異世界召喚〜転移前にスキルの検証させてもらえますか?三十年くらい〜

ばふぉりん

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最初の街

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「ハハハそんなに警戒しなさんなって・・・ってのも無理な話かな」

 門番は屈託のない笑顔でこちらの警戒心を和らげようと・・・

「長々と引っ張ってもアレだし、ズバっと教えてあげよう

 この街の・・・この近辺の者と君達とは決して違うものがある・・・それは」

「それは?」

「この辺りの者は決してに近づかないのさ」

「へ?」

「理由は多々あるが、君たちからは・・・潮の香りがしたからね・・・我等兵士は訓練で海に近寄ることがあるが、一般人で海に近寄るものは皆無と言って良いからね」

 ・・・風呂入ってないな・・・クリーンもかけてなかった・・・綺麗すぎるのも変かと思ったから・・・が、まさかそんな・・・海に一番近い街が海に近寄らないなんて・・・思いもしなかったよ

「それで?ボクらは入れるのかな?」

 他所者・・・しかも大陸間クラスの・・・

「問題ないよ?」
 
「・・・へ?」

「最初に言ったじゃないか『いらっしゃい。ようこそ』って。別段そんな取り決めも無いし、むしろ異文化交流なんてできるもんじゃないからね?望むところだよ!」

 うわーそうくるか

「それに・・・あぁご苦労・・・すまんすまん」

 門番の男は何か四角いものを耳に当てて一言二言喋ると・・・って・・・まさか?

「向こうにはコレ無いのか?便利だぞ~?」

 向こう・・・もっと向こう地球にはあったけどね?

「これは魔線機といって、登録したもの同士なら、空気中に魔素がある限り、会話ができるっていう物さ」

 ・・・トランシーバーかな?スマホじゃなかったか・・・

「部下が宿を手配してくれてな?案内するから少し待っててくれ」

 入場の際の賞罰確認は・・・そもそも大陸を跨いで来てるから、無意味とのことで、すんなり通され・・・

「改めてようこそ!浜尻の街へ」

 ハマジリはじまりの街か?

 門の中には空がとうえいされているようで、時間的に夕方ということもあって、真っ赤な夕日が映し出されていた・・・

「どうぞこちらへ」

 門のところで案内役に任命された若い兵士は、観光案内人よろしく、門から宿屋への道すがらの名所説明や、お勧め屋台などを教えてくれた。そして宿に着くと

「少々お待ちください。今を呼んで来ますので」

「「「妻?」」」

 まさか・・・若い兵士の奥さんがこの宿屋関係者?
 なんて考えていると、中から柔らかそうな笑顔と体型のゆるふわウェーブな女性が出てきて

「ようこそ。穂積亭へ。お話は夫から聞いております。まずは何も考えずに旅の疲れを癒してください。どうぞこちらへ」

 そう言って宿泊日数や費用の話をせずに、問答無用で最上階の部屋に案内された・・・
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