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第十一章:南の大陸へ
第百三十九話:海龍は猛毒の河豚を襲う
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船に揺られて3週間、毎日の様に海洋性の魔物は二人を襲ってくる。
それらの多くは巨大で、船を守らなければすぐに沈没させられてしまう様なものばかり。
まるで世界中の巨大な海洋魔物が全て二人を襲っているのかと錯覚するほどだ。
のんびりとした航海とはなんだったのだろうか。
それ程に毎日毎日だ。
基本的にはクラーケンだったり、海坊主的なものだったり、シーサーペントだったり、デーモン程度の格の魔物が多い。
とはいえ大きいとということはそれだけで強い。体長が倍も違えば質量は8倍近くも増える。もちろん、形によって様々ではあるが、それが足場の悪い海であれば、尚更厄介だ。中にはそれほど大きくなくても強いデーモンロードの様な魔物も居るが、それは例外。
ドラゴンは超巨大だし、特に海洋性の魔物は大きさがそのまま強さだと言える。小型で強い魔物と船上で戦うよりも、大型のそれほど強くない魔物と海中で戦うほうが遥かに勝ちにくい。
「まぁた来ましたよぉ、クラーケン」
「俺が行こうか?」
「いや、良いですよ。上がってくる前にやっちゃいます」
そんな中でも、厄介の代名詞がこのクラーケンだ。10本足のタコの様な50m程の魔物。陸上で戦えばデーモンと同レベルだろう。しかし、これは真っ先に船を沈めようとする。その上で、こいつらは臭い。強烈なアンモニア臭を放ち、船を沈めようとし、海中であればデーモンよりも遥かに強い。
それが中心となって襲いかかってくる。最初は襲いかかってくるのを確認してからやれやれと腰を上げたものだったが、途中からは船にまとわりつく前に倒さないと面倒くさいと言うことに気がついた。
吸盤というものを体験していなかった二人は、船に絡みついたクラーケンの脚を取り除くのにかなりの苦労を強いられたのだ。
何せ、臭いし船はすぐにでも沈みかける。
サニィは重力魔法と硬化魔法で船が沈まない様にしながらでは、集中力が必要な分解魔法を使うことはできなかったし、レインも硬化させているとは言え吸盤を取る度にみしみしと音を立てる船を気遣いながらでは思うように作業が出来ず、結果的に、クラーケンはデーモンロードより遥かに面倒くさい。そんな結論に至ったのだった。
もちろん、そんなことを言えるのはレインとサニィ位のものだろう。
海洋性の魔物を退けるためには船艇から微弱な電気を流すことが多い。
もちろんそれで100%襲われないとは言わないが、少なくともクラーケンも、すぐに船体をぐるぐる巻きに等はしなくなる。そうやって巻き付こうかどうしようかとしている間に、海上に出た脚を護衛の戦士達が足の一本一本を切り落としていくと言うのがクラーケンの撃退方法だった。
それを、この二人は知らなかったというだけで……。
「倒しましたよぉ」
そんな気の抜けたことを言いながらボートに仰向けに寝転ぶ。
「魔物ってのは食べられないのが厄介だな。お、でかいフグがいる」
「フグはだめですよぉ。あ、進行方向30kmの所にリヴァイアサンです」
「フグが食えるって言う国はどこだった?」
「それよりもまずはリヴァイアサンです。もうこっちに気づいちゃってますよあれ」
「流石にこの足場じゃここからは無理だな……」
「なんか凄い大波を立てながら来てますねぇ……。えーと、フグを食べられるのは南の大陸の西に浮かぶ島国ですぅ」
「そうか。楽しみだな」
一応ながら、リヴァイアンは海洋性最強の魔物だ。
海中ではドラゴンと同格の魔物で、知性が低い分ドラゴンの様に散歩で人里を荒らすようなことはなく、出逢えば運が悪かった、人生を諦めろと言われている。個体数はドラゴンよりも更に少ないので遭う可能性は殆どないのだが、今回は世界の意思とやらの影響もあるのだろう。レインとサニィに狙いを定め、遠くからわざわざ出向いてきたらしい。ドラゴンであれば知性によって本能を抑制出来るのだろうが、リヴァイアサンは本能の赴くまま。きっとそういうことなのだろう。
しかしそいつも運が悪かった。
本能の赴くままに襲おうとしている相手は、それこそフグの様なものだ。
のんびりと漂って、襲ってくる相手を確実に皆殺しにする、凶暴なタイプだということを除けば。
――。
「うおお、波じゃなくて壁じゃないか」
「50m位ありますね……」
二人の目の前に現れたのは、今にも倒れ掛からんとする反り立つ超巨大な波の壁。
そのまま突っ込めば、例えどんな船だろうと沈没は必至だろう。出逢えば運が悪かったと思え。その理由をその身をもって実感する。二人が乗っている船は精々8m程度。動力がサニィであることを除けば、それに耐えられる理由は微塵もない。
