111 / 124
4−9
しおりを挟む
「もう・・・殺して」
私の名前は希。勇者専門学校からこの世界に召喚された勇者の1人だ。他にも3人・・・加奈と男子が2人。
いま弱気な声で呟いたのは加奈だ。今私と加奈は簡素なドレスを着させられて、ベッドとソファーに横たわっている。
「加奈・・・」
「希・・・お願いがあるの・・・私には攻撃魔法が使えない・・・だから自害もできない・・・それ以前にこの首輪のせいで・・・だから・・・あなたの攻撃魔法で・・・私を殺して!そうすればこの世界からも解放されるわ・・・」
「でも・・・この首輪は・・・」
「それは私に考えがあるから・・・明日・・・うまく行ったら私の案に乗っかって・・・こんな鎖切った国も世界も何もかもを燃やして!・・・戻ったところであの二人には会わせる顔もないけど・・・それでも・・・お願い・・・」
加奈に何か考えがある・・・うまくいけば・・・でも・・・うまく行ったら?加奈を・・・殺せるの?私も・・・自害できるの?でも・・・そうでもして今のこの状況から・・・逃げ出したい!彼に会いたい・・・でも・・・加奈の言う通り・・・戻れても・・・会わせる顔がない・・・どんな顔して会えというの?
「加奈・・・それでも・・・今は・・・体を休めましょう・・・」
「・・・うん。おやすみ・・・希・・・」
今夜は珍しく夜伽がない・・・その分明日は激しいんだろうか・・・この隷属の首輪で・・・魔法が使えないけど・・・どうするんだろう・・・考えても仕方がない・・・私も寝なきゃ・・・
翌朝・・・簡単な食事が運ばれてきて・・・昼前・・・奴等が来た・・・
「ぐっへっへっへ、今日こそは俺様の子種を仕込んでやるぜ!」
「馬鹿兄の子種じゃ勇者が可哀想だよ・・・俺の子供を孕んでこそ、王家が強くなるんだ!」
「兄さん達は・・・穴があれば俺は誰でもいいんだけどね」
「「お前こそ」」
こいつらはこの世界の王族で、今回勇者召喚できた私たちを送還途中で拉致し、子孫繁栄を謳って・・・やってることはゴブリンやオークと何が違うんだろう?
「オラ!脱げ!それとも脱がされたいのか?」
「違うよ・・・服をビリビリに割かれて無理やりされたいんだよ」
「・・・どうでもいいからさっさと穴塞げよ・・・俺は残った穴でいいからさ」
ゲスい・・・でも・・・この首輪のせいで逆らえない・・・せめての抵抗で、感じてないフリをするくらいだが・・・
「希・・・」
加奈がこちらを見てる・・・何か仕掛けるつもりかしら・・・
「ご主人様・・・私はもう疲れてしまいました・・・なので・・・あちらの世界のことは諦めて・・・快楽に身を委ねようと思います。でも・・・そのためにはこの首輪が邪魔です。逆らう気ももう無いし、どうせならお互いに気持ち良くなりませんか?」
ちょ!加奈!何を!!??
「・・・いいねぇ・・・人形を抱くのも飽き飽きしてたんだ・・・変な気は起こすなよ?」
そういって加奈の首輪が外れた。まさか!?
