異世界召喚〜転移前にスキルの検証させてもらえますか？三十年くらい〜

ギルマスルーム

「ちょっと資料が多いけど入って」

「失礼しま・・・す？」

「？どうかしたの？」

　・・・え？このギルドで一番偉い人の部屋だよね？これって完全に【汚部屋】なんですけど・・・足の踏み場・・・は、飛石状態であるな・・・さて、どこに座ろう・・・

「適当に座って？」

　そう言って足で床の上に落ちている資料の束や本を掻き分け・・・奥の机までの道を・・・まるで砕氷船のように・・・

「えっと・・・不躾なお願いを聞いていただけないでしょうか？」

「どうしたの？そんな他人行儀な・・・別にいいけど？」

　一応の了承は取れた

「その・・・この部屋の中に何か人に触れてほしくないものとかはありますか？」

「そうね・・・特にないわ？」

「それなら・・・失礼して【範囲指定】【無限収納特別枠】【分類別仕分】【外部閲覧】・・・開始！」

　無限収納に自分のもの以外の特別枠を設け、そこにこの【汚部屋】にあるもの全てを収納し、書類やアイテム、ゴミっぽいものやとにかく分類別に仕分けて

「さて、床も壁も天井も汚れてますね・・・【生活魔法クリーン】・・・後は・・・【範囲指定】【防汚】【防塵】【防水】【警報アラーム】【自爆】オール付与！」

「後は何が必要か「ちょっと！」な・・・？どうしましたイリスさん」

　そろそろ無限収納内で仕分けが終わる頃なんだけど

「あなた・・・何をしてるの？」

　部屋掃除ですが？

「いやぁ、人の上に立つ者としては、最低な汚部屋でしたので、先程の不躾なお願い掃除していい？をしたのですが・・・ぁ、先程まで床に散らばっていたゴミなのか資料なのかわからないものの仕分けが終わったので、今から可視化しますね。その上で、不要必要を仰っていただければ、その場で瞬間焼却地獄の業火で処分しますから」

「いやいやいやいや、ツッコミどころが多すぎ・・・え？無限収納？ソレって勇者の？え？地獄のなんだっけ？え？え？え？え？え？自爆って何？」

　質問の多いギルマスさんだな・・・

「ですから、・・・(説明中)・・・というわけです。自爆というのは、イリスさんがこの部屋の半分以上を汚してしまった場合、この部屋に設置した警報が察知して、室内のみ自爆にて、完全焼却します。大丈夫です。常に綺麗に掃除すればいいだけですから。なんなら、掃除する人を雇ってもいいんですよ？」

　人感センサーの最終形・・・まさかの自爆装置付きの部屋・・・

「解除方法？ぁ、設定するの忘れてた」

「・・・・・・・orz」