甘えたオメガは過保護なアルファに溺愛される

第15話

　布団を目の下まで上げて顔を隠す。
　凪さんも若干顔が赤い気がする。


「あの……えっと、俺……発情期の時なら、触るくらいなら、できるから……。昨日も、したし……。」
「真樹が負担に感じることじゃないから気にしないで。」


　ちらっと凪さんを見上げる。
　視線があって、柔らかく笑った彼を見て下腹部がキュンっとした。

　勝手に体が動き、顔を近づける。
　凪さんの顔に手を添えて、唇を重ねた。


「ん……凪さん、好き。」
「俺も好きだよ。」


　続けて彼にキスをされ、幸福感に包まれた。
　グズグズとお腹の辺りで何かが燻っているような気がする。
　彼にもたれ掛かると、好きな匂いがした。


「凪さん、薬飲む……」
「もう？さっき飲んだばかりだよ」
「でも、なんかおかしいから」


　妙に凪さんにくっつきたくて、スリスリと体を擦り寄せる。
　凪さんは薬を取ってくれずに、それどころか何度もキスをしてきた。


「口開けて」
「ん……ふっ、ぅ……」


　熱い舌が口内に入ってくる。
　舌を絡め取られて、口の中がいっぱいいっぱいになる。
　上手く呼吸が出来なくて、必死で鼻から空気を吸った。


「上手」
「は、はぁ……っ」


　タイミングを見て唇を離した彼だけど、俺の呼吸が整うとまた重ねられたそれ。
　上顎を舐められ、歯列をなぞられ、恥ずかしさとキスの気持ちよさ、それと唾液の甘さに恍とする。


「はぁ……凪さ、ん……痛い……」
「痛い？」
「……ちんちん、痛い……」


　キスだけで熱が上がり、ペニスも勃起してしまって、それを凪さんのお腹に擦り付けるように腰を動かしてしまう。


「発情期になったのかな？」
「うぅー……痛いぃ……」
「俺が触っていいの？」
「ん、触って、痛い、凪さん……」


　凪さんから借りている部屋着をズラされ、下着の中に手が入ってきた。
　人に肌を触られる感覚は、自分で触るよりずっと敏感だ。


「あっ、ふぁ……あ……」
「こっちも濡れてるね」
「やっ、あ！それは、だめ！」


　ペニスに触れた手が、後孔を撫でた。
　それだけで体に電気が走ったみたいに気持ちよかったけど、怖くなって腕にしがみつく。
　彼の手は直ぐに離れて、ペニスを優しく扱きだした。
　がくがく腰が揺れて、息が荒くなる。


「あっ、で、ちゃう……！」
「いいよ」


　ビュクビュクと射精して、背中が丸まる。
　しがみついていた腕から手をやんわりと離され、凪さんは汚れた手をティッシュで拭った。