「・・・そうね・・・変な意地を張ってても帰れないんなら・・・快楽に堕ちるのも悪く無いわね・・・ご主人様・・・今日は趣向を変えて・・・私にお任せくださいませんか?」
そして私の首輪も外れ、魔力が体の隅々まで浸透していくのがわかり、これなら・・・
ドレスを脱ぎ去った加奈が近寄ってきて・・・私もドレスを脱ぎ捨てて・・・
「希・・・フルブースト!マキシマイズ!」
「・・・先に帰っててね・・・私もすぐに行くから・・・魔力増強!・・・生命力変換!ツインブースト!」
「な!なにを!!」
「おい!」
「・・・あ~あ・・・俺知~らね・・・」
「加奈・・・ゴメンね・・・接触することで効果を100%にする・・・『デス!』・・・バーストレイ!・・・サイクロン!・・・これで最後・・・メテオレイン!」
空から直径数十メートルクラスの隕石が・・・赤く炎を纏って落ちてくる・・・それも数個でなく・・・100近く!それらは城から城下街・・・山から川から術者を中心に半径数キロ圏内を焦土と化し・・・そして
「リミット解除!私の全生命力魔力精神力!持っていけ!」
一際大きな隕石が私の真上から私を飲み込み・・・
「これで・・・みんなのところに帰れるんだ」
そしてこの日・・・王都が消滅した・・・
◇勇者専門学校魔法陣の間◇
「ハァハァハァ・・・帰って・・・これたの?」
「先生!加奈さんです!ふ・・来るな!裸なんですよ!男どもは即刻出ていけぇぇぇぇ!」
そして数分後、希も帰ってきて・・・女性職員等に運ばれて・・・3日後・・・2人はその若い命を自らの手で・・・
「なんでだ・・・なんでなんだよぉぉ!」
「何も言ってくれないんだな・・・」
2人の男性の叫びが・・・
これが・・・異変の始まりだった・・・これから起こる・・・未曾有の・・・
『ショウ?なんとかならなかったのか?』
『うん・・・介入する間がなかった・・・これは僕の不手際だ・・・許せないな・・・』
ショウ・・・姿を消しててもそれだけの殺気を出したら・・・ほ~ら・・・目の前にいる関係者全員が気絶・・・するだけでなく、大小どちらも漏らしていた・・・
『ショウ・・・猛省!』
私の名前は希。勇者専門学校からこの世界に召喚された勇者の1人だ。他にも3人・・・加奈と男子が2人。
いま弱気な声で呟いたのは加奈だ。今私と加奈は簡素なドレスを着させられて、ベッドとソファーに横たわっている。
「加奈・・・」
「希・・・お願いがあるの・・・私には攻撃魔法が使えない・・・だから自害もできない・・・それ以前にこの首輪のせいで・・・だから・・・あなたの攻撃魔法で・・・私を殺して!そうすればこの世界からも解放されるわ・・・」
「でも・・・この首輪は・・・」
「それは私に考えがあるから・・・明日・・・うまく行ったら私の案に乗っかって・・・こんな鎖切った国も世界も何もかもを燃やして!・・・戻ったところであの二人には会わせる顔もないけど・・・それでも・・・お願い・・・」
加奈に何か考えがある・・・うまくいけば・・・でも・・・うまく行ったら?加奈を・・・殺せるの?私も・・・自害できるの?でも・・・そうでもして今のこの状況から・・・逃げ出したい!彼に会いたい・・・でも・・・加奈の言う通り・・・戻れても・・・会わせる顔がない・・・どんな顔して会えというの?
「加奈・・・それでも・・・今は・・・体を休めましょう・・・」
「・・・うん。おやすみ・・・希・・・」
今夜は珍しく夜伽がない・・・その分明日は激しいんだろうか・・・この隷属の首輪で・・・魔法が使えないけど・・・どうするんだろう・・・考えても仕方がない・・・私も寝なきゃ・・・
翌朝・・・簡単な食事が運ばれてきて・・・昼前・・・奴等が来た・・・
「ぐっへっへっへ、今日こそは俺様の子種を仕込んでやるぜ!」
「馬鹿兄の子種じゃ勇者が可哀想だよ・・・俺の子供を孕んでこそ、王家が強くなるんだ!」
「兄さん達は・・・穴があれば俺は誰でもいいんだけどね」
「「お前こそ」」
こいつらはこの世界の王族で、今回勇者召喚できた私たちを送還途中で拉致し、子孫繁栄を謳って・・・やってることはゴブリンやオークと何が違うんだろう?
