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第六章:青と橙の砂漠を旅する
第五十三話:幕間の壱
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師匠とお姉ちゃんが旅立ってから半年。わたしは師匠の教えを守り、毎日修行していた。
宿の女将さんはとても優しく、いつも美味しいご飯を作ってくれる。
お母さんも村の時とは違って、とても楽しそうに毎日働いていた。
わたしはまだ宿のことは手伝いしか出来ないけれど、それだけでも二人は喜んでくれる。
そんな日々を過ごしていると、狛の村と言うところから荷物が届いた。手紙付きだ。
わたしはまだ文字を読めないので、女将さんに読んでもらうことにした。お母さんは今文字を勉強していて、少し難しいみたいだった。
そこには、こんなことが書いてあった。
――――
我が弟子エリーへ
狛の村の鍛治職人に頼んでお前の為の武器を造らせた。デーモンをも斬り裂ける武器達だ。その中から「お前にとって最高の武器」を選べ。
俺の剣と同じが良いと言う理由ではダメだ。一通り試してみて、お前が最も強い武器を選ぶんだ。
余った武器は素材も良い。そこそこの値段になるだろう。ただ、お前の体格が変化すれば得意な武器も変わるかもしれない。売るのはもう10年してからにすること。
レイン
――――
どうやらわたしの為に師匠は故郷で武器を造ってくれたみたいだ。わたしの心配なんかは全くしていないのが寂しいけれど、それも師匠らしいと思えば格好良いと思える。
そんな手紙を読んで改めて荷物を見てみる。
凄い量だ。
そこにも挟まっている紙を読んでもらうと、そこにはこう書いてあるらしい。
――装備リスト――
ナイフ
最も軽い武器だ。短い為殺傷能力は低いが超近接では一番威力を発揮する。お前の能力次第では最も有効な武器となる可能性もあるだろう。
片手剣
次いで軽い武器だ。最も扱い易いだろう。扱い易いと言うことはそのまま強いと言うことでもある。決まらなければ取り敢えずこれを腰に差しておけ。
盾
武器では無いが、怪力の勇者が持てば全てを守ることの出来る道具だ。片手剣や片手槍と併せて使うのが通常だ。
両手剣
小型の両手剣だ。俺の武器もこれに当たる。
片手剣と同じく扱い易いが、多少の長さがある点に注意しろ。
大剣
超大型の剣だ。一撃の威力のみに特化している。扱いは難しいだろうが、大型の魔物にダメージを与えるには最も効率が良い。
槍
間合いの長い武器だ。
女の身で男に勝つには射程が物を言う。とは言えお前は勇者、あまり関係はないかもしれんな。
弓
お前の成長後を想定した強弓にしてある。
今では引くことすら出来ないだろうから弱いものも用意しておいた。
メイス
鈍器だ。相手の盾ごと破壊したい時にはこれだ。
追加:ウチの守護神様が急いでこれだけ造れと言うので頑張りました。素材が無かったので周囲の魔物を皆殺しにして集めました。そして全てを人生最高の出来になるよう頑張りました。大事にして下さい。手入れ用の道具と説明書も入れておきます。
――――
「……あなたのお師匠様は思ってたより鬼畜なのね」
「きちくってなんですか?」
「……なんでもないわ。そこの納屋に入れて良いから、大事にしなさいね」
「もちろんです!」
「あなたが素直に育ってくれるように、私も頑張らなきゃね」
「……?」
女将さんが言っていることはいまいち分からないけれど、ともかく今日から普段の修行に加えて武器選びが始まる。
大剣は重すぎて持ち上げることも出来ないから、まずは師匠と同じと言いたい所だけど、教えの通りにしよう。
まずは片手剣にしてみる。2尺程の短い剣。
とは言え6歳になったばかりのわたしには両手剣と言っても良い長さだ。
武器の扱いは師匠に聞いていたので、怪我をしないようにだけはきちんと注意する。
「じゃあお母さん女将さんご主人さん、修行してきます!」
