41 / 114
第1章
第41話
しおりを挟むピーマンの肉詰めはとっても美味しくて、佑里斗は幸せを感じながら完食した。
あまりにも嬉しそうに食べるので、琉生は『こんなに幸せそうな顔をしてくれるなら、これから毎日料理するのもありだな。』と思う。
「ご馳走様でした! 美味しかったぁ。もうお腹いっぱい」
「よかった。皿、下げるだけしておいて。洗っとくからお前は風呂入っといで」
「え!? いや、俺が片付けます! 先輩の方こそ先にお風呂入ってください!」
佑里斗はそこまで甘えてられない! と全力で拒否し、ご飯を食べ終えた琉生の分も皿を下げると、いそいそと片付けをしていく。
少し笑いながら「じゃあ先風呂入ろっかなぁ」と席を立った彼に、佑里斗はハッとして水を止めた。
そして真剣な顔で彼に声をかける。
「先輩、ちょっとだけ待っててもらえませんか……?」
「え、いいけど……何? 何かあった?」
「ううん。ここで待っててね」
佑里斗は走ってプレゼントを取りに行く。
喜んでくれたなら嬉しいけれど。
背中にそれ隠して琉生の元に戻る。
その間待っていた琉生はソワソワしていた。
あまりにも真剣な顔をしていたので、もしかして大学で何かがあったのかと思って。
けれど、すぐに戻ってきた佑里斗がニコニコと笑っていたので、安心して肩から力を抜いた。
「先輩、いつもありがとうございます。この間も……ずっとお世話になりっぱなしで何もお返しできてなかったから、お礼を伝えたくて、これ……」
「え……」
佑里斗は背中に隠していたそれを彼に渡す。
驚きながらそれを受け取った彼は、バッと顔を上げた。
「え、何……? 開けていい……?」
「うん!」
琉生はワクワクした気持ちを隠さないまま、包装されたそれを開ける。
そこには普段自分では買わないようなデザインのルームウェアがあって、嬉しそうに佑里斗を見た。
175
お気に入りに追加
357
あなたにおすすめの小説
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
組長様のお嫁さん
ヨモギ丸
BL
いい所出身の外に憧れを抱くオメガのお坊ちゃん 雨宮 優 は家出をする。
持ち物に強めの薬を持っていたのだが、うっかりバックごと全ロスしてしまった。
公園のベンチで死にかけていた優を助けたのはたまたまお散歩していた世界規模の組を締め上げる組長 一ノ瀬 拓真
猫を飼う感覚で優を飼うことにした拓真だったが、だんだんその感情が恋愛感情に変化していく。
『へ?拓真さん俺でいいの?』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる