その呪術師とてつもなく強いが、本人にその気がないので自由気ままに生きている

ばふぉりん

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勇者?

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 今日は路地裏で声をかけた男性の話をしよう。

 今日も今日とて飲み代のために人を呪う・・・いやいや、占うんだよ?

「お兄さん?死相が出てるけどどうしたんだい?」

「んあ!?よくわかったな!?ってことはアンタ本物か・・・」

 あれ?普通は当たってても怒る人がほとんどなのに・・・

「俺は医者から余命半年って言われたんだ・・・でも最後に何か面白いことないかな?って思って歩いてたんだけどよ・・・なぁ?なんかないか?」

 いや、それをこっちに振られても・・・ん?まてよ?なら・・・

「そうだねぇ・・・お兄さん?あんた【勇者】になってみないか?」

「勇者?」

「そう、お兄さんにとっての勇者ってのはどんな感じだい?」

 ゲーム?ラノベ?英雄譚?

「そうだな・・・民家に無断で入っていって、箪笥の中のお金や花瓶を投げ壊して、ヘソクリや武器を持って行っても、感謝される悪党?」

 ・・・あぁ・・・初期のゲームだねそれ・・・棒と百円渡されて、倒してこい!って・・・

「・・・どうする?イメージが大事だけど・・・もしお兄さんのイメージする勇者がそうだってんなら・・・その通りのことができるよ?」

「・・・マジか・・・面白そうだな!って、対価は?命か?」

「いやいや、そんなものは求めないよ。精々今夜の飲み代位で大丈夫だよ・・・後はまぁ・・・今後のニュースや新聞で見かけるであろうお兄さんの英雄譚を楽しみにするくらいかな?」

 勇者が何か起こせばニュースになる・・・そんな不可思議な現象でも・・・それが勇者だから・・・なんて言葉に置き換わる・・・

「どうする?そこの店の飲み放題プラン二時間二千円で・・・手を打つよ?」
 
 普通なら胡散臭いよね?

「よっしゃ!これはおまけだ!」

 五千円貰っちゃったよ

「OK契約成立だね。流石に今すぐってわけにはいかないけど、今日はゆっくりと寝るといいよ。多分今までで一番ぐっすりと寝れると思う。そして目が覚めれば君は勇者だ!思い描く勇者を・・・存分にその余命で楽しむといい!」




「ってのが始まりだったんだけど・・・どうした?頭が痛いのか?頭痛薬はないけど、全くの赤の他人にその頭痛を移す呪いならあるよ?」

 今目の前にいるのは新人の新聞記者らしい。らしいというのは・・・まぁ・・・まだそれっぽく見えないからだ

「そんなこと可能なんですか?確かに数日前から勇者っていう謎の人物のことが新聞の一面で取り上げられてますけど・・・しかも誰もそれを疑わない・・・さもそれがであるかのように・・・でも・・・」


「でも?君は疑ってしまった・・・と」
 
「だって【勇者】ですよ?ゲームやラノベじゃあるまいに・・・しかも勇者の行動を誰が追ってるんですか?あんなリアルタイムな・・・」

 活動日記のように新聞の一面を輝かせて・・・

「私は!彼のことを!昔から知ってるから!」

 幼馴染らしい・・・

「まぁ、彼の余命が尽きるまで、楽しんでもらえればいいんじゃないかな?」

「・・・いやです・・・そんな最期・・・望んでません!」

「どうする?追いかけるか?それとも隣に立つか?・・・そうだな・・・するかい?」

 勇者と相対するなら魔王だよね

「今なら飲み放だ『いちまんえん!』・・・OK、とびきりの魔王のをプレゼントしてあげるよ」

 

 そうしてこの何も無かった世界に【魔王】と【勇者】が・・・



~つづく~

 食事の合間に書いてしまった・・・今後の展開どうしよう・・・次回リアル勇者の冒険譚!に乞うご期待!
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