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第142話
しおりを挟む口の中に入ってくる大きな質量を、ゆっくりと咥える。
何度もしたことがある行為だけれど、今日は特別で、凪さんの思うようにして欲しいと思う。
「っ、ぐ、ぅ……」
さっき指で触られた喉の輪っかを先端が軽く触れた。
途端嗚咽して苦しくなるのに、壁に縫い付けられているから動けない。
「っ、っ!」
苦しいのと同時に快感が襲ってくるから、ペニスはもうとっくに勃起して涎を零している。
「むっ、ぐぅ、ふ、は、はぅっ……」
腰が引かれ、喉に触れていたそれが一度抜ける。
一気に息を吐き出して、ゲホゲホと乾いた咳を零し落ち着いたところで、またペニスが入ってくる。
「んぐぅ……っ」
噛まないように気をつけて、体から力を抜くとさっきと同じ奥に触れたそれが輪っかを超えて中に入ってきた。
「──っ、ッ!」
「はぁ……入った」
下生えがさわさわと顔に触れる。
息ができない。それをわかっていて喉が締まる頃にペニスが抜けていく。
「は、はぁっ、はぁーっ」
「口開けて」
「うぅ……っ」
同じように奥まで入れられ、そこで何度か律動される。
生理的な涙が溢れて止まらない。
必死で凪さんを気持ちよくしてあげたくて、喉を締めた。
「真樹、このまま出してもいい?」
凪さんが申し訳なさそうに俺を見下ろしてそう言う。
たくさんちょうだい。そう思いながら見上げると首の角度が変わって、腰を引いた彼に一気に喉奥を突かれ、そのままそこで留まる。
喉奥に熱いそれが注がれて、気付けば俺自身も軽く達していた。
腕が解かれ、体が離れる。
口元に手を当ててゴクッと飲み込み、何度も咳を繰り返した。
「ごめん。水持ってくる。」
「っん、凪さん、待って……」
「大丈夫?気分悪い?」
「ぁ、凪さん……な、凪、気持ちいぃ……イっちゃったぁ……」
後孔がヒクヒクしているのがわかる。
凪に手を伸ばす。
腰が抜けているようで上手く歩けない。
「真樹、水は?」
「いらないから、こっち、こっちして……」
抱きしめてもらってその手を取りお尻に導く。
「ヒクヒクしてる。俺の咥えて気持ちよくなったの?」
「気持ちいい……して、こっちもいっぱい突いて」
スリスリと彼にペニスを擦り付けると凪は小さく笑った。
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