もと勇者だったけど酒場の店主やってます

クロ☆龍

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あの時君は…

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 だからね!
何がだからなのか分からないが今日も管を巻く元同僚達。
 昔はボンキュボンな目に毒なフェロモン撒き散らし、泣かした男女は数知れず(バイなのだ)と言われた女がカウンターに溢れた胸をおもむろにのせて目の周りを涙で真っ黒にしながら語り出した。
「だから、言ったのよ~!私がね」ひくひく泣く姿を見ることに昔なら考えられなかったな…とか考えながら話を聞いてるのがバレた バレたらしい
「ゆーちゃん!聞いてる!」聞いてるさ聞き続けておりますがな と返事を口にせずニコニコ笑っておく。
 頬っぺたを膨らませたよ。もと美女とか言われた女が とか思いながら話を促した、何を言ったのかと 答えを知りながら。

 またドアベルが鳴った。開くドアの隙間から数年前に流行った甘ったるい香水が入ってきた。

「いらっしゃい。今日はどうしたんだい?同僚ばかり集まるじゃないか。」
香水を纏った男性が当たり前のように先ほど話から、泣いたり怒ったりする女の横に座る。

あれ?ママこんなとこに居たんだ?当たり前のようにハンカチを出し目元を拭く格好をとりながらママと呼んだ女をしっかり見ながら語りかける。

「パパじゃん!何でもないわよ!」意味不明な言葉をはっする二人。

「相変わらず 相方だけでは物足りないのかい?」二人を見ながら大袈裟にため息をついてみる。
ジトっとむくれた瞳を知ってるくせに と語ってるのも何時ものこと
隣の男にもたれながら小声で何かをささやき 男は人前なのを気にせずキスをする

これが昔からのルーティン

今更ながらよくこんなリア充に付き合えれたなと思う

また ドアベルが鳴る

今度はフードを深く被った小柄な新規さん

「いらっしゃい。別れから出会いがある酒場へようこそ。」

カウンターにどうぞ 魔法使いさん?いや元魔法使いさんかな?

そう。この酒場は昔の冒険者達の集まりば。出会い夢を見て戦った 後の者たちの溜まり場。

血気盛んな現役冒険者を終えて気持ちの高まりと体力とのバランスを持て余し 家族に分かってもらえない モヤモヤを吐き出す。

今日も聞かせてもらいましょう
あなたはどんな 昔話ありますか?
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