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第18話 混沌の魔女vsアクセル 後半
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同時に動いた
魔女はその計り知れない威力と数の魔法と球体でアクセルに畳み掛ける。
それはまさにミサイルかの如く、兵器と言っても過言ではないだろう。
だが、アクセルはこれを難なく回避、斬撃や魔法を使って相殺し、魔法、球体を斬る。
先ほどとは思えない程の魔法の数の暴力だが、彼はこれを耐えていた。
その圧倒的なセンスと身体能力が混沌の魔女という戦いの中で学んでいってるのだろう
つまり彼は戦いながら成長しているということだ。
その証拠に彼の表情は余裕に満ちており今にも魔女にも届きうる領域に立とうとしていた。
アクセルがだんだんと魔女に近づいていき———
「複数化: 岩石流星!」
虚無力で応用した擬似的な魔法で、魔女にも負けない数の暴力が至近距離で彼女を襲う。
魔女も負け時と岩石のような物を構築し、相殺している。その衝突でカケラが残る
たまに、魔女に当たったりしてダメージは与えられてるが、魔女の再生能力は桁ハズレですぐに元に戻っていた。
だが、不思議と魔女の顔は先ほどよりほんの少し僅かだが、少し疲れているようにも見る。
それを見たアクセルが口角を上げる。
「混沌の魔女さんも流石に疲れることがあるんだな!!」
アクセルの疲労も正直半端ないが、それを気合いでカバーしている。
魔女は顔を険しめ、先ほどの魔法や球体よりも威力が増した攻撃をぶつけてくる
「くっ!まだこれだけの力が残ってたのか…だけどそれだけ余裕もないってことだよな?」
アクセルは顔を顰しかめ面になりながらも、それは余裕がないということだと考え 岩石流星を相手に与え続ける。
またそれだけではなく、アクセルは魔女の背後に複数の魔法陣を展開させる
「複数化:激流の波!」
土壇場で発動させた遠隔操作での魔法ができるほど彼もまた魔法という解釈を広げ、そして技術も少しずつ上がっていた
混沌の魔女は後ろに魔法が発動された瞬間
異能の力で作った防御壁を展開しながら、アクセルに攻撃をし続ける
だが、アクセルが発動させた激流の波アクアブレイクはそう簡単には防御しきれず――
突如防御壁が溶け始める
魔女は驚き、再度構築し続ける。なぜだ?普通の水魔法なら簡単に防げるはずだと思考を回しながら。
(うまくいった!水魔法に物体を溶かす性質を混ぜて発動させられた。それに、混沌の魔女は混乱している。叩くなら今!)
アクセルは一気に魔法を全開に発動させながら、魔女に近づいていく。その一瞬の隙が命取りと考える余裕がない魔女は、アクセルが近づいたことで身を引いてしまう。
そして、アクセルが神威に力を込めた途端、神威の刀身が何かを纏い始める。その光景は驚くべきものであり、まるで神々の力が刀身を包み込むかのように見えた。その力の源は、アクセルの虚無力と神威の融合であり、その結果として新たな力が生まれつつあることを示唆している。
「虚無付与:虚無の力」
神威自身に虚無を、さらに「虚無の力」を「虚無付与」することで、膨大なエネルギーを刀に集中させる。
その結果、神威の刀身はまばゆい光を放ち、周囲に強烈な虚無の波動を発することになった。それは、アクセルの意志と神威の力の融合によって生まれたものであり、刀自体が虚無の力を帯びた存在となる
「お前を倒せば、あいつは帰ってくるんだろ!!」
今にも暴走しそうな力をなんとか押し込み、アクセルは魔女に自分の最大火力をお見舞いする。
「伊邪那岐の神!」
その瞬間、「キーン!」という音が消滅したかのような静寂が訪れ、神威から放たれた力が魔女に直撃した。その威力は絶大で、アクセル自身も反動でダメージを受けるほどのものだった。これは、アクセルがまだ膨大な虚無の力を完全に制御しきれていない証拠でもあり、同時に彼の未来の力を示している。風を切るような音が響く中、地震や津波、天変地異に匹敵する大爆発が発生し、アクセルはその反動で後ろに吹き飛ばされながらも、その光景を見守っていた。
「クッ.....はぁ.....はぁ......我ながら恐ろしい威力だな。回復は....できるか?一応反動で飛ばされただけだからな。さ、流石にこれでだめならもうどうすることもできないな....」
アクセルはもう立たないでくれと心の底から思いながら、満身創痍になりながらも見守っていた。
だがその願いは崩れさることとなる。
「...ア、アク、セ....」
混沌の魔女の様子を見ていたら、声が聞こえてきた。その声はローレンスだった。
「ローレンス!良かった、元に戻っ....」
元に戻ったんだなとそう言いかけた時だった
「逃げ...て.....!」
その瞬間、煙から弾丸のようななにかが俺の腹部に貫いた。
「がはっ!」
俺は激しい激痛から身体を地に伏せてしまった。
そして倒れたと自覚した時、自分が油断していたことに気づいた。
(くそっ!油断した!てっきりローレンスの声が聞こえたからもう元に戻ったんだと思ってしまった!なぜ気づかなかった?どうしてその可能性を見落としていた?)
