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ロランドとの約束
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コンコン。
中からノックを受けて、馬車に一番近い所に待機していたアケルが扉の錠を外した。
扉が内から開かれて、マリアローゼがよいしょよいしょと降りてくる。
それを見て、マグノリアが馬上から飛び降りて、マリアローゼの手をとって支えた。
歓迎されていない事で鬱憤を貯めていた神聖国の騎士達が、驚いたように顔を上げる。
「アウァリティア王国フィロソフィ公爵家が末娘、マリアローゼと申します。
遠路遥々ご苦労様です。ルクスリア神聖国まで、どうか宜しくお願いいたします」
銀から金に変わる不思議な髪を揺らして、麗しい少女が丁寧なお辞儀をしてみせる。
そして、顔を上げると、可愛らしく親しげな微笑を浮かべた。
暫く呆然としている騎士達に、マグノリアが命じた。
「自己紹介を」
ハッと職務に戻った騎士達が、名前と挨拶を続けていく。
「今日は馬車の上より我らの紹介を聞くだけと聞いておりましたので、驚きました」
とユバータと自己紹介した騎士が最後に嫌味を言ってきた。
まあ、当然そういう人間もいるだろう。
だからといって5歳児の可愛い少女に向けるべきではないのだが、
嫌味で嫌味を返しても仕方ないのだし、怒っても関係を悪化させるだけである。
にっこりと微笑みつつマリアローゼは首を傾げた。
「わたくしを守る為にいらしてくださった方々に、同じ地に降り挨拶をするのは当然の事と思いますわ。
でもわたくしの安全の為に、そのように取り計らって下さった方が居りましたのでしょう。
どうか、悪く思わないでくださいませ」
自分よりも遥かに幼い少女に優しく諭された形である。
ユバータは顔を紅潮させて、一瞬固まった。
「いえ…はい…ただ、驚いただけでして…」
「安心致しましたわ。わたくしは、あなた方の職務と名誉を汚すつもりはございません。
どうか、共に良き旅路を」
改めてふわりとお辞儀をされて、騎士達はそれぞれ敬礼を返した。
「ローゼ」
踵を返して、馬車に乗り込もうとした時、小さな人影が走ってきた。
「まあ、ロランド様。お見送りに来てくださいましたの?」
マリアローゼが笑顔を向けると、泣きそうな笑みをロランドは浮かべた。
そして、手から指輪を引き抜いて、マリアローゼの手をとると、その小さな掌に指輪を乗せた。
「僕のあげられる物は無いから、これを」
「これは、あの時の指輪ですわね?」
隠し通路の中で、ロランドが使っていた魔道具の指輪だ。
シンプルな造りながら、王家の印章も小さく彫り込んである。
「頂けませんわ」
「でも」
「だから、お借りしますわね」
手の平の上の指輪に目を落としながら、マリアローゼはそれをきゅっと握る。
「返しに参りますので、これはその時までお借りいたします」
「分かった、待ってるよ」
何かを用意すればよかった、とロランドは思っていた。
本来なら見送りもしてはいけなかったのだ。
詳細な日時すら知らされていなかったのだから。
でも、一緒に行ける兄とは違って、自分はいけない。
せめて挨拶だけでも交わしたくて、飛び出してきてしまったのだ。
手元にあったのは、殆どただの指輪と変わらないものだけど。
「ええ、すぐ帰ってまいりますわ」
「気をつけて」
アケルに抱き上げられて、馬車に乗せられたマリアローゼは、ロランドに小さく手を振った。
馬車の中に入ると、シルヴァインがひょいっとマリアローゼを抱き上げて、また窓際の席に戻る。
「ロランド殿下も割と破天荒になってきたね」
「ロランド様もお兄様には言われたくないと思いますわ」
大人しく膝の上に乗せられながら、マリアローゼは指輪を親指に嵌めた。
他の指だと落としてしまいそうだし、ちょうどよく収まっている。
「ハハハ。俺はローゼの影響だと思ったんだけどな」
「わたくしも元はと言えばお兄様の影響でこうなってしまったのかもしれませんわよ?」
「それは何だか嬉しいな」
美形なのに野性味もある、イケメンスマイルである。
でもここに叫んで卒倒するような女性はいない。
エイラは姿勢よく、膝に手を置いて座っているし、カンナはマリアローゼをにこにこと見詰めている。
母は母で…
と母に目をやると、短剣をせっせと磨いていた。
「お母様、何をなさってますの?!」
「え?短剣の手入れをしているのですよ?」
何でもないことのように、にこやかにふんわりと笑みを浮かべる。
ちょっと待って。
淑女の笑みと短剣が結びつかないんですけど??
「馬車の中であぶないですわ…!」
一瞬シルヴァインはそこ?と突っ込みたくなったが、成り行きを見守る為に黙っている。
母は慌てたようにマリアローゼに同調した。
「そうね、万一ローゼに傷でもついたらいけませんわね。
公爵家の馬車は普通の馬車より揺れないからといって、油断してはいけませんでしたわ」
確かに?
魔道具の影響なのか、殆ど揺れを感じないのは言われるまでマリアローゼは気付かなかった。
母は笑顔のまま、細身の短剣を鞘におさめると、スッとスカートをたくし上げて、スッとその中に忍ばせた。
…えっ?
…えっ?
