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第103話

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 行為を終えたあと、ベッドを汚してしまったので凪さんがそれを片したあと、一緒に風呂場にやって来た。
 丁寧に体を洗ってくれる彼。正直俺は座っているだけ。


「飲みすぎると勃たないって本当なんだね」
「あ……凪さん、やだ、もうやだ……」


 ペニスも泡で包まれる。
 軽く扱かれて、彼の手を掴んで止めさせた。


「気持ちよすぎて辛いの……」
「うん、ごめんね。」


 謝るくせに、笑顔だ。
 多分ごめんと思ってない。

 その後泡を落とされ、一緒に湯船に浸かった。
 温かさにほっとして、彼にもたれ掛かる。


「三森の事はもう忘れていいからね。俺がなんとかする。」
「何とか?」
「うん。だから、少し真樹にお願いがあって……」
「お願い?」


 なんだろう。振り返ると彼は意を決したような表情で、俺の肩を掴んだ。


「事が収まるまで、真樹には休んでいてほしい。」
「え?」


 思っていなかったことに固まってしまう。


「会社で噂を広められる可能性はゼロじゃない。それが真樹の耳に入って傷つくのを防ぎたい。早く終わらせるから、お願い。」


 彼の表情は真剣だ。


「でも、休んでも、いいんですか……?」
「まあそれに関しては、まず中林さんに話をしないといけないんだけど……。いいかな。」
「話すのはいいんですけど……中林さんには迷惑ばかりかけることになります。それが気になって休めません。ただでさえ発情期で休むことが多いのに……」



 彼女は優しいから、休んでもいいって言ってくれるだろうけど、その分仕事が増えて大変な思いをするのはわかっている。


「明日、話してみるよ。もし難しいようなら、ほら、在宅ワークでできる仕事もあるだろうし……。」
「……ほとんど無いと思うけど」


 考えてみたけれど、それで追いつかない仕事の方が多いと思う。
 凪さんは眉間に皺を寄せて「とにかく、対策は考える。」と言って、一度その話は終わることになった。


「それにしても真樹は橋本君と仲がいいね」


 彼がニッコリと綺麗に笑う。
 なんだかいつもと少し違う笑い方。


「多分、俺に初めてできたちゃんとした男友達なんです。優しいし、俺の事を思って考えてくれるし、友達になれて嬉しい。」
「……そう。それなら俺も割り切らないとなぁ」
「何を?」
「ううん。気にしないで」


 キスをされるとそれ以上は聞けなくて、彼に抱かれたまま体を温めた。
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