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第四章:三人の旅
第百十四話:力があろうとなかろうと
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「それで、なんの話をしてたの?」
今回の舌戦も相変わらずナディアの圧勝といった様子で纏まった夫婦の間に、タラリアはいつもの様に踏み込んだ。
惚れたら負け、という言葉はこの二人の為にあるんだろうな、なんてことを思いながらも、結局いつも一般的に正しい意見を言うのは父親の方。
こうして無理矢理にでも聞きださなければ、いつも母親は適当に流しておしまいにしてしまう。
それはある意味ではサンダルを信頼しているからだと取れるのだけれど、実の所何を考えているのかは聞き出すまで誰にも分からないことだった。
それもあって、この家庭ではいつもタラリアが間に入って話を纏めるのがいつのまにか恒例になっていた。
「実はね、これは機密情報なんだけど」
サンダルは口にの前に人差し指を立てながら語り始める。
「漏らしても良いですが、その場合相手は一生口の聞けない体になってしまうので気を付けてくださいね」
割って入ったナディアが言えば、サンダルは素直に頷いた。
いつもは母の戯言を否定する父が素直に肯定するということは、それは国家すら揺るがし兼ねない程の機密だということ。
滅多に無いサンダルの様子が、その事態の重さを如実に表していた。
「あたしが機密情報なんて知っちゃって良いの?」
「知らない方が良い、と言いたい所だけどね」
「私達の命にも関わることなので、私達が選んだ人だけは知る権利を与えられるんです」
途端に真剣な様子になった両親に、タラリアも覚悟を決める。
二人の様子は、五年前にこの国スーサリアの東部に100mクラスのドラゴンが出現したと聞いた時以来だった。
あの時は英雄の両親が負けるわけが無いと楽観的に構えていた所、母が腕を折り、父が何ヶ所か裂傷を負って帰って来るという事態に陥って、初めて両親のその表情にはとても重要な意味があるのだと知ったものだった。
後から聞けば、100mのドラゴンを単独で討伐出来る者は歴史上を振り返ってもレインとサニィの二人しか存在しないと聞いて背筋が凍ったのを覚えている。
片方は魔王討伐後も修行を続け強くなったと言っても、かつてたった40mのドラゴンに七度の死を経験してようやく討伐に成功した勇者。そして片方は世界第三位と言われていた全盛期から見れば、いくら強いとは言え下半身が動かせなくなった機動力の無い車椅子の勇者だ。
そんな二人が覚悟を決めて出て行った時と今は、とても似ていた。
しかし額に冷や汗を感じたタラリアの頭に優しく手を置いた母は笑顔で言う。
「大丈夫。私達の命なんて言っても、相手はレインさんの息子。ただちょっと危ないものが体の中に眠っているので、英雄達は気を付けてくださいってお話なんです」
その笑顔は、いつもとは少しだけ違う笑顔だった。
その表情は時折する、英雄レインが魔王になった時の話で見せる表情。
この母親はきっと、もしもその危ないものが暴走でもしたのなら、それを止めるのは自分の役割とでも言いたいのだろう。そしてそれを言いたいのだけれど、自分の為に我慢しているのだと、その表情はタラリアには、そんな風に見えた。
「ちょっと話が飛び過ぎてるが、そういうことさ。実はレインには魔王になった後に生まれた子どもがいる。
その子どもは母の愛情を受けて優しく育ったけれど、体の中には非常に危険なものを宿してしまっている」
「その子が今旅をしてて、この大陸に入ったみたいなんですよ」
サンダルの言葉を途中で遮って結論を言ってしまったナディアに反省の色は当然ながら存在しない。
それを聞いて、タラリアは一つの疑問を持った。
「レインさんに子どもがいたってのはいつもお父さんとお母さんが言ってるめちゃくちゃぶりからすると驚かないんだけど、なんで旅をさせてるの?