そんな自責の念に苛まれながら、俺は彼女の方を見る
すると煙の中から現れたのは、少女のような姿のローレンスではなく、ローレンスが成長した未来の姿を彷彿とさせる混沌の魔女だ。
そう、原作ではなかったから「それ」はないとずっと思っていた
ローレンスと魔女の人格を入れ替えることを
アクセルはなんとか立ち上がろうとしたが、腹部の激痛からか、うまく立ち上げれない。
そんな魔女は何も感じないのか、アクセルを滅ぼさんとばかりに右手をこちらに向ける。
だが、その膨大な魔法と球体の数からは彼を絶対に殺すと言わんばかりの殺意が芽生えてる証拠だった。
これは混沌の魔女にしても初めてのものだ、故に困惑してしまった。
自分は混沌という世界を生み出すために生まれたのに、たかが一人の男に「殺意」というものを向け、そして怒りという「感情」をこの男によって自分感じてしまったことを。
そんな感情を抱きながら彼女は彼のことを見た。自分が死に瀕しているというのに彼は今にも自分を殺さんとばかりの目を向けている。
ドクン....!
その瞬間、自分の鼓動が高鳴るのを感じた。
なぜだ、今までこのような経験はしたことがなかったのに、この男を見ると不思議と身体がゾクゾクする。初めてだ、まるで自分ではない誰かになっているようで。
いまだ高鳴る心臓を抑え、彼女は改めて彼を見た。そして自分自身でも予想外な行動を彼女はしてしまう。
『.....あなた、名前は?』
「ッ!」
彼が目を見開いて驚く。かくいう魔女も自分自身に驚いていた。
いままでこの方、誰かと話したことも無ければ、声を発したこともない。
だが、アクセルという自分に初めての気持ちや感情のようなものを自覚させた存在に会ったことで彼女の中のなにかが壊れてしまった
戸惑いながらも悪い気分ではないと感じ、そのままアクセルに声をかける
『聞こえてるのかしら?名前は?』
再度問う。次答えなければ殺すと言わんばかりに魔素濃度を高めるが、彼は戸惑いながらも魔女の問いに答えた。
「...アクセル・アンドレ・レステンクール」
瞬間、自分の鼓動が早くなる。答えてくれて嬉しいのかは分からない。
だが、この姿は見せてはならないと思い、感情を無にする
『そう....あなたの名前は一生忘れないわ』
満足したかのように、再度魔女は彼を殺さんとばかりに魔法と球体の準備をする
....いやもしかしたら魔女は考えたかもしれない
自分のことを変えてくれた人と一緒にいたらまた何かが変わったかもしれないと。
しかし、アクセルはまだ諦めるつもりはなかった。彼の目には、まるで今にも相手を殺すかのような執念が宿っているように見え、さらに、彼の意志が折れる様子は微塵もなく、それが彼の不屈の精神を象徴していた。
その彼が再び動き出す
「....豪火球!」
前方に豪火球を発射させたが、魔女にはかすり傷つかず、そもそも当たってなどいなかった
魔女はある意味失望していた。もうここまでなのね、自分のことを変えてくれるかもしれないと思ったのはただの杞憂だったと。
『...さようなら』
今楽にしてあげるとそう思ってるかのように、魔女は彼に魔法や球体を放った....
....はずだった。
『ゔぅっ!』
放とうとした瞬間、何故か魔女は急に膝をついて苦しそうに胸を抑えている。
「...ははっどうやらバレなかったらしいな」
アクセルは激痛に耐えながらも、なんとか立ち上がり混沌の魔女を見下ろした。
誰もが予想できなかったであろう形勢逆転の瞬間だった
「知ってるか?ヒ素って硫酸加えて、加熱すれば有害な毒ガスになるってよ?