わたしは宿で手を振る3人に手を振り返し、郊外にある守備隊の訓練場に今日も向かう。
早く師匠の様に強くて格好良い勇者になりたいもの。
宿の女将さんはとても優しく、いつも美味しいご飯を作ってくれる。
お母さんも村の時とは違って、とても楽しそうに毎日働いていた。
わたしはまだ宿のことは手伝いしか出来ないけれど、それだけでも二人は喜んでくれる。
そんな日々を過ごしていると、狛の村と言うところから荷物が届いた。手紙付きだ。
わたしはまだ文字を読めないので、女将さんに読んでもらうことにした。お母さんは今文字を勉強していて、少し難しいみたいだった。
そこには、こんなことが書いてあった。
――――
我が弟子エリーへ
狛の村の鍛治職人に頼んでお前の為の武器を造らせた。デーモンをも斬り裂ける武器達だ。その中から「お前にとって最高の武器」を選べ。
俺の剣と同じが良いと言う理由ではダメだ。一通り試してみて、お前が最も強い武器を選ぶんだ。
余った武器は素材も良い。そこそこの値段になるだろう。ただ、お前の体格が変化すれば得意な武器も変わるかもしれない。売るのはもう10年してからにすること。
レイン
――――
どうやらわたしの為に師匠は故郷で武器を造ってくれたみたいだ。わたしの心配なんかは全くしていないのが寂しいけれど、それも師匠らしいと思えば格好良いと思える。
そんな手紙を読んで改めて荷物を見てみる。
凄い量だ。
そこにも挟まっている紙を読んでもらうと、そこにはこう書いてあるらしい。
――装備リスト――
ナイフ
最も軽い武器だ。短い為殺傷能力は低いが超近接では一番威力を発揮する。お前の能力次第では最も有効な武器となる可能性もあるだろう。
片手剣
次いで軽い武器だ。最も扱い易いだろう。扱い易いと言うことはそのまま強いと言うことでもある。決まらなければ取り敢えずこれを腰に差しておけ。
盾
武器では無いが、怪力の勇者が持てば全てを守ることの出来る道具だ。片手剣や片手槍と併せて使うのが通常だ。
両手剣
小型の両手剣だ。俺の武器もこれに当たる。
片手剣と同じく扱い易いが、多少の長さがある点に注意しろ。
大剣
超大型の剣だ。一撃の威力のみに特化している。扱いは難しいだろうが、大型の魔物にダメージを与えるには最も効率が良い。
槍
間合いの長い武器だ。
女の身で男に勝つには射程が物を言う。とは言えお前は勇者、あまり関係はないかもしれんな。
弓
お前の成長後を想定した強弓にしてある。
今では引くことすら出来ないだろうから弱いものも用意しておいた。
メイス
鈍器だ。相手の盾ごと破壊したい時にはこれだ。
追加:ウチの守護神様が急いでこれだけ造れと言うので頑張りました。素材が無かったので周囲の魔物を皆殺しにして集めました。そして全てを人生最高の出来になるよう頑張りました。大事にして下さい。手入れ用の道具と説明書も入れておきます。
――――
「……あなたのお師匠様は思ってたより鬼畜なのね」
「きちくってなんですか?」
「……なんでもないわ。そこの納屋に入れて良いから、大事にしなさいね」
「もちろんです!」
「あなたが素直に育ってくれるように、私も頑張らなきゃね」
「……?」
女将さんが言っていることはいまいち分からないけれど、ともかく今日から普段の修行に加えて武器選びが始まる。
大剣は重すぎて持ち上げることも出来ないから、まずは師匠と同じと言いたい所だけど、教えの通りにしよう。
まずは片手剣にしてみる。2尺程の短い剣。
とは言え6歳になったばかりのわたしには両手剣と言っても良い長さだ。
武器の扱いは師匠に聞いていたので、怪我をしないようにだけはきちんと注意する。
「じゃあお母さん女将さんご主人さん、修行してきます!」
わたしは宿で手を振る3人に手を振り返し、郊外にある守備隊の訓練場に今日も向かう。
早く師匠の様に強くて格好良い勇者になりたいもの。
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