そんな危ないなら、閉じ込めたりした方が良いんじゃないの?」
それは、誰しもが思う当然の反応。
だからこそ、これは機密情報だった。
危険なものに蓋をすれば破滅しか待っていないことを、詳細を知らなければ誰も分からないのだから。
「それに関してはあなたが説明して下さい。私は今はタラリアさえ守れれば世界が滅びても別に構いませんから」
相変わらずタラリアの頭に手を置いたまま、ナディアは言う。
いつだっていい加減なことばかり言うこの母親も、世界が滅びれば結局終わりだと分かっていながらもそんなことを言う母親も、やはりタラリアの為と言う時だけはしっかりと母の表情をしていたのを、タラリアはしっかりと見ていた。
その日、なんの力も持たない英雄の子が知った情報は、それはもうどうしようもないもの。
たった一人ではゴブリンにすら勝てないタラリアと、たった一人で世界を滅ぼしてしまうかもしれないレインの子。
力が無いことはネガティブなことだと感じていた今までを、タラリアはこの時ばかりは反省することしか出来なかった。
そして力があるが故に幼い頃から監視され思考誘導されてきたクラウスに、タラリアは何処か親近感の様なものを覚えてしまうのもまた、どうしようもないものだった。
――。
「ねえねえクラウス。ここから南東に行くとスーサリアがあるんだけど、行ってみない?」
「スーサリアと言えば英雄サンダルと魔女ナディアか」
三人の現在位置は大陸北西部。ウアカリは大陸の南西部にあって、スーサリアは中東部。
ここ大陸北西部は熱帯雨林に覆われているものの、魔素が殆ど無く強力な魔物が一切出ない地域として現在観光名所となっている。
ウアカリに行くには、まっすぐ南下する方が遥かに早く、スーサリアに寄ると地形的に大幅なロスとなる。
しかしそれを考えてもクラウスにとってサラの提案は魅力的だった。
未だ大会で戦う姿を見ただけのサンダルと、見たことすら無いナディア。
世界一英雄らしい英雄と呼ばれているサンダルと奇跡の魔女と呼ばれるナディアの話は、クラウスも幼い頃にリアルタイムで聞いていて、非常に感動したことを覚えている。
旅をするなら是非二人に会ってみたいというのは、クラウスの純粋な思いだった。
「マナ、少しウアカリに着くの遅れても良いかい?」
「うん。くらうすたのしそうだから。それにさんだるもかっこよかったよ」
腕に抱くマナからは好意的な答えが返ってきて一安心していると、マナは「あ」と声を上げた。
「でも、さんだるよりくらうすのがかっこいいからね」
そんなマナの言葉になんの補足か一瞬で分からないクラウスは、サラのにやりと悪戯っ子の様に笑いながら発した言葉を受けてその理由を知る。
「そう言えば、サンダルさんとナディアさんの娘のタラリアちゃんは世界一の美少女で有名だよね。クラウスが惚れるといけないしやっぱ行くのやめるー?」
サンダルと言えば、ただ歩くだけで黄色い声援が飛ぶ様な美益荒男だ。
それをマナは素直に格好いいと言ったものだから、マナなりに気を利かせた言葉が先ほどのクラウスの方が、というものなのだろう。
だからクラウスは、そんなマナと悪戯好きなサラに対して、あえてこう応えた。
「へえ、世界一の美少女か。それは興味があるね。でも、多分世界一可愛いのはマナだと思うけどね」
腕に抱いたマナを愛でながら、サラを無視してスーサリアに進路を変えてみせる。
当然、この後文字通りの雷がクラウスに落ちたことは言うまでもないだろう。
今回の舌戦も相変わらずナディアの圧勝といった様子で纏まった夫婦の間に、タラリアはいつもの様に踏み込んだ。
惚れたら負け、という言葉はこの二人の為にあるんだろうな、なんてことを思いながらも、結局いつも一般的に正しい意見を言うのは父親の方。
こうして無理矢理にでも聞きださなければ、いつも母親は適当に流しておしまいにしてしまう。
それはある意味ではサンダルを信頼しているからだと取れるのだけれど、実の所何を考えているのかは聞き出すまで誰にも分からないことだった。
それもあって、この家庭ではいつもタラリアが間に入って話を纏めるのがいつのまにか恒例になっていた。
「実はね、これは機密情報なんだけど」
サンダルは口にの前に人差し指を立てながら語り始める。
「漏らしても良いですが、その場合相手は一生口の聞けない体になってしまうので気を付けてくださいね」
割って入ったナディアが言えば、サンダルは素直に頷いた。
いつもは母の戯言を否定する父が素直に肯定するということは、それは国家すら揺るがし兼ねない程の機密だということ。
滅多に無いサンダルの様子が、その事態の重さを如実に表していた。
「あたしが機密情報なんて知っちゃって良いの?」
「知らない方が良い、と言いたい所だけどね」
「私達の命にも関わることなので、私達が選んだ人だけは知る権利を与えられるんです」
途端に真剣な様子になった両親に、タラリアも覚悟を決める。
二人の様子は、五年前にこの国スーサリアの東部に100mクラスのドラゴンが出現したと聞いた時以来だった。
あの時は英雄の両親が負けるわけが無いと楽観的に構えていた所、母が腕を折り、父が何ヶ所か裂傷を負って帰って来るという事態に陥って、初めて両親のその表情にはとても重要な意味があるのだと知ったものだった。
後から聞けば、100mのドラゴンを単独で討伐出来る者は歴史上を振り返ってもレインとサニィの二人しか存在しないと聞いて背筋が凍ったのを覚えている。
片方は魔王討伐後も修行を続け強くなったと言っても、かつてたった40mのドラゴンに七度の死を経験してようやく討伐に成功した勇者。そして片方は世界第三位と言われていた全盛期から見れば、いくら強いとは言え下半身が動かせなくなった機動力の無い車椅子の勇者だ。
そんな二人が覚悟を決めて出て行った時と今は、とても似ていた。
しかし額に冷や汗を感じたタラリアの頭に優しく手を置いた母は笑顔で言う。
「大丈夫。私達の命なんて言っても、相手はレインさんの息子。ただちょっと危ないものが体の中に眠っているので、英雄達は気を付けてくださいってお話なんです」
その笑顔は、いつもとは少しだけ違う笑顔だった。
その表情は時折する、英雄レインが魔王になった時の話で見せる表情。
この母親はきっと、もしもその危ないものが暴走でもしたのなら、それを止めるのは自分の役割とでも言いたいのだろう。そしてそれを言いたいのだけれど、自分の為に我慢しているのだと、その表情はタラリアには、そんな風に見えた。
「ちょっと話が飛び過ぎてるが、そういうことさ。実はレインには魔王になった後に生まれた子どもがいる。
その子どもは母の愛情を受けて優しく育ったけれど、体の中には非常に危険なものを宿してしまっている」
「その子が今旅をしてて、この大陸に入ったみたいなんですよ」
サンダルの言葉を途中で遮って結論を言ってしまったナディアに反省の色は当然ながら存在しない。
それを聞いて、タラリアは一つの疑問を持った。
「レインさんに子どもがいたってのはいつもお父さんとお母さんが言ってるめちゃくちゃぶりからすると驚かないんだけど、なんで旅をさせてるの?