俺もあんまり知らないが、覚えておいて正解だったぜ。」
アクセルは立ち上がり、不敵な笑みを浮かべながらそんなことを言う。
実は彼、もしものために少し保険をかけていたのだ。
勘がいいのか、魔女が自分の後ろに振り向くと――
―そこには煙を出しながら溶けている石があった
アクセルが放った魔法は3つ
「岩石流星」「激流の波」「豪火球」である。
このとき、土魔法である岩石流星にはヒ素を含めた岩石があった。
威力に関しては彼女の土魔法と相殺、もしくは威力で押されたりして、なんの変哲のない土魔法だ。そして岩は石のような欠片となり、そのまま地面に落ちていった
そこに激流の波で純粋な水ではなく硫酸を元にした水魔法をできるだけヒ素に当たるように調節
伊邪那岐の神で殆どが散っていったが、僅かに残ったヒ素を豪火球で加熱した
そうすると人工的な毒の完成だ。
ただほんとに危険だからみんなは真似しないでね?
……誰に言ってるかはともかく
とりあえずアクセルは自分が負けそうになった時に毒を精製していたのだ。
『…あのときから?』
魔女は驚いた。体の自由は効かないし、息も苦しい。
なんとか呼吸ができるように魔法で擬似的に空気を送る。だが、それでも駄目らしくなかなか魔女は立ち上がれない。
それにこの世界は毒という存在は認知されてはおるが、治療方法に関しては現時点ではほとんどない。その方法に魔法による治療は該当しない。
だから魔法で治すことは出来ないある意味アクセルの「最終奥義」なのだ。
「俺はなんとか毒を打ち消してるからな……
さぁ、ここからだぜ?本当の勝負はよぉ!」
アクセルはそう言い、今も膝をついている混沌の魔女との最後の戦いをしようとした……
だか、いくら経っても魔女が立ってこない。様子がおかしいと思ったアクセルは少し観察することにした。
『…………は、はは』
「?」
すると、魔女が声を発する。この時、魔女が最初に抱いたのは怒りや憎しみではなく———
『ハハ、ハハハ…アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』
———純粋な「喜びと嬉しさ」だった。
『そう、そうよ!私を変えてくれた存在がこんなことで終わるはずないわ!!』
魔女は嬉しかった。自分でも操れない毒を作り、さらには自分をここまで楽しませてくれる、変えてくれる
さっきまで失望していた自分を思いっきりぶん殴ってやりたいという気持ちを抱いたほどでもある。
『はぁ…はぁ……苦しい………これが毒なのね………でもそれ以上に嬉しいわ!1000年以上生きている私をまだまだ変えさせてくれる!混沌の世界を作るだけが使命だった私をここまで楽しませてくれる!最高だわ!!』
魔女は空を飛び、まるで毒など喰らっていないかのように踊っている。
初めての体験、初めての感情、初めて本気の自分と渡り合えるの相手……そんな初めてをさせてくれる存在が今、目の前にいる
この人といればまだまだ楽しめる、私をまだまだ変えさせてくれる。
湧き出てくる想いは次第に大きくなる。
『はぁ…素敵だわ、この子が好きになるのも無理ないわよ……』
すると混沌の魔女がアクセルの方を見る。
彼を見ているだけでドキドキが止まらない。
彼女はまた新しい自分がいることに嬉しさを覚え、そして変えさせてくれるアクセルに異常な程にどんどん沼っていく
(な、なんだ?急に混沌の魔女の雰囲気が変わった……変な毒でも入れたのか?それになぜだ?……ソフィアと同じ匂いがするぞ)
アクセルは妹と少し似ている雰囲気となった
混沌の魔女を見て、呆気に取られてた。
『ねぇアクセル?』
「ッ!」
アクセルが再び構え出す。
もう油断しないように激痛に耐えながらも相手を見る。
すると、混沌の魔女は戦う前とは全く違う雰囲気でとんでもない発言をする。
『この勝負、アクセルの勝ちでいいわ。この子のことも返してあげる……その代わり、これから先ずっと貴方のそばに居させてくれないかしら?』
………………
……………………?
…………………………???
「………は?」
こうして、混沌の魔女との戦いは彼女の発言であっさりと終幕したのだった
………いやなんの冗談だよ?
