異世界召喚〜転移前にスキルの検証させてもらえますか？三十年くらい〜

召喚地

　光の奔流から気がつくと、そこは・・・

「山の中？」

　というか山頂だね・・・ただ

「何かの儀式をする祭壇のようだな」

　地球にあるような完全に到達点としての山頂でなく、手が加えられていた

「ぉお勇者よ！」

　なにやらゴテゴテした服装のおっさんが近寄ってきて

「我が国では魔物の襲撃にあい、たみの生活も困窮しておる。古の知識を用いて此度、勇者召喚に踏み切ったのだが、どうかわれらを助けてはくださらんか！勇者たちよ！」

　そして祭壇下の駐(馬)車場？に案内されて王宮へと向かう人たち・・・

　ボク？

「おいそこの勇者の従者！お前もさっさと後ろをついてこんか！」

　あれ？ボクも一緒に来たよね？

「アイツは俺たちとはちょっと違うんで」
「彼は我々とは格の違う存在なので」
「貰えるものも私たちより少なかったしね」
「ホラ、あの人も言ってたじゃん【従者】って」

　いつのまにかみなさんの中でもボクの扱いが数ランク降格されていたようだ・・・なぜ？

｟貴方は精神的には誰よりも年上なので、転移の際の精神干渉を受けなかったので、あちらでの精神のままでいられるのです｠

　？？？

｟貴方は誓ってくれたじゃないですか！｠

　・・・女神様？

｟そんな他人行儀な呼び方でなく愛めぐみ』と呼んでください。旦那様｠

　・・・よろしくね。クロ！シロ！めぐみ！

｟なんで私が三番目・・・猫の後なんですか！｠

　出会いはともかく、付き合いとしては一番浅いからね？仕方がないんじゃないかな？

「よろしくにゃ！めぐ」
「よろしく！ぐみ」

｟・・・｠

　クロとシロはどこにいるって？腕輪に擬態してもらってる・・・めぐみは？いつのまにか装着^_^わされてた左手薬指の指輪から声がする・・・
　　そんな楽しい会話をしてるとお城に到着したようなんだけど、様子がおかしい・・・それは見た目ではっきりとわかる

「確か魔物の襲撃があって、困窮してるって話だけど、ここに来るまでに見た村や街並みや人達の顔にはどこにも悲壮感や困窮してるような感じはなかったよね？ましてや・・・城壁の補修をしてるってよりも、ただの工事だよね・・・見た目の」

　最初の説明と何か違う・・・

「勇者様たちは、疲れもあるでしょうから王との謁見は明日としましょう。それまで案内する部屋でごゆっくりとお休みください」

　その言葉で案内されていくみんな・・・その列について行こうとすると

「オイ！従者はそっちじゃない！厩戸があるからそっちに行け！」

　ん～？例え従者だったとしても、勇者の従者であって、お前らの従者じゃないんだけどな？なので、本来なら歓待される側の従者・・・ん～？
　
「ボクはあなた方の従者ではないし、勿論勇者の従者でもない！」

「なら王宮に近寄るな！薄汚いガキが！さっさと失せろ！」

　と、追い出された・・・