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第六十三話 青年と這いよる混沌

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 時は夕暮れ、太陽が沈み初めて夕焼けが景色を彩り、習い事の帰宅途中だというのに何かないかウキウキしている。
 火曜日と金曜日に入る塾、土日は英会話教室と部活で半日は消える。小学生ながら多忙の毎日だが、それなりに充実はしてある。だけど、何よりそんな日々でも、刺激というものが全く持って足りない。
 友達は小学生ながらに顔は整ってて、モテにモテ毎日刺激に絶えず、もう一人の友達も熱中しているものがあるせいか毎日が楽しそうだった。
 正直、そんな彼らが羨ましい。俺も何か刺激的な、非現実的な何かに出会ったりして何か刺激をもらいたい。最近流行りの妖怪なんかとも会ってみたいな。
 
 自転車をこいで公園の横を通り過ぎて、近くの神社も通り過ぎようとすると、神社の近くから煙が出でいるのを目撃する。点々と足跡を残すように、小さい火が神社の奥へと続く。その状況に胸が躍り、興味本位でその火を辿って奥へと進む。
 奥に進むにつれて日は激しさを増し、森を深紅に染め上げる。そしてその中で一人の少女が炎の前に立ち尽くしているのを発見する。

 少女の手をつかんで走った、何も言わずにひたすら炎に追われないように少女を連れて河川敷まで走った。
 河川敷に着いた時、俺は少女に向かって説教する。
 
 「お前馬鹿なのか!?あんな炎の前に立ち尽くして、死ぬ気だったのか!?」

 少女の顔を見るも、少女はきょっとんとした顔をして話しかける。

 「面白い子だね君。あんなトコに来て死ぬ気かなと思ったけど、ボクを助けるだなんて。トンだ変わり者もいたものだね。」

 「変わり者とはなんだ!あんなトコにいるお前の方がよっぽど変だし、危なかったし。」

 「ボクのことを心配してくれたのかい?」

 「そりゃだって、危なかったし。」

 「ふーん、じゃあお礼しなきゃね。」

 そう言って彼女は、俺の頬にサッとキスを交わしてどこかに行ってしまった。



 これが、あいつとの最初の出会いだった。

 
 
 中学の部活帰り。小学生時代の俺は、中学になって新しくなった環境に馴染めず、いつもの三人とずっと過ごしていた。部活のサッカーも、変に絡んでくる奴が多くうんざりして友人が所属している科学部で日々ゲシュタルト崩壊しそうなくらいに実験を繰り返していた。
 そんな部活の帰り道、時間はとっくに六時過ぎ。辺りは暗くなっていた。

 「なんか面白い事ねーかなー」

 あの日と同じようにつまらない現状に嘆いていると、空に何かが飛んでいるのを見た。蝙蝠にしては大きすぎるし、何なら白鳥とかの大型の鳥のそれよりも、大きな謎の黒い未確認飛行物体。その発見に心躍り、それを追従するようにチャリを走らせた。

 一通り追い掛け回すとそれは、あの時の河川敷に降り立った。その姿はまるで怪物のようだったが不思議と嫌な気持ちになかった。
 ゆっくりと近づくと、怪物は俺を睨みつける。俺はその顔のには無いはずの目に既視感を覚え、口にした。

 「あんた、もしかして。あの時の女の子か………?」

 「あれ?君あの時の面白い子かい?よく僕だって気づいたね。この姿を見て何も思わないのかい?」
 
 「最初は驚いたけど、やっぱりあんただったんだな。」

 「答えになってないけど」
 
 「それはごめん。えーっと、あんた何て言うのもあれだし、名前教えてくれないか?俺の名前は-------。君の名前は?」

 「僕の名前はニャルラトホテプ。信じてくれるかはわからないけど、僕は神様なんだ。」










 あ…れ…?俺は、寝てたのか?

 月島「悟さーん!カレーできましたよ!起きてくださーい!!!」

 伊角「さとるー起きなよーカレー冷めちゃうぞー」

 悟「あっ、わりぃわりぃ。ちょっと変な夢見ちゃってさ。いやー腹減った!早速食べてもいいか?」

 月島「そんなガッツかないで、よく噛んでくださいよ。」

 悟「はいはい、わかってるよ。」

 それにしても、あの夢は何だったんだ?まあ、今気にすることでもないか。今はこの幸せな空間で、楽しく食事しますかね。

 ニャル子も誘えば良かったかな?
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