カクヨムにも投稿しております!
内容はそっちの方が先にしれますので、もし良かったら応援お願いします!
魔女はその計り知れない威力と数の魔法と球体でアクセルに畳み掛ける。
それはまさにミサイルかの如く、兵器と言っても過言ではないだろう。
だが、アクセルはこれを難なく回避、斬撃や魔法を使って相殺し、魔法、球体を斬る。
先ほどとは思えない程の魔法の数の暴力だが、彼はこれを耐えていた。
その圧倒的なセンスと身体能力が混沌の魔女という戦いの中で学んでいってるのだろう
つまり彼は戦いながら成長しているということだ。
その証拠に彼の表情は余裕に満ちており今にも魔女にも届きうる領域に立とうとしていた。
アクセルがだんだんと魔女に近づいていき———
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虚無力で応用した擬似的な魔法で、魔女にも負けない数の暴力が至近距離で彼女を襲う。
魔女も負け時と岩石のような物を構築し、相殺している。その衝突でカケラが残る
たまに、魔女に当たったりしてダメージは与えられてるが、魔女の再生能力は桁ハズレですぐに元に戻っていた。
だが、不思議と魔女の顔は先ほどよりほんの少し僅かだが、少し疲れているようにも見る。
それを見たアクセルが口角を上げる。
「混沌の魔女さんも流石に疲れることがあるんだな!!」
アクセルの疲労も正直半端ないが、それを気合いでカバーしている。
魔女は顔を険しめ、先ほどの魔法や球体よりも威力が増した攻撃をぶつけてくる
「くっ!まだこれだけの力が残ってたのか…だけどそれだけ余裕もないってことだよな?」
アクセルは顔を顰しかめ面になりながらも、それは余裕がないということだと考え 岩石流星を相手に与え続ける。
またそれだけではなく、アクセルは魔女の背後に複数の魔法陣を展開させる
「複数化:激流の波!」
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異能の力で作った防御壁を展開しながら、アクセルに攻撃をし続ける
だが、アクセルが発動させた激流の波アクアブレイクはそう簡単には防御しきれず――
突如防御壁が溶け始める
魔女は驚き、再度構築し続ける。なぜだ?普通の水魔法なら簡単に防げるはずだと思考を回しながら。
(うまくいった!水魔法に物体を溶かす性質を混ぜて発動させられた。それに、混沌の魔女は混乱している。叩くなら今!)
アクセルは一気に魔法を全開に発動させながら、魔女に近づいていく。その一瞬の隙が命取りと考える余裕がない魔女は、アクセルが近づいたことで身を引いてしまう。
そして、アクセルが神威に力を込めた途端、神威の刀身が何かを纏い始める。その光景は驚くべきものであり、まるで神々の力が刀身を包み込むかのように見えた。その力の源は、アクセルの虚無力と神威の融合であり、その結果として新たな力が生まれつつあることを示唆している。
「虚無付与:虚無の力」
神威自身に虚無を、さらに「虚無の力」を「虚無付与」することで、膨大なエネルギーを刀に集中させる。
その結果、神威の刀身はまばゆい光を放ち、周囲に強烈な虚無の波動を発することになった。それは、アクセルの意志と神威の力の融合によって生まれたものであり、刀自体が虚無の力を帯びた存在となる
「お前を倒せば、あいつは帰ってくるんだろ!!」
今にも暴走しそうな力をなんとか押し込み、アクセルは魔女に自分の最大火力をお見舞いする。
「伊邪那岐の神!」
その瞬間、「キーン!」という音が消滅したかのような静寂が訪れ、神威から放たれた力が魔女に直撃した。その威力は絶大で、アクセル自身も反動でダメージを受けるほどのものだった。これは、アクセルがまだ膨大な虚無の力を完全に制御しきれていない証拠でもあり、同時に彼の未来の力を示している。風を切るような音が響く中、地震や津波、天変地異に匹敵する大爆発が発生し、アクセルはその反動で後ろに吹き飛ばされながらも、その光景を見守っていた。
「クッ.....はぁ.....はぁ......我ながら恐ろしい威力だな。回復は....できるか?一応反動で飛ばされただけだからな。さ、流石にこれでだめならもうどうすることもできないな....」
アクセルはもう立たないでくれと心の底から思いながら、満身創痍になりながらも見守っていた。
だがその願いは崩れさることとなる。
「...ア、アク、セ....」
混沌の魔女の様子を見ていたら、声が聞こえてきた。その声はローレンスだった。
「ローレンス!良かった、元に戻っ....」
元に戻ったんだなとそう言いかけた時だった
「逃げ...て.....!」
その瞬間、煙から弾丸のようななにかが俺の腹部に貫いた。
「がはっ!」
俺は激しい激痛から身体を地に伏せてしまった。
そして倒れたと自覚した時、自分が油断していたことに気づいた。
(くそっ!油断した!てっきりローレンスの声が聞こえたからもう元に戻ったんだと思ってしまった!なぜ気づかなかった?どうしてその可能性を見落としていた?)
