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第179話
しおりを挟むベッドに伏せて悶える俺に重なるようにして、奥を先端で捏ねるように動く彼。
辛うじて腰をあげたまま、殆ど暴力のような快感に浸っていると、項に凪の息がかかる。
「っは、は……な、ぎ……」
「うまそうだ」
「うっ、い……っ!」
項を噛まれ、それが終わったあとも至る所に歯型が付けられた。
何度目か、噛まれた時にそれだけで射精してしまって、けれどその間も悶えるしかなく必死で呼吸をする。
そうして休む間もなく律動が始まった。
「はぅっ、ぁ、あっ、きもち、あぁっ!」
「っは、奥が、吸い付いてきてる」
「んうぅっ!」
パタパタ、凪の汗が背中に落ちてくる。
いっぱい動いてくれてるから、あとで拭いてあげないと。
いつも頑張ってくれる彼に、何かしらお礼がしたい。
「ぃ、あっ、ぉ、お……そ、こは、だめ……っ」
「これ、子宮か」
「ひっ、いぃぃっ!」
発情期のオメガには子供を産む器官が備わってある。
壁とは違う少し硬い場所を、先端が掠める度に頭の中が真っ白になるくらい気持ちがいい。
「真樹、まーき、ゆっくり呼吸して」
「っひ、は、はひ、き、もち……」
「ここに出すよ。ねえ、子供ができるね。いい?」
「んっ、だ、してぇ……っ」
お強請りすれば凪の動きは一段と速くなった。
くぷっと子宮口に先端が押し付けられて、可愛がられ絆されたそこが僅かに口を開ける。
「は、柔らかく、なった」
「はっ、はぁ……っ」
口が僅かに開いた衝撃で、ペニスから潮を吹く。
ベッドが汚れてもお構い無しに、凪は俺を攻めたてた。
「ぅ、ぁ、あ……あ、あっ、凪っ、ぁ、待ってぇ……」
手を後ろに伸ばし、彼の太ももに触れ、動きを止めようとすると、その手を取られ後ろに引かれる。
余計に体が密着した。体の制御が出来ずに震えてしまう。
彼が律動して子宮口にあたる度に潮を吹いて、またイク……っと体にギュッと力が入ったとき、ペニスがそこに押し当てられ、熱い精液が掛けられる。
「あぁっ、ぁ、つい……っ」
「はぁっ、はぁ……」
奥に送り込むように、吐き出したあとも緩く動く彼は、少ししてようやく冷静さを取り戻したらしい。
ペニスを抜くとすぐにタオルを取りに行って、俺の体を拭き始める。
「真樹、無理させた……」
「ん、だ、大丈夫……」
精液を貰ったから、発情期も一時的に治まっている。
今からまたお風呂に入る元気は出なくて、凪さんに体を吹いてもらったあと、ソファーに移動して体を休めた。
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