異世界召喚〜転移前にスキルの検証させてもらえますか？三十年くらい〜

道中

「さて、移動はハマちゃんを使うけど、リル達はどうする？それなりのスピードが出るから、思いっきり走れるよ？」

　四天王からは『荷車を引く馬になど負けぬわ！』的な意思が飛んでくるし、リルママも・・・鼻息が荒い・・・

「あるじ？リルも走りたい！あるじにはこの前負けたけど、馬になら負けない！」

　なんて豪語しているけどさ・・・君たちの周りのどこに馬がいるのかな？いないよね？

「さて、従魔達は全員走ることを選択したけど、スーはどうする？鍛錬のために一緒に走ってもいいよ？トールは・・・無理なのわかってるから、そんなに鼻息を荒くしなくても・・・ね？」

　スーを挑発してみたら、トールの方が乗ってきた・・・スー？間髪入れずに断ってきたよ？
　あれ？増えたけど結果的にはきた時と同じ人数に・・・なら飛行機も可能・・・だけど、みんなが地面を走ってるのに、空を飛ぶのは・・・可哀想すぎるよね？

「それじゃぁ準備するから少し離れててね？」

　そう言って収納から取り出した『ハマちゃん命名』その巨体に驚く従魔一同。そして意を決して匂いを嗅いで回る姿・・・安全だよ～？
　助手席にスーを乗せて、トールは後部座席・・・決してチャイルドシートなんて積んでませんし、乗せてませんよ？

「あるじー？馬は～？」

「馬？いないよ？こいつはこれだけで走るから・・・じゃぁ行くよ？」

　馬が必要ないことにも驚いていたが、エンジンをかけるとその音に驚き、動き出すとさらに驚き・・・その間に広がっていく距離差・・・そして追いついてきて暫くして・・・

「じゃぁそろそろ・・・」

　魔(法)改造による暴力・・・何も知らない人が見たら・・・新種の魔物として、報告と討伐依頼が上がるんじゃないか？ってくらいの・・・ね？トールもスーも乗り心地に慣れてきたので、その気になれば今日中に到着もするけど・・・いくらなんでも・・・

「あるじ～」

　リルにはまだまだキツかったようだね・・・リルママは流石というか・・・四天王・・・不甲斐なさすぎるだろ・・・それと君たち色々忘れてないかい？
　そろそろ1回目の休憩を・・・と、停車させてみんなの前に飲み水魔力水を出してあげて

「リルママも四天王もさ・・・忘れてないか？」

『ガウえ？』

「なんでそのサイズのままなの？元のサイズに戻ればもっと楽になれるんじゃないの？」

　皆街中形態で、リルママは大き目のボルゾイで、四天王は成犬程度の大きさだ。リルは・・・あまり大差ないけど・・・

『『『『∑(ﾟДﾟ)ガウ！』』』』

　それに、その形態だと、能力もある程度封印されるからね？

『『『『ガガウウガウ忘れてた！』』』』