そんな自責の念に苛まれながら、俺は彼女の方を見る
すると煙の中から現れたのは、少女のような姿のローレンスではなく、ローレンスが成長した未来の姿を彷彿とさせる混沌の魔女だ。
そう、原作ではなかったから「それ」はないとずっと思っていた
ローレンスと魔女の人格を入れ替えることを
アクセルはなんとか立ち上がろうとしたが、腹部の激痛からか、うまく立ち上げれない。
そんな魔女は何も感じないのか、アクセルを滅ぼさんとばかりに右手をこちらに向ける。
だが、その膨大な魔法と球体の数からは彼を絶対に殺すと言わんばかりの殺意が芽生えてる証拠だった。
これは混沌の魔女にしても初めてのものだ、故に困惑してしまった。
自分は混沌という世界を生み出すために生まれたのに、たかが一人の男に「殺意」というものを向け、そして怒りという「感情」をこの男によって自分感じてしまったことを。
そんな感情を抱きながら彼女は彼のことを見た。自分が死に瀕しているというのに彼は今にも自分を殺さんとばかりの目を向けている。
ドクン....!
その瞬間、自分の鼓動が高鳴るのを感じた。
なぜだ、今までこのような経験はしたことがなかったのに、この男を見ると不思議と身体がゾクゾクする。初めてだ、まるで自分ではない誰かになっているようで。
いまだ高鳴る心臓を抑え、彼女は改めて彼を見た。そして自分自身でも予想外な行動を彼女はしてしまう。
『.....あなた、名前は?』
「ッ!」
彼が目を見開いて驚く。かくいう魔女も自分自身に驚いていた。
いままでこの方、誰かと話したことも無ければ、声を発したこともない。
だが、アクセルという自分に初めての気持ちや感情のようなものを自覚させた存在に会ったことで彼女の中のなにかが壊れてしまった
戸惑いながらも悪い気分ではないと感じ、そのままアクセルに声をかける
『聞こえてるのかしら?名前は?』
再度問う。次答えなければ殺すと言わんばかりに魔素濃度を高めるが、彼は戸惑いながらも魔女の問いに答えた。
「...アクセル・アンドレ・レステンクール」
瞬間、自分の鼓動が早くなる。答えてくれて嬉しいのかは分からない。
だが、この姿は見せてはならないと思い、感情を無にする
『そう....あなたの名前は一生忘れないわ』
満足したかのように、再度魔女は彼を殺さんとばかりに魔法と球体の準備をする
....いやもしかしたら魔女は考えたかもしれない
自分のことを変えてくれた人と一緒にいたらまた何かが変わったかもしれないと。
しかし、アクセルはまだ諦めるつもりはなかった。彼の目には、まるで今にも相手を殺すかのような執念が宿っているように見え、さらに、彼の意志が折れる様子は微塵もなく、それが彼の不屈の精神を象徴していた。
その彼が再び動き出す
「....豪火球!」
前方に豪火球を発射させたが、魔女にはかすり傷つかず、そもそも当たってなどいなかった
魔女はある意味失望していた。もうここまでなのね、自分のことを変えてくれるかもしれないと思ったのはただの杞憂だったと。
『...さようなら』
今楽にしてあげるとそう思ってるかのように、魔女は彼に魔法や球体を放った....
....はずだった。
『ゔぅっ!』
放とうとした瞬間、何故か魔女は急に膝をついて苦しそうに胸を抑えている。
「...ははっどうやらバレなかったらしいな」
アクセルは激痛に耐えながらも、なんとか立ち上がり混沌の魔女を見下ろした。
誰もが予想できなかったであろう形勢逆転の瞬間だった
「知ってるか?ヒ素って硫酸加えて、加熱すれば有害な毒ガスになるってよ?
