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第158話

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 言っていた通り、夜ご飯はホワイトクリームのパスタを食べ、お風呂に入ると何もせずに抱き合って眠った。
 夢を見ることとなく朝を迎え目を開けると、彼に抱きしめられたまま。
 それが嬉しくて彼の胸に顔を埋める。
 けれどモゾモゾしすぎたせいか、凪さんをおこしてしまった。


「おはよぉ、凪さん。」
「ん……おはよう」


 少し掠れた低い声が腰に響く。
 額にかかる前髪を退けて、そこに唇を押し付けた。


「凪さん、今日も仕事……だよね……?俺も行っていい?橋本にちゃんとお礼を伝えたい」
「うん。わかったよ。」


 体を起こした彼は、欠伸を零すと俺を抱き上げて一緒にベッドから降りた。
 洗面所に連れて行かれ、それぞれそこで朝の準備をして、キッチンに移動する。
 コーヒーを俺が入れて、凪さんがご飯の準備をして。そうして二人で何気ない会話をするのが楽しい。


「そうだ。蒼太にも報告しておかないと。」
「そうだな。……それに、前に真樹と話したことを伝えないといけないし、改めてお礼をしないとね。」
「あ、うちの会社に来ないかってこと?」
「うん。」


 できた朝食とコーヒーをテーブルに並べた。
 また会話をしながら、明るい雰囲気で食事を終えて会社に行く準備をする。
 その間に蒼太に近々会えないかと連絡を入れた。


「あ、橋本にお礼、何渡せばいいと思う?」
「何にしようか」
「好物とかも知らないんだよね……。お礼にご飯を御馳走する方がいいかな。」
「その方がいいかもしれないね。」


 話が纏まり、準備が終えると凪さんが「出るよ」と声を掛けてきた。
 一緒に玄関に行き、外に出て朝の空気を吸う。

 何だか清々しい気持ちだ。
 最近は出かける時、いつも不安だったから。



「今日は何でそんなに笑顔なの?」


 そう聞いてきた彼に、ふふっと笑いかける。


「最近、ずっと怖かったから……。久しぶりに気持ちよく外に出れたのが嬉しいです。なんだか今日はいい日になりそうな気がして」
「そっか。楽しみだな」
「うん」


 凪さんと手を繋ぎ、駐車場まで歩いた。


  
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