「私がやっていいですか?」
「良いが、なんでだ?」
「結局、前は自爆で、一人でドラゴン倒したとは言えませんでしたし、今回ここでこいつを倒しちゃえば、海では100%私がレインさんを守ってるってことになりません? 返事は要りません行きますね!」
言っている途中で恥ずかしくなったのだろう。サニィは顔を赤くさせながら徐々に早口に、素早くフラワー2号を構えると、奇跡を行使した。
一瞬で、50mの大波は凪に変わり、その場にはぽつんとリヴァイアサンが残される。
持ち上げている首だけで30m。二人の乗るボートなら、丸呑みも容易いだろう。
「さて、久しぶりのフラワーグレイブ2号。一撃必殺!」
ひゅっと軽い音を鳴かせ、杖の先端から刃を飛ばす。
流石は海洋最強。
リヴァイアサンは波を消されるも瞬時に切り替え、ボートの真下に巨大な渦を作り出し、潜り込んで真下から二人を襲う作戦に切り替えたらしい。
しかし、切り替えたらしい、そこで、終わりだった。
潜ろうとするリヴァイアサンの首は綺麗に分断され、海中に残る100m程の体から血飛沫が降り注ぐ。首は空中でサニィが固定し、渦をも消去していく。
超巨大な魔物を空中で倒したにも関わらず、その残滓は降りかかる血飛沫だけ。
飛んだ首はゆっくりと下ろされ、海は最早凪いでいる。
「ふう、重力魔法は便利ですね。こんな大きい首を落としたら波が大変なことに」
「最初の感想がそれってことは、随分と余裕があったみたいだな」
「いえ、凄いウロコでしたから結構大変でしたよ。斬撃に分解を乗せてみましたけど上手くいきませんでしたし」
リヴァイアサンが海中においてドラゴン並みと言われる一番の理由は、その硬さ。
非常に軽く鉄より遥かに堅牢、極々稀に海上に浮かんでいるのを回収されては鱗の一枚一枚が最高級の防具の素材とされる。その性能はドラゴンスケイルよりも上。分解の魔法は、その構造が複雑であったり、強く拒絶されたりすると発動しづらい。レインよりも弱いサニィがレインを転移できる理由は、完全な信頼があるから、だ。
それでも尚強引に引き裂いたサニィの魔法は、やはりオリヴィアを超えていた。
それは瞬速のオリヴィアと違い、十分な構えをとるのに随分と時間がかかる点を、その他の魔法でカバー出来るサニィにしか出せない威力だった。
もちろん、今のレインであれば素手でリヴァイアサンを倒せるということは別にすれば。
二人は大きめの鱗を十分回収すると、再び船を南へと向けて進み始めた。
残り[1043日→1022日]
それらの多くは巨大で、船を守らなければすぐに沈没させられてしまう様なものばかり。
まるで世界中の巨大な海洋魔物が全て二人を襲っているのかと錯覚するほどだ。
のんびりとした航海とはなんだったのだろうか。
それ程に毎日毎日だ。
基本的にはクラーケンだったり、海坊主的なものだったり、シーサーペントだったり、デーモン程度の格の魔物が多い。
とはいえ大きいとということはそれだけで強い。体長が倍も違えば質量は8倍近くも増える。もちろん、形によって様々ではあるが、それが足場の悪い海であれば、尚更厄介だ。中にはそれほど大きくなくても強いデーモンロードの様な魔物も居るが、それは例外。
ドラゴンは超巨大だし、特に海洋性の魔物は大きさがそのまま強さだと言える。小型で強い魔物と船上で戦うよりも、大型のそれほど強くない魔物と海中で戦うほうが遥かに勝ちにくい。
「まぁた来ましたよぉ、クラーケン」
「俺が行こうか?」
「いや、良いですよ。上がってくる前にやっちゃいます」
そんな中でも、厄介の代名詞がこのクラーケンだ。10本足のタコの様な50m程の魔物。陸上で戦えばデーモンと同レベルだろう。しかし、これは真っ先に船を沈めようとする。その上で、こいつらは臭い。強烈なアンモニア臭を放ち、船を沈めようとし、海中であればデーモンよりも遥かに強い。
それが中心となって襲いかかってくる。最初は襲いかかってくるのを確認してからやれやれと腰を上げたものだったが、途中からは船にまとわりつく前に倒さないと面倒くさいと言うことに気がついた。
吸盤というものを体験していなかった二人は、船に絡みついたクラーケンの脚を取り除くのにかなりの苦労を強いられたのだ。
何せ、臭いし船はすぐにでも沈みかける。
サニィは重力魔法と硬化魔法で船が沈まない様にしながらでは、集中力が必要な分解魔法を使うことはできなかったし、レインも硬化させているとは言え吸盤を取る度にみしみしと音を立てる船を気遣いながらでは思うように作業が出来ず、結果的に、クラーケンはデーモンロードより遥かに面倒くさい。そんな結論に至ったのだった。
もちろん、そんなことを言えるのはレインとサニィ位のものだろう。
