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第26話
しおりを挟む震える肩や首に唇を落とす彼。
力を抜いてもたれ掛かるとお尻に触られて、腰が跳ねた。
「そっち、は……」
「少しだけ、駄目?」
「はぅ……う……」
尻臀を揉まれ、いやらしい気分になる。
発情期の時に触られて、中で絶頂し気持ちよかった記憶があるから、怖くはない。
「痛く、しないで……」
「うん」
俺の吐き出した精液のぬめりを借りて、指が後孔をクルクルと撫でた。
緊張して体が固くなる。
それをわかっている彼は、俺の耳に口を寄せ、形に沿ってぴちゃぴちゃと音を立てながらゆっくり舐めていく。耳朶を噛まれ、力が抜ける。
瞬間、指が後孔に挿入された。
「うぅ……っ」
前にされた時より圧迫感があって苦しい。
爪先を丸めて違和感に耐えようとして、ぐっと顔を下に向ける。
「駄目だ。こっち見て。」
「え、は……ん、ぅ……」
唇を塞がれ、俺が落ちないようにしっかりと凪さんの首に腕を回しているのを確認した彼は、背中を支えていた片手を離して、代わりに乳首に触れてきた。
ギュッと痛いくらいに抓られて涙が出る。
「ち、くび、やだ……っ痛い……!」
「うん、でもほら、こうしたら……」
「へ、ぁっ、あ、あ!」
痛んだそこを、彼の唇が包みこんで熱い舌で丁寧に舐められる。乳首で感じたことなんて無いのに、一気に昂ってペニスが首を擡げた。
体の力も抜け後孔に入っていた指が動き出し、中の痼を執拗に触られると、快感で包まれてもう何も考えられない。
「あっ、あー……、きもち、いぃ……はぁ、ふっ、ん……」
「指増やすよ」
「や、抜かないで……!」
「抜かないよ」
指が抜けていくのが寂しくて、勝手に締まるそこ。
彼が乳首を軽く噛んで、それと同時にさっきより増えた質量が後孔を開いていく。
「ん、ぐぅ……!」
「痛くない?」
「は、い……」
発情期じゃないから、前みたいに快感だけを拾うことは出来ない。
痛くはないけど、苦しい。目尻から零れた涙を彼が舐めとる。
「ここ、気持ちいいね」
「あ、あ……はっ、気持ちいい、これ、ぁ……何……?」
「前立腺」
「イっ、ちゃいそう、になる……!」
「いいよ。」
ぐっと強めに撫でられて腰がガクガク震える。
背中が弓形に反れ、胸を突き出すような形になって、彼はそこに唇を寄せた。
「はっは、だめ、いく、イ──っ、あ、あぁッ!」
爪先がピンと伸びて、また射精しないで達してしまった。
これがあまりにも気持ちいいから、癖になりそうだ。
頭がバカになったみたいに働かない。
凪さんに名前を呼ばれて背中を撫でられる。
「真樹、ちゃんと呼吸して」
「っ、は……」
快感に溺れて呼吸ができていなかったみたいだ。確かに息苦しかったように思える。
「今日はここまでかな」
愛おしそうに俺の頬にキスをした彼をしがみつくようにして、強く抱き締めた。
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