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第110話
しおりを挟む凪の肩に手を置いて、いつもより時間をかけて受け入れた。
少し休んで中が馴染むのを待ってから、ゆっくり腰を上げてまた下げていく。
「はっ、はぁ、は、凪、気持ちいい……っ?」
「うん、気持ちいいよ」
凪は俺の頬を撫でると、また唇を塞ぐ。
達しそうになって、思わず彼の唇を噛んでしまった。口内に血の味がして慌てて唇を離す。
「ごめ、ごめんなさいっ、ぁ、ま、ちょ……っ!」
「イきたいんだろ」
唇を舐めた彼が、俺の腰を掴むと律動を始めて気持ちいいところばかりを狙って突いてくる。
「あっ、あ、あぁっ、い、く……っぁ、いく、だめ、イク──ッ……!」
思わず膝立ちになってペニスが抜ける。
ビュクビュクと勢いよく射精して、震えてバランスの取れない体を凪の手が支えてくれた。
「っは、はぁっ、ぁ、は、ひ……っぅ、はぁ……っ」
「いっぱい出たね」
膝に座り、彼にもたれ掛かる。
後孔がクパクパと開閉しているのがわかって恥ずかしい。
「真樹」
「ん、うぅ……っ!」
また熱が宛てがわれ、奥まで一気に突かれる。
背中を反らし衝撃に耐えた。
「はぅ、うっ、あ、あ、やだ、まってぇっ、あ……っ」
「よいしょ、っと」
「うぁっ!」
ソファーに寝かされ、俺の膝裏に手を添えた彼が胸にくっつく程に体を折り曲げてきた。
「は、あ、あぁ……っ、く、るし……っ!」
「明日から、家にいるんだよね」
「あっ、あぁっ、ん、いる、けど……っ」
「ちょっと無理させても大丈夫ってことだよね」
「やっ、ぁ、だめ、あっ……ンッ!」
奥の壁に先端が当たる。
つま先がピンと伸びて、簡単に達してしまいそうだ。
「な、ぎ……っぁ、や、いっちゃう、から……っ」
「いいよ」
コツコツと何度も突かれ、すぐに絶頂して一瞬意識が飛ぶ。
「っう、ぁ……」
「真樹」
「ん、い、った、今、イったからぁ!」
続けて奥を突く凪。早く止まってほしくて、ギュッと後孔を締める。
眉間に皺を寄せ、息を詰めた彼は俺を睨みつけた。
「悪い子にはお仕置きだな」
「ぇ、え……っ!?」
「まだまだ頑張ろうね」
そう言ってまた激しく律動する彼のせいで、俺は快感に襲われて、ただ喘ぐしかない。
彼の腕を掴みながら首を左右に振る。
「もう許して」と何度も伝え、凪の首に腕を回して引き寄せキスをする。
それと同時に強く一突きされると、我慢できずに射精した。
少しして彼も俺の中で欲を吐き出す。
「っは……」
「あぁっ、あ、ついぃ……」
初めての感覚。
熱くて、少し不安なのに、満たされていく。
その時ちょうど、お風呂が沸いた合図が鳴った。
「う……凪ぃ、お風呂ぉ……」
「んー……もうちょっと待って」
中にまだそれが入ったまま、強く抱きしめられる。
疲れて眠ってしまいそうだ。
体から力を抜いて目を閉じる。
「あ、まだ寝ないで。お風呂行くから」
「……早く」
呟くように言えば、ようやく体が離れていった。
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