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原作クラッシャー?
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今日は少し私も朝練だ。
王子とメガネを保父《ノーツ》に預けて、弓の練習。
的を射るだけなんだけど、これも意外と楽しい。
アルトとの訓練で、短刀《ナイフ》の投擲はやっていたけど、弓はもっと威力出るな。
弦の力、しゅごい。
使っている弓と、自分の癖を把握しつつ、的の中心に矢を寄せていく。
綺麗で質の良い弓ばかりじゃないしね。
映画で見た美形エルフみたいに、二本撃ちとか出来るようになったらめっちゃかっこいいんだけど。
そういや、この世界エルフいるのかな?
獣人とか、いたら……。
モフモフしたぃいぃいぃ!
いやいや、この街で見かけてないって事は、居ないって事かもしれない。
エルフは知らんけど。
私は適度なところで弓練を切り上げて、ティアに変装して大聖堂に向かう。
アウリスのお出迎えを受けて、治療院へ。
どうやら件の騒動は落ち着いてきた模様。
回復要員も、今は十分いる。
だから、私も無理しない。
今日は冒険に出る予定がないから、十二人まで。
終わったら帰る。
帰ったら薬草採取の前に、武器屋で二人の短刀《ナイフ》も買わないと…。
予定を考えながら、帰ろうとしていると、忠犬のようにアウリスもスッと付いてくる。
真面目だなぁ。
「アウリス様、もうわたくしに危険など無いと思いますので、送迎は結構ですよ?」
「短い距離です。大した時間も取られないのですから、貴女の身の安全には代えられません」
駄目か。
駄目だな。
裏口から入って、さっさと着替えたいんだよ、なんて言えない。
「アウリス様は本当に、誠実な御方ですのね」
「……そ、そうですか……」
大した褒め言葉でもないのに、頬にほんのり朱が上る。
純情か!
この温室育ちめ!
大階段の上で、そんな話をしていたら、やべぇ女が現れた。
「この、原作クラッシャー!あんたでしょ!あんたのせいで、私がどれだけ大変な思いしたと思ってんの?!」
桃色の髪を振り乱した女が、私を指差して怒鳴っている。
私は思わず、私の背後に何かいるのかと確認したが、私だけだった。
この人は私に怒鳴っているのか。
何で?
原作クラッシャー?
私何も壊してないけど。
あれ?
ざまあ返しを素直にしなかったせいで、このモブ子さんの運命を変えちゃったのかな?
「アウリス様、お知り合いですか?」
「いや、知らない」
「あんたも転生者なんでしょ!?ふざけんな!」
ずんずん近寄ってくるので、思わず身を引くと、アウリスが私の前に立ちはだかった。
すると、女の歩が止まる。
「あ……アウリス、さ、ま……?アウリス様、私アリサって言います」
「ふむ。アリサとやら、さっさとこの場を立ち去れ」
「えっ?」
「ティア殿への不敬な振る舞いを許すわけにはいかない」
自己紹介を聞き流して、アウリスは追い返そうとしているけど。
素直に言う事聞くかなぁ?
アウリスのマントに掴まりつつ、少しだけアリサを見るけれど、こっわ。
ヒロインだから髪ピンクなん?
眼は赤いですね。
でもヒロインの表情じゃないね。
こっわ。
「アウリス様はその女に騙されているんです!」
「……は?何を騙すというのだ」
まあね。
恋愛要素ゼロなのに、騙すも騙されるもないんだわ。
「アウリス様に言葉巧みに近づいて、寵愛を得ようとしてるんですよ!」
自己紹介乙ですな。
お前といっしょにするなよ。
アウリスは、大きく溜息を吐いた。
「私とティア殿はその様な関係ではない」
「えっ?」
驚いたような顔をして私とアウリスを見比べるアリサ。
いや、何の確証も無く怒鳴り込んだお前の方に驚くわ。
私は早く帰りたいんだよ!
残業させるんじゃねぇ。
「ティア殿、これで分かっただろう?貴女には護衛が必要です」
「……ええ、そ、そのようですね……」
いやこの女はお前目当てだから、半分はお前のせいだぞ。
言いたいけれど、そんな事を言えば責任を感じて、お迎えにも現れるかもしれない。
それは絶対嫌だ。
アリサのせいで、私の送迎お断りの道が断たれた。
ぐぬぬ。
余計な事しやがって。
王子とメガネを保父《ノーツ》に預けて、弓の練習。
的を射るだけなんだけど、これも意外と楽しい。
アルトとの訓練で、短刀《ナイフ》の投擲はやっていたけど、弓はもっと威力出るな。
弦の力、しゅごい。
使っている弓と、自分の癖を把握しつつ、的の中心に矢を寄せていく。
綺麗で質の良い弓ばかりじゃないしね。
映画で見た美形エルフみたいに、二本撃ちとか出来るようになったらめっちゃかっこいいんだけど。
そういや、この世界エルフいるのかな?
獣人とか、いたら……。
モフモフしたぃいぃいぃ!
いやいや、この街で見かけてないって事は、居ないって事かもしれない。
エルフは知らんけど。
私は適度なところで弓練を切り上げて、ティアに変装して大聖堂に向かう。
アウリスのお出迎えを受けて、治療院へ。
どうやら件の騒動は落ち着いてきた模様。
回復要員も、今は十分いる。
だから、私も無理しない。
今日は冒険に出る予定がないから、十二人まで。
終わったら帰る。
帰ったら薬草採取の前に、武器屋で二人の短刀《ナイフ》も買わないと…。
予定を考えながら、帰ろうとしていると、忠犬のようにアウリスもスッと付いてくる。
真面目だなぁ。
「アウリス様、もうわたくしに危険など無いと思いますので、送迎は結構ですよ?」
「短い距離です。大した時間も取られないのですから、貴女の身の安全には代えられません」
駄目か。
駄目だな。
裏口から入って、さっさと着替えたいんだよ、なんて言えない。
「アウリス様は本当に、誠実な御方ですのね」
「……そ、そうですか……」
大した褒め言葉でもないのに、頬にほんのり朱が上る。
純情か!
この温室育ちめ!
大階段の上で、そんな話をしていたら、やべぇ女が現れた。
「この、原作クラッシャー!あんたでしょ!あんたのせいで、私がどれだけ大変な思いしたと思ってんの?!」
桃色の髪を振り乱した女が、私を指差して怒鳴っている。
私は思わず、私の背後に何かいるのかと確認したが、私だけだった。
この人は私に怒鳴っているのか。
何で?
原作クラッシャー?
私何も壊してないけど。
あれ?
ざまあ返しを素直にしなかったせいで、このモブ子さんの運命を変えちゃったのかな?
「アウリス様、お知り合いですか?」
「いや、知らない」
「あんたも転生者なんでしょ!?ふざけんな!」
ずんずん近寄ってくるので、思わず身を引くと、アウリスが私の前に立ちはだかった。
すると、女の歩が止まる。
「あ……アウリス、さ、ま……?アウリス様、私アリサって言います」
「ふむ。アリサとやら、さっさとこの場を立ち去れ」
「えっ?」
「ティア殿への不敬な振る舞いを許すわけにはいかない」
自己紹介を聞き流して、アウリスは追い返そうとしているけど。
素直に言う事聞くかなぁ?
アウリスのマントに掴まりつつ、少しだけアリサを見るけれど、こっわ。
ヒロインだから髪ピンクなん?
眼は赤いですね。
でもヒロインの表情じゃないね。
こっわ。
「アウリス様はその女に騙されているんです!」
「……は?何を騙すというのだ」
まあね。
恋愛要素ゼロなのに、騙すも騙されるもないんだわ。
「アウリス様に言葉巧みに近づいて、寵愛を得ようとしてるんですよ!」
自己紹介乙ですな。
お前といっしょにするなよ。
アウリスは、大きく溜息を吐いた。
「私とティア殿はその様な関係ではない」
「えっ?」
驚いたような顔をして私とアウリスを見比べるアリサ。
いや、何の確証も無く怒鳴り込んだお前の方に驚くわ。
私は早く帰りたいんだよ!
残業させるんじゃねぇ。
「ティア殿、これで分かっただろう?貴女には護衛が必要です」
「……ええ、そ、そのようですね……」
いやこの女はお前目当てだから、半分はお前のせいだぞ。
言いたいけれど、そんな事を言えば責任を感じて、お迎えにも現れるかもしれない。
それは絶対嫌だ。
アリサのせいで、私の送迎お断りの道が断たれた。
ぐぬぬ。
余計な事しやがって。
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