「オラ!脱げ!それとも脱がされたいのか?」
「違うよ・・・服をビリビリに割かれて無理やりされたいんだよ」
「・・・どうでもいいからさっさと穴塞げよ・・・俺は残った穴でいいからさ」
ゲスい・・・でも・・・この首輪のせいで逆らえない・・・せめての抵抗で、感じてないフリをするくらいだが・・・
「希・・・」
加奈がこちらを見てる・・・何か仕掛けるつもりかしら・・・
「ご主人様・・・私はもう疲れてしまいました・・・なので・・・あちらの世界のことは諦めて・・・快楽に身を委ねようと思います。でも・・・そのためにはこの首輪が邪魔です。逆らう気ももう無いし、どうせならお互いに気持ち良くなりませんか?」
ちょ!加奈!何を!!??
「・・・いいねぇ・・・人形を抱くのも飽き飽きしてたんだ・・・変な気は起こすなよ?」
そういって加奈の首輪が外れた。まさか!?
「・・・そうね・・・変な意地を張ってても帰れないんなら・・・快楽に堕ちるのも悪く無いわね・・・ご主人様・・・今日は趣向を変えて・・・私にお任せくださいませんか?」
そして私の首輪も外れ、魔力が体の隅々まで浸透していくのがわかり、これなら・・・
ドレスを脱ぎ去った加奈が近寄ってきて・・・私もドレスを脱ぎ捨てて・・・
「希・・・フルブースト!マキシマイズ!」
「・・・先に帰っててね・・・私もすぐに行くから・・・魔力増強!・・・生命力変換!ツインブースト!」
「な!なにを!!」
「おい!」
「・・・あ~あ・・・俺知~らね・・・」
「加奈・・・ゴメンね・・・接触することで効果を100%にする・・・『デス!』・・・バーストレイ!・・・サイクロン!・・・これで最後・・・メテオレイン!」
空から直径数十メートルクラスの隕石が・・・赤く炎を纏って落ちてくる・・・それも数個でなく・・・100近く!それらは城から城下街・・・山から川から術者を中心に半径数キロ圏内を焦土と化し・・・そして
「リミット解除!私の全生命力魔力精神力!持っていけ!」
一際大きな隕石が私の真上から私を飲み込み・・・
「これで・・・みんなのところに帰れるんだ」
そしてこの日・・・王都が消滅した・・・
◇勇者専門学校魔法陣の間◇
「ハァハァハァ・・・帰って・・・これたの?」
「先生!加奈さんです!ふ・・来るな!裸なんですよ!男どもは即刻出ていけぇぇぇぇ!」
そして数分後、希も帰ってきて・・・女性職員等に運ばれて・・・3日後・・・2人はその若い命を自らの手で・・・
「なんでだ・・・なんでなんだよぉぉ!」
「何も言ってくれないんだな・・・」
2人の男性の叫びが・・・
これが・・・異変の始まりだった・・・これから起こる・・・未曾有の・・・
『ショウ?なんとかならなかったのか?』
『うん・・・介入する間がなかった・・・これは僕の不手際だ・・・許せないな・・・』
ショウ・・・姿を消しててもそれだけの殺気を出したら・・・ほ~ら・・・目の前にいる関係者全員が気絶・・・するだけでなく、大小どちらも漏らしていた・・・
『ショウ・・・猛省!』
0
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
空間魔法って実は凄いんです
真理亜
ファンタジー
伯爵令嬢のカリナは10歳の誕生日に実の父親から勘当される。後継者には浮気相手の継母の娘ダリヤが指名された。そして家に置いて欲しければ使用人として働けと言われ、屋根裏部屋に押し込まれた。普通のご令嬢ならここで絶望に打ちひしがれるところだが、カリナは違った。「その言葉を待ってました!」実の母マリナから託された伯爵家の財産。その金庫の鍵はカリナの身に不幸が訪れた時。まさに今がその瞬間。虐待される前にスタコラサッサと逃げ出します。あとは野となれ山となれ。空間魔法を駆使して冒険者として生きていくので何も問題ありません。婚約者のイアンのことだけが気掛かりだけど、私の事は死んだ者と思って忘れて下さい。しばらくは恋愛してる暇なんかないと思ってたら、成り行きで隣国の王子様を助けちゃったら、なぜか懐かれました。しかも元婚約者のイアンがまだ私の事を探してるって? いやこれどーなっちゃうの!?
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる