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新しい旅へ

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 栗鼠・・・クリスが加わり、なんとも賑やかになったもんだと・・・そこで、先日クリスに聞いたことを思い出し、じーちゃんからも気になる情報を得た俺は、どうにかなるとは思いもしないままに行動に出た。

「全国行方不明者名簿?」

「そうじゃ。毎年何人かは突然蒸発したり、行方不明になっておる者がおるんじゃよ。それは一部の警察官しか知らぬことじゃが、全国各地の退役自衛官やワシらの情報網を持ってしても、見つからないんじゃが・・・輔のような存在とラノベのようなことがあるのであれば、もしかしたらと思ってな?」

 要するに、行方不明者・蒸発者・神隠しやなんだは、異世界召喚なのでは無いのか?と言う仮説をじーちゃんは建てたらっしい・・・一級フラグ建築士か?

「ただ、俺の存在定義はこっちの世界じゃ胡散臭いものでしかないから、根回しはじーちゃんたちでやってくれないかな?その行方不明者の気配は辿れそうに無いけど、馴染みの深い持ち物からならもしかしたら・・・たどれるかもしれない。けど、当事者の両親や親族にとっては・・・ね?」

 突然現れたらそんなの金を騙し取りにきた詐欺師としか思えないしね?

「そこは、こちらからの打診じゃから、気にせんでもいいようには手配するつもりじゃ。まずは一件ほどやってみんか?」

 物は試しと、警察関係者でじーちゃんの知り合いの息子さんが実は行方不明なんだと。じーちゃんとはほぼ師弟関係があるんじゃ無いか?ってほどのなじみようだったので、あっさりとその息子さんの私物(婚約指輪)を借りることができたあのと、想いということで婚約者さんとも話を聞くことができた。そしてその場で指輪に触れてもらいながら婚約者さんのことを強く想ってもらったら・・・(見た目的には丸い指輪を2人の大人が指先で押さえる形・・・コッ○リさんか!)

「ん?気配を感じるな・・・(クリス?今感じた先に飛ぶから、先でのサポートお願いね?)」

 そして婚約者さんをその場に残して、人目のつかないところで先程感じた気配に向けて『転移』

「貴方はどこから?」

 おっとしまった、気配にダイレクトに飛んでしまい、目の前に人がいるじゃないか・・・ここはどうやらお城の私室らしく、ある程度の調度品よベッドなどが置かれていた

「いきなりですみませんが、貴方は〇〇さんですか?□□さんの婚約者の」

「彼女を知ってるんですか!?」

 ビンゴ・・・さて、ここでは目立つので人気のない森の中に『転移』・・・

「さて、少しは落ち着けると思うんですけど、貴方はなぜこんなところに?」

 聞けば、指輪のサイズの調整に出した帰り道で光に包まれ、気がついたら先程のお城にいて、そこからはラノベによくある勇者召喚だったらしい。
 〇〇さんもその手の本は読んだことがあるらしく、やれもう戻れない。やれ魔王を倒せ。やれ倒したら娘と婚約を許すだの、テンプレすぎて胃もたれしそうだったらしい。(婚約候補の