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第44話
しおりを挟む「嫌じゃないです。凪さんとしたい。俺もう凪さんのものだって理解してる。確かにアルファからオメガに変わった事で抵抗はあったけど、性別が変わっただけで俺の中身は変わってないし、抵抗しなくていいって今は思ってます。」
「そう。……俺はね、真樹が少しでも迷っているならいくらでも我慢するつもりだよ。真樹が不安なら、怖いって感じるなら、発情期中も手は出さない。……本当に嫌じゃない?」
凪さんの手をぎゅっと握る。
不安でも、怖くても、相手が凪さんなら大丈夫。
彼は俺の嫌な事をしない。それどころかとても大切に扱ってくれるから。
「嫌じゃないです。ただ、初めてだからいざその時になれば、やっぱり不安だし怖いって感じると思います。でもそれは初めての事に対する緊張からだと思うから、その時は……俺がちょっと落ち着くまで抱き締めてもらえると嬉しいです。」
「頼まれなくてもそうするよ」
「わっ!」
急に手が引かれて、彼の胸に顔をぶつけた。少し痛い。
凪さんは凄く嬉しそうで、俺も同じように嬉しい。
顔を上げると唇が塞がれる。
何度か触れるだけのキスを繰り返して、その内ソファーに押し倒され、触れるだけだったそれが深くなる。
舌を絡め口内を蹂躙されると頭がぼんやりしだした。
ゾクゾクと背中に走る快感を感じて、もっと気持ちいい事をしたいと求め出す。
「はぅ……」
「トロトロだ」
唇が離れて、快感に浸った変な顔を晒してしまった。
わかっているのに体から力が抜けていて、眉間に皺を寄せるだけで終わってしまう。
「初めてするのは次の日が休みの時がいいと思うんだけど、どうかな。」
「ん、それでいいから、もう一回……」
「こっちも触っていい?」
胸に服の上からそっと触れた彼にギョッとする。
俺、男ですけどって言いたくなる。
けれどそのまま彼の指先が乳首にツンっと触れると擽ったいような感覚があって、もしかしたらこれが気持ちいいということなのか?と思い戸惑いながらも頷いた。
「凪さん、胸、擽ったい」
「それでいいよ」
キュッと抓られて小さく声が漏れる。
暫く服の上から触られていたのに、服の中に手が入ってきて直接肌を撫でられた。
横腹を手が掠め、尖った乳首にツンっと指先が当たる。
「真樹って肌白いよね。」
「はぁ……ぁ、焼けても、赤くなってすぐ、戻るんです……」
「そうなんだね。すごく綺麗だよ」
「んっ!」
服が捲られ、凪さんの顔が近付く。
え……、と思っているうちに、乳首を覆うようにそこに口付けられ、熱い舌に舐められたかと思うとジュッと強く吸われた。
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