母の手元と収納先のスカートを交互に二度見するが、母は柔らかな笑顔を浮かべている。
スカートの中は乙女の花園なので、追及のしようがない。
とりあえず、マリアローゼは視線を窓の外に戻した。
現実逃避である。
戦うのは知っていたし、今でも滅茶苦茶手馴れている所がとても気になるが、
マリアローゼはもう気にしない事にした。
中からノックを受けて、馬車に一番近い所に待機していたアケルが扉の錠を外した。
扉が内から開かれて、マリアローゼがよいしょよいしょと降りてくる。
それを見て、マグノリアが馬上から飛び降りて、マリアローゼの手をとって支えた。
歓迎されていない事で鬱憤を貯めていた神聖国の騎士達が、驚いたように顔を上げる。
「アウァリティア王国フィロソフィ公爵家が末娘、マリアローゼと申します。
遠路遥々ご苦労様です。ルクスリア神聖国まで、どうか宜しくお願いいたします」
銀から金に変わる不思議な髪を揺らして、麗しい少女が丁寧なお辞儀をしてみせる。
そして、顔を上げると、可愛らしく親しげな微笑を浮かべた。
暫く呆然としている騎士達に、マグノリアが命じた。
「自己紹介を」
ハッと職務に戻った騎士達が、名前と挨拶を続けていく。
「今日は馬車の上より我らの紹介を聞くだけと聞いておりましたので、驚きました」
とユバータと自己紹介した騎士が最後に嫌味を言ってきた。
まあ、当然そういう人間もいるだろう。
だからといって5歳児の可愛い少女に向けるべきではないのだが、
嫌味で嫌味を返しても仕方ないのだし、怒っても関係を悪化させるだけである。
にっこりと微笑みつつマリアローゼは首を傾げた。
「わたくしを守る為にいらしてくださった方々に、同じ地に降り挨拶をするのは当然の事と思いますわ。
でもわたくしの安全の為に、そのように取り計らって下さった方が居りましたのでしょう。
どうか、悪く思わないでくださいませ」
自分よりも遥かに幼い少女に優しく諭された形である。
ユバータは顔を紅潮させて、一瞬固まった。
「いえ…はい…ただ、驚いただけでして…」
「安心致しましたわ。わたくしは、あなた方の職務と名誉を汚すつもりはございません。
どうか、共に良き旅路を」
改めてふわりとお辞儀をされて、騎士達はそれぞれ敬礼を返した。
「ローゼ」
踵を返して、馬車に乗り込もうとした時、小さな人影が走ってきた。
「まあ、ロランド様。お見送りに来てくださいましたの?」
マリアローゼが笑顔を向けると、泣きそうな笑みをロランドは浮かべた。
そして、手から指輪を引き抜いて、マリアローゼの手をとると、その小さな掌に指輪を乗せた。
「僕のあげられる物は無いから、これを」
「これは、あの時の指輪ですわね?」
隠し通路の中で、ロランドが使っていた魔道具の指輪だ。
シンプルな造りながら、王家の印章も小さく彫り込んである。
「頂けませんわ」
「でも」
「だから、お借りしますわね」
手の平の上の指輪に目を落としながら、マリアローゼはそれをきゅっと握る。
「返しに参りますので、これはその時までお借りいたします」
「分かった、待ってるよ」
何かを用意すればよかった、とロランドは思っていた。
本来なら見送りもしてはいけなかったのだ。
詳細な日時すら知らされていなかったのだから。
でも、一緒に行ける兄とは違って、自分はいけない。
せめて挨拶だけでも交わしたくて、飛び出してきてしまったのだ。
手元にあったのは、殆どただの指輪と変わらないものだけど。
「ええ、すぐ帰ってまいりますわ」
「気をつけて」
アケルに抱き上げられて、馬車に乗せられたマリアローゼは、ロランドに小さく手を振った。
馬車の中に入ると、シルヴァインがひょいっとマリアローゼを抱き上げて、また窓際の席に戻る。
「ロランド殿下も割と破天荒になってきたね」
「ロランド様もお兄様には言われたくないと思いますわ」
大人しく膝の上に乗せられながら、マリアローゼは指輪を親指に嵌めた。
他の指だと落としてしまいそうだし、ちょうどよく収まっている。
「ハハハ。俺はローゼの影響だと思ったんだけどな」
「わたくしも元はと言えばお兄様の影響でこうなってしまったのかもしれませんわよ?」
「それは何だか嬉しいな」
美形なのに野性味もある、イケメンスマイルである。
でもここに叫んで卒倒するような女性はいない。
エイラは姿勢よく、膝に手を置いて座っているし、カンナはマリアローゼをにこにこと見詰めている。
母は母で…
と母に目をやると、短剣をせっせと磨いていた。
「お母様、何をなさってますの?!」
「え?短剣の手入れをしているのですよ?」
何でもないことのように、にこやかにふんわりと笑みを浮かべる。
ちょっと待って。
淑女の笑みと短剣が結びつかないんですけど??
「馬車の中であぶないですわ…!」
一瞬シルヴァインはそこ?と突っ込みたくなったが、成り行きを見守る為に黙っている。
母は慌てたようにマリアローゼに同調した。
「そうね、万一ローゼに傷でもついたらいけませんわね。
公爵家の馬車は普通の馬車より揺れないからといって、油断してはいけませんでしたわ」
確かに?
魔道具の影響なのか、殆ど揺れを感じないのは言われるまでマリアローゼは気付かなかった。
母は笑顔のまま、細身の短剣を鞘におさめると、スッとスカートをたくし上げて、スッとその中に忍ばせた。
…えっ?
…えっ?
母の手元と収納先のスカートを交互に二度見するが、母は柔らかな笑顔を浮かべている。
スカートの中は乙女の花園なので、追及のしようがない。
とりあえず、マリアローゼは視線を窓の外に戻した。
現実逃避である。
戦うのは知っていたし、今でも滅茶苦茶手馴れている所がとても気になるが、
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