……そんなの、関係ない。
「おじいちゃんを救えば……そんなこと」
そんな考えをしてた時に現れたのだ……私を、認めてくれる人が。
アクセルという白と黒が混ざった髪色をした人物だ。
初めは気迫も何も感じなかった。ただ、自分と同じだと思った。何もない私みたいに……それが私を苛つかせ、彼の周りにいる人が激怒させてしまうほどの事を言ってしまった。
弱い、劣化品……まるで自分のことを言ってるみたいで心がぐしゃついた。
でも、それをなんとも思ってない彼の様子があった。
(……なによ。私には目もくれないわけ?)
そう思った。でも、時々こちらを見る彼の目は……おじいちゃんと同じ優しい目であった。
それが、きっかけなのだろうか。自己紹介の時や試験のときではない。
あの時、優しい目をしてくれた彼に興味が湧いた。
それから私は、彼に武勇祭に出ないかと提案してみた……ほんとに、自分でも何やってるんだろって思った。でも、彼はそんな提案に乗ってくれた。
彼……アクセルは鍛練してる時にいつも私に的確なアドバイスをくれた。
おじいちゃんみたいな優しい言葉だけではなく、少し厳しいことも言うことだってあった。
でも……こんな私でも、彼の目には失望、軽蔑、嫌悪などのようなものがなかった。
だから、彼に褒められた時は心が踊った。
こんなに楽しい気持ちになったのは、いつぶりだろうか?
自分の剣が着々と実力を付いてきてることや改めて剣を振るう楽しさを実感してくれたりと……昔に戻った気分であった。
でも、それは傲慢だということに私はあの時気づいてしまった。
あの赤髪の男……アレスに負けて、自分は調子に乗ったんだと分かってしまった。
そして、思ってしまう。やはり才能も何もない私では何も駄目なんだと……。
………その時くれたアクセルの言葉が今でも鮮明に覚えている。
折れない不屈の心に、積み重ねてきた努力の剣。
それが私の強さだと言われた時、馬鹿馬鹿しいと思ったのに……何故だが目頭が熱くなってしまった。
『これは、お前が勝ち取った勝利だよ』
そんなことない。きっと私のために言ってくれたのは理解出来たけど……彼の目は本気でそう思っているという迫力があった。
なんでだろうか、今まで閉ざしていた心がまるで氷のように溶けているのが、分かったのは……そして、思ったのだ。
私は……アクセルのその言葉で救われたのだと。
『わしはお主の剣が好きだぞ』
嘗て私に対して言ってくれたおじいちゃんの言葉。
劣等感の塊であった子供の頃の私では、それは理解できなかったが……あの試合を見て、そしてアクセルの言葉を通じた私なら分かる気がする。
この剣が……私の剣を好きと言ってくれたほんとの理由が。
◇
「はぁ……はぁ……おじいちゃん…!」
アクセルと鍛錬していたという事もあってか基礎能力が大幅に上昇して、僅か二日でランディール帝国に着くことが出来た。
途中、城の中で家族に遭遇して何か言われた気がするが、今の私はそれどころではなかった。
(……あの人がくれたチャンスを、無駄にするわけにはいかない…!)
大切に握りしめているエメラルド色をしたペンダントを見ながら、おじいちゃんの部屋に辿り着いた。
(お願い……おじいちゃん…!)
心臓がドキドキとなり響く中、意を決してその扉を開けた。
「おじいちゃ……ッ!?」
……最後まで、言葉が発することが出来なかった。
だって、身体を起こして窓の外を眺めている自身の祖父の姿が目に入ったのだから。
「ん?……おぉラーナ!元気であったか?じいちゃんはお主に会えて嬉しいぞ!」
少し痩せ細っているが、こちらに手を広げて元気に言葉を発するおじいちゃんに……私は思いっきり飛び込んでしまった。
「おじいちゃん!!」
思いっきり飛び込んだはずなのに、おじいちゃんはなんともないように私を受け止めて、頭を優しく撫でてくれた。
「ど、どうして?なんで元気になってるの?」
「それがの…わしにも記憶がないのだ。ただ、そこにあるビンの入った液体を飲んだら、身体が嘘のように軽くなってな。びっくりしたぞ、ははは!」
疑問に思ってベットのそばにある机を見ると……そこには何かのビンがあった。
それがなんなのか分からない……でも、一つだけ分かったことがあった。
(……あの人が、助けてくれたんだ……)
ただの直感だ。でも、そう考えるしかなかった。
もし私が間に合わなかった時のために、事前に自分の祖父を助けてくれたんだ。
(……なによ。あんな事言っておいて……ちゃんと助けるなら、事前に言っておきなさいよ)
捻くれた性格のせいで、心の中でもそんな言葉しか吐けない。
でも、彼には感謝しかなかった。
きっとおじいちゃんを救えても彼が何もしなければ私は……今でも苦しんでいたと思う。
今思えば分かる。彼の行動は全部……少しでも私を救うためにやってくれたのだと。
「……さて、ラーナや。おじいちゃんは少しやる事が出来た」
「……それって?」
「わしをこのような目に遭わせた愚か者の始末だ……それで頼みがあるのだが……頼まれてはくれないか?」
おじいちゃんの提案に対して、私は賛成だ。
おじいちゃんをこんな目に遭わせた奴らのことを……許すつもりがない。
以前の私であれば、即答したであろう……でも、私は彼との約束を果たさないといけない。
「……ねぇおじいちゃん。それなら私のお願い、聞いてくれる?」
「ん?なんだい?ラーナの頼みであれば、なんでも叶えるぞ」
「ほんと?じゃあ……」
私は自分の宝物のようにそのエメラルド色をしたペンダントを握りしめて、自身の祖父に言い放った。
「私、これからも学園に行きたい!!」
——アクセル。貴方の言葉、嘘にはさせないわよ。絶対に貴方の元へ戻ってくるわ。
私の剣が好きって言うならこれからも付き合いなさい。
それに……貴方とやりたいことがあるの。
その時は……ちゃんと付き合ってね?
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