俺もあんまり知らないが、覚えておいて正解だったぜ。」
アクセルは立ち上がり、不敵な笑みを浮かべながらそんなことを言う。
実は彼、もしものために少し保険をかけていたのだ。
勘がいいのか、魔女が自分の後ろに振り向くと――
―そこには煙を出しながら溶けている石があった
アクセルが放った魔法は3つ
「岩石流星」「激流の波」「豪火球」である。
このとき、土魔法である岩石流星にはヒ素を含めた岩石があった。
威力に関しては彼女の土魔法と相殺、もしくは威力で押されたりして、なんの変哲のない土魔法だ。そして岩は石のような欠片となり、そのまま地面に落ちていった
そこに激流の波で純粋な水ではなく硫酸を元にした水魔法をできるだけヒ素に当たるように調節
伊邪那岐の神で殆どが散っていったが、僅かに残ったヒ素を豪火球で加熱した
そうすると人工的な毒の完成だ。
ただほんとに危険だからみんなは真似しないでね?
……誰に言ってるかはともかく
とりあえずアクセルは自分が負けそうになった時に毒を精製していたのだ。
『…あのときから?』
魔女は驚いた。体の自由は効かないし、息も苦しい。
なんとか呼吸ができるように魔法で擬似的に空気を送る。だが、それでも駄目らしくなかなか魔女は立ち上がれない。
それにこの世界は毒という存在は認知されてはおるが、治療方法に関しては現時点ではほとんどない。その方法に魔法による治療は該当しない。
だから魔法で治すことは出来ないある意味アクセルの「最終奥義」なのだ。
「俺はなんとか毒を打ち消してるからな……
さぁ、ここからだぜ?本当の勝負はよぉ!」
アクセルはそう言い、今も膝をついている混沌の魔女との最後の戦いをしようとした……
だか、いくら経っても魔女が立ってこない。様子がおかしいと思ったアクセルは少し観察することにした。
『…………は、はは』
「?」
すると、魔女が声を発する。この時、魔女が最初に抱いたのは怒りや憎しみではなく———
『ハハ、ハハハ…アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』
———純粋な「喜びと嬉しさ」だった。
『そう、そうよ!私を変えてくれた存在がこんなことで終わるはずないわ!!』
魔女は嬉しかった。自分でも操れない毒を作り、さらには自分をここまで楽しませてくれる、変えてくれる
さっきまで失望していた自分を思いっきりぶん殴ってやりたいという気持ちを抱いたほどでもある。
『はぁ…はぁ……苦しい………これが毒なのね………でもそれ以上に嬉しいわ!1000年以上生きている私をまだまだ変えさせてくれる!混沌の世界を作るだけが使命だった私をここまで楽しませてくれる!最高だわ!!』
魔女は空を飛び、まるで毒など喰らっていないかのように踊っている。
初めての体験、初めての感情、初めて本気の自分と渡り合えるの相手……そんな初めてをさせてくれる存在が今、目の前にいる
この人といればまだまだ楽しめる、私をまだまだ変えさせてくれる。
湧き出てくる想いは次第に大きくなる。
『はぁ…素敵だわ、この子が好きになるのも無理ないわよ……』
すると混沌の魔女がアクセルの方を見る。
彼を見ているだけでドキドキが止まらない。
彼女はまた新しい自分がいることに嬉しさを覚え、そして変えさせてくれるアクセルに異常な程にどんどん沼っていく
(な、なんだ?急に混沌の魔女の雰囲気が変わった……変な毒でも入れたのか?それになぜだ?……ソフィアと同じ匂いがするぞ)
アクセルは妹と少し似ている雰囲気となった
混沌の魔女を見て、呆気に取られてた。
『ねぇアクセル?』
「ッ!」
アクセルが再び構え出す。
もう油断しないように激痛に耐えながらも相手を見る。
すると、混沌の魔女は戦う前とは全く違う雰囲気でとんでもない発言をする。
『この勝負、アクセルの勝ちでいいわ。この子のことも返してあげる……その代わり、これから先ずっと貴方のそばに居させてくれないかしら?』
………………
……………………?
…………………………???
「………は?」
こうして、混沌の魔女との戦いは彼女の発言であっさりと終幕したのだった
………いやなんの冗談だよ?
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ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
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最強無敗の少年は影を従え全てを制す
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ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
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