海洋性の魔物を退けるためには船艇から微弱な電気を流すことが多い。
もちろんそれで100%襲われないとは言わないが、少なくともクラーケンも、すぐに船体をぐるぐる巻きに等はしなくなる。そうやって巻き付こうかどうしようかとしている間に、海上に出た脚を護衛の戦士達が足の一本一本を切り落としていくと言うのがクラーケンの撃退方法だった。
それを、この二人は知らなかったというだけで……。
「倒しましたよぉ」
そんな気の抜けたことを言いながらボートに仰向けに寝転ぶ。
「魔物ってのは食べられないのが厄介だな。お、でかいフグがいる」
「フグはだめですよぉ。あ、進行方向30kmの所にリヴァイアサンです」
「フグが食えるって言う国はどこだった?」
「それよりもまずはリヴァイアサンです。もうこっちに気づいちゃってますよあれ」
「流石にこの足場じゃここからは無理だな……」
「なんか凄い大波を立てながら来てますねぇ……。えーと、フグを食べられるのは南の大陸の西に浮かぶ島国ですぅ」
「そうか。楽しみだな」
一応ながら、リヴァイアンは海洋性最強の魔物だ。
海中ではドラゴンと同格の魔物で、知性が低い分ドラゴンの様に散歩で人里を荒らすようなことはなく、出逢えば運が悪かった、人生を諦めろと言われている。個体数はドラゴンよりも更に少ないので遭う可能性は殆どないのだが、今回は世界の意思とやらの影響もあるのだろう。レインとサニィに狙いを定め、遠くからわざわざ出向いてきたらしい。ドラゴンであれば知性によって本能を抑制出来るのだろうが、リヴァイアサンは本能の赴くまま。きっとそういうことなのだろう。
しかしそいつも運が悪かった。
本能の赴くままに襲おうとしている相手は、それこそフグの様なものだ。
のんびりと漂って、襲ってくる相手を確実に皆殺しにする、凶暴なタイプだということを除けば。
――。
「うおお、波じゃなくて壁じゃないか」
「50m位ありますね……」
二人の目の前に現れたのは、今にも倒れ掛からんとする反り立つ超巨大な波の壁。
そのまま突っ込めば、例えどんな船だろうと沈没は必至だろう。出逢えば運が悪かったと思え。その理由をその身をもって実感する。二人が乗っている船は精々8m程度。動力がサニィであることを除けば、それに耐えられる理由は微塵もない。
「私がやっていいですか?」
「良いが、なんでだ?」
「結局、前は自爆で、一人でドラゴン倒したとは言えませんでしたし、今回ここでこいつを倒しちゃえば、海では100%私がレインさんを守ってるってことになりません? 返事は要りません行きますね!」
言っている途中で恥ずかしくなったのだろう。サニィは顔を赤くさせながら徐々に早口に、素早くフラワー2号を構えると、奇跡を行使した。
一瞬で、50mの大波は凪に変わり、その場にはぽつんとリヴァイアサンが残される。
持ち上げている首だけで30m。二人の乗るボートなら、丸呑みも容易いだろう。
「さて、久しぶりのフラワーグレイブ2号。一撃必殺!」
ひゅっと軽い音を鳴かせ、杖の先端から刃を飛ばす。
流石は海洋最強。
リヴァイアサンは波を消されるも瞬時に切り替え、ボートの真下に巨大な渦を作り出し、潜り込んで真下から二人を襲う作戦に切り替えたらしい。
しかし、切り替えたらしい、そこで、終わりだった。
潜ろうとするリヴァイアサンの首は綺麗に分断され、海中に残る100m程の体から血飛沫が降り注ぐ。首は空中でサニィが固定し、渦をも消去していく。
超巨大な魔物を空中で倒したにも関わらず、その残滓は降りかかる血飛沫だけ。
飛んだ首はゆっくりと下ろされ、海は最早凪いでいる。
「ふう、重力魔法は便利ですね。こんな大きい首を落としたら波が大変なことに」
「最初の感想がそれってことは、随分と余裕があったみたいだな」
「いえ、凄いウロコでしたから結構大変でしたよ。斬撃に分解を乗せてみましたけど上手くいきませんでしたし」
リヴァイアサンが海中においてドラゴン並みと言われる一番の理由は、その硬さ。
非常に軽く鉄より遥かに堅牢、極々稀に海上に浮かんでいるのを回収されては鱗の一枚一枚が最高級の防具の素材とされる。その性能はドラゴンスケイルよりも上。分解の魔法は、その構造が複雑であったり、強く拒絶されたりすると発動しづらい。レインよりも弱いサニィがレインを転移できる理由は、完全な信頼があるから、だ。
それでも尚強引に引き裂いたサニィの魔法は、やはりオリヴィアを超えていた。
それは瞬速のオリヴィアと違い、十分な構えをとるのに随分と時間がかかる点を、その他の魔法でカバー出来るサニィにしか出せない威力だった。
もちろん、今のレインであれば素手でリヴァイアサンを倒せるということは別にすれば。
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