そんな危ないなら、閉じ込めたりした方が良いんじゃないの?」
それは、誰しもが思う当然の反応。
だからこそ、これは機密情報だった。
危険なものに蓋をすれば破滅しか待っていないことを、詳細を知らなければ誰も分からないのだから。
「それに関してはあなたが説明して下さい。私は今はタラリアさえ守れれば世界が滅びても別に構いませんから」
相変わらずタラリアの頭に手を置いたまま、ナディアは言う。
いつだっていい加減なことばかり言うこの母親も、世界が滅びれば結局終わりだと分かっていながらもそんなことを言う母親も、やはりタラリアの為と言う時だけはしっかりと母の表情をしていたのを、タラリアはしっかりと見ていた。
その日、なんの力も持たない英雄の子が知った情報は、それはもうどうしようもないもの。
たった一人ではゴブリンにすら勝てないタラリアと、たった一人で世界を滅ぼしてしまうかもしれないレインの子。
力が無いことはネガティブなことだと感じていた今までを、タラリアはこの時ばかりは反省することしか出来なかった。
そして力があるが故に幼い頃から監視され思考誘導されてきたクラウスに、タラリアは何処か親近感の様なものを覚えてしまうのもまた、どうしようもないものだった。
――。
「ねえねえクラウス。ここから南東に行くとスーサリアがあるんだけど、行ってみない?」
「スーサリアと言えば英雄サンダルと魔女ナディアか」
三人の現在位置は大陸北西部。ウアカリは大陸の南西部にあって、スーサリアは中東部。
ここ大陸北西部は熱帯雨林に覆われているものの、魔素が殆ど無く強力な魔物が一切出ない地域として現在観光名所となっている。
ウアカリに行くには、まっすぐ南下する方が遥かに早く、スーサリアに寄ると地形的に大幅なロスとなる。
しかしそれを考えてもクラウスにとってサラの提案は魅力的だった。
未だ大会で戦う姿を見ただけのサンダルと、見たことすら無いナディア。
世界一英雄らしい英雄と呼ばれているサンダルと奇跡の魔女と呼ばれるナディアの話は、クラウスも幼い頃にリアルタイムで聞いていて、非常に感動したことを覚えている。
旅をするなら是非二人に会ってみたいというのは、クラウスの純粋な思いだった。
「マナ、少しウアカリに着くの遅れても良いかい?」
「うん。くらうすたのしそうだから。それにさんだるもかっこよかったよ」
腕に抱くマナからは好意的な答えが返ってきて一安心していると、マナは「あ」と声を上げた。
「でも、さんだるよりくらうすのがかっこいいからね」
そんなマナの言葉になんの補足か一瞬で分からないクラウスは、サラのにやりと悪戯っ子の様に笑いながら発した言葉を受けてその理由を知る。
「そう言えば、サンダルさんとナディアさんの娘のタラリアちゃんは世界一の美少女で有名だよね。クラウスが惚れるといけないしやっぱ行くのやめるー?」
サンダルと言えば、ただ歩くだけで黄色い声援が飛ぶ様な美益荒男だ。
それをマナは素直に格好いいと言ったものだから、マナなりに気を利かせた言葉が先ほどのクラウスの方が、というものなのだろう。
だからクラウスは、そんなマナと悪戯好きなサラに対して、あえてこう応えた。
「へえ、世界一の美少女か。それは興味があるね。でも、多分世界一可愛いのはマナだと思うけどね」
腕に抱いたマナを愛でながら、サラを無視してスーサリアに進路を変えてみせる。
当然、この後文字通りの雷がクラウスに落ちたことは言うまでもないだろう。
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