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第141話
しおりを挟むベッドに寝転び、彼が俺に覆い被さるようにしてキスをする。
舌が入ってきて、僅かに感じる苦しさに爪先がピンと伸びた。
「っぐ、はふっ、ぁ、凪さ、待って、息が……っ」
「ん、真樹、腰揺れてる」
「は……っ苦しいの、気持ちいい……」
飲み込めなかった唾液が零れて口元を汚す。
それをぐいっと親指で拭いとった彼が、また唇を重ねてくる。
体勢が変わって、ベッドヘッドに背中を預けるように座ると、頬を撫でられた。
「嫌になったら教えて。」
「うん」
指先が唇に触れる。
ゆっくりと親指が口内に入ってきて、ちゅっと指を吸う。
「噛まないように、頑張ぅ」
「噛んでもいいよ。怒らない」
人差し指が舌の上に乗り、奥の方を撫でる。
はっ、はっ……と息が荒くなって、溢れそうになった唾液を飲み込んだ。
「舌、伸ばして。奥触るよ」
「ぅ、ぁ、あ……おぇ……っ」
一瞬顎に力が入って指を噛みそうになる。
慌てて首を反らし抜こうとしたけれど、背後にあるのは壁でコツっと頭をぶつける。
凪さんの手首を掴んで必死に耐えた。
「うっ、ぁ、」
「大丈夫?もう一回できる?」
「でき、う」
手を離して、体から力を抜く。
すぐに来るだろう苦しさに怯える反面、楽しみで、もしかしたら俺は性癖が歪んでしまっているのかもしれないと思う。
「っ、ふ、ぉ……」
「あと少し頑張って」
喉の奥の輪っかを撫でられる。
足がシーツを掻いて、ぎゅっと拳を握る。
「はっ、は、はぁーっ、ぁ……」
「上手だ」
指が抜かれ、少し寂しくなってしまう。
もっと太いの、息が出来なくなるくらい苦しいのが欲しい。
「凪さ……あの、凪さんの……」
「舐めたい?」
「うん……舐めたい、口いっぱいしたい……」
そう言うと凪さんは「んー」と悩んだ後、「どっちがいい?」と提案をしてきた。
「真樹がたくさん苦しいことしたいなら、ベッドから降りて背中を壁に着けて腕を上げて。苦しいことが嫌で舐めたいだけなら、こっちにおいで。」
ドキドキする。
ずっと彼には優しくしてもらっていたし、甘い時間しかほとんど過していないから、彼となら色んなことをしてみたい。
ゆっくり腰を上げてベッドから降りる。
壁に背中を着けると、彼も傍に来て立ち上げた俺の腕を掴んだ。
「真樹はもしかするとマゾヒストなのかもしれないな」
「……嫌?」
「ううん。真樹ならどんな真樹でも好きだ。」
座っている俺の口元に、緩く勃起してるそれが宛てがわれる。
「口開けて。ゆっくり奥まで飲み込んで」
先端にキスをして、大きく口を開けた。
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