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第164話
しおりを挟む「今、やだ……っ」
「でもほら、中解さないと」
「っ!ぁ、んぅぅっ、そこばっかり……っ!」
続けて達してしまいそうになって、後孔がキュッと締まる。
「あ、だめ、まって……っぁ、や……っ!」
あ、イク──と思ったその時、後孔から指が抜かれた。
「ぁ、え……?」
「ん?」
「え、な、なんで、今……、え……?」
「まって、って言っただろ。」
「ぅ……い、意地悪、しないでよぉ……」
生理的な涙が目に浮かんで、ポロッと零れた。
凪は苦笑して、俺を抱き締める。
「ごめん、怒らないで」
「怒ってないもん……」
「ほら、いっぱい良くしてあげるから。」
「っん、ぁ、あぁぁ……」
また指が入ってきて前立腺を弄られ、すぐに足がガクガクしてしまう。
快感を逃がしたくて体を捻るけれど、抱きしめられているから上手くいかない。
あっ、と思った時には達していて、何かに縋り付きたくて、慌てて凪に抱きついた。
「は、ひ……っ、ぅ、凪、んぅ……っ」
キスをされ、唇が離れる。
ぼんやりしているうちに体を洗われて、慌ただしくベッドに連れて行かれた。
「ぁ、ん、ん……っ!」
「はぁ……真樹、ごめん、挿れていい……?」
仰向けになる俺に覆い被さって、何度目かのキスに応えて、足を開く。
「挿、れて」
後孔にペニスが宛てがわれ、息を吐くと同時に力を抜くと、ゆっくりとそれが押し入ってきた。
背中にゾクゾクとした感覚が走って、シーツを掴む。
「真樹」
「ぁ、ぐ、うぅ……っ!」
太い部分が前立腺を引っ掻いて、ゆっくり抜ける。
何度かそれを繰り返され、漸く奥の壁を突かれた。
「っは、ぁ……」
「奥が吸い付いてきてる。期待してる?」
「あっ、い、いじわる、しないでってば……奥は、怖いから、今日はダメ……」
「うーん……。じゃあ今は我慢する」
暫く動かずにそのまま抱き合う。
中が馴染んで、凪のそれを包むような動きを始め、我慢できずに腰を動かした。
凪もそろそろ限界だったようで、律動を始める。
「っあ、あ、あ……っ」
「凄い、うねってる」
「はっ、そこ、そこもっと、ぁ、あ……っ!」
感じる部分をピンポイントで攻められて、すぐに追い詰められていく。
気持ちいい。もっとしてほしい。
やってきた多幸感に浸り、ギュッと目を閉じた。
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