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第1章
第29話
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昼休みになり、空き時間が続くので琉生はまた大学近くのカフェに行こうと構内を歩いていた。
イヤホンをつけて外の音を遮断し、どこのカフェに行こうかなと悩んでいるとトントン肩を叩かれて振り返りながらイヤホンを外す。
「美澄、どこ行くの?」
「……昼飯食いに」
そこには前に佑里斗と彼女なのかと勘違いした人物が。
名前を思い出せずにいると、「一緒に行っていい?」と聞かれて顔を顰める。
「一人がいいんだけど」
「何でだよ。この前女と行ってたんだろ」
「……だってお前の名前知らないし」
「ひど……」
そこでようやく彼の名前が松井だと知った。
「なあ一緒に行っていい? 次空きコマなんだよ」
「静かにするって言うなら」
「やった」
琉生は踵を返して二田美足を進めたのだが、視界の隅に見知った顔が映って思わず口を開けた。
「佑里斗!」
名前を呼ばれた佑里斗は驚いて肩を跳ねさせると振り返って琉生を見た。
隣にいた友人──智も同じようにこちらを見る。
そして困ったように笑うと控えめに手を振ってきた。
駆け寄れば彼は辺りをキョロキョロと見回す。
「どこ行くの」
「友達とご飯です。先輩もでしょ?」
「友達……?」
隣にいる松井を見て首を傾げる。
友達というか、知り合い程度なので。
「え……ひどくない? ひどいよね。こいつ本当ひどいよね」
松井はトホホとなりながら琉生の腕を掴み揺らす。
「先輩、仲良くしないとダメですよ」
「あー……うん」
「──あれ、ていうか君この前美澄とご飯食べてた子?」
「え、」
琉生は素早く反応し、ガッチリ松井と肩を組んで「じゃあ、カフェ混むからもう行くわ」と足を動かし無理矢理に会話を終わらせた。
イヤホンをつけて外の音を遮断し、どこのカフェに行こうかなと悩んでいるとトントン肩を叩かれて振り返りながらイヤホンを外す。
「美澄、どこ行くの?」
「……昼飯食いに」
そこには前に佑里斗と彼女なのかと勘違いした人物が。
名前を思い出せずにいると、「一緒に行っていい?」と聞かれて顔を顰める。
「一人がいいんだけど」
「何でだよ。この前女と行ってたんだろ」
「……だってお前の名前知らないし」
「ひど……」
そこでようやく彼の名前が松井だと知った。
「なあ一緒に行っていい? 次空きコマなんだよ」
「静かにするって言うなら」
「やった」
琉生は踵を返して二田美足を進めたのだが、視界の隅に見知った顔が映って思わず口を開けた。
「佑里斗!」
名前を呼ばれた佑里斗は驚いて肩を跳ねさせると振り返って琉生を見た。
隣にいた友人──智も同じようにこちらを見る。
そして困ったように笑うと控えめに手を振ってきた。
駆け寄れば彼は辺りをキョロキョロと見回す。
「どこ行くの」
「友達とご飯です。先輩もでしょ?」
「友達……?」
隣にいる松井を見て首を傾げる。
友達というか、知り合い程度なので。
「え……ひどくない? ひどいよね。こいつ本当ひどいよね」
松井はトホホとなりながら琉生の腕を掴み揺らす。
「先輩、仲良くしないとダメですよ」
「あー……うん」
「──あれ、ていうか君この前美澄とご飯食べてた子?」
「え、」
琉生は素早く反応し、ガッチリ松井と肩を組んで「じゃあ、カフェ混むからもう行くわ」と足を動かし無理矢理に会話を終わらせた。
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