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第57話

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 俺が検索したからか、凪さんが過保護だから困っていてそれの対処方法を調べているんだと思われたらしい。
 あながち間違いではないんだけど、あまりにも凪さんがショックを受けて固まっているので困ってしまう。


「あのー……凪さん?」
「ごめん。俺は真樹の事を気にしすぎていたんだな。鬱陶しいよな。そりゃあそうだ。家でも職場でも一緒でその上必要以上に心配されて……」
「鬱陶しくはないです。ただ気になっただけ!一般的にアルファはそうなのかなって。」
「……」
「俺はアルファだった時にそういう感情がなかったから余計に」


 俺を見た彼は、不安そうにしていて申し訳なく思う。
 そういう顔をさせたかったわけじゃない。



「本当に嫌じゃないです。俺の事心配してくれてるってわかってるから。ただ、世間一般的にはどうなんだろうって、興味を持っただけです。」
「……本当に?」
「本当です。だから落ち込まないで。ご飯も食べたいな」
「うん」


 突然強すぎる力で抱き締められて苦しさに彼の背中をバシバシ叩く。
 慌てて体を離した彼はまた謝ってくるから、笑って「大丈夫」を伝える。


「ご飯の用意手伝います。」
「真樹はまだプルプルしてるだろ?」
「お茶とコップを運ぶくらいできますよ。」


 立ち上がり、彼と一緒にキッチンに行って、お昼ご飯の準備をする。
 ちょうど正午になっていた。


「いただきます」


 手を合わせて食事を始める。
 今日はこれから、凪さんは何をするんだろう。
 俺としては彼とゆっくり過ごしたいけれど、何か用事があるなら無理強いできないし。


「今日は何か予定がありますか?」
「予定?いや、真樹とゆっくり過ごそうと思っていたけど。」
「よかった」


 不思議そうな彼は「どうして?」と聞いてくる。


「俺は凪さんと一緒にいたかったので。ご飯食べたら何しますか。」
「何しようかな……」


 そんな会話をしているうちに食事を終え、皿洗いは俺がすると言ったのに全くさせてくれない凪さんに少し不満を感じる。


「俺がやるのに」
「真樹は座ってて」
「何もしてないからやりたかった」
「何もしなくても可愛いからいい」
「……あの、俺って成人済み男性ですよ。何もしなくて可愛いわけがないじゃないですか。」


 皿洗いする彼の隣に立って不満をぶつける。
 ついでに少しイタズラしたくなったので、邪魔をするという意味で抱きついてみたり、すぐ傍で床に座り込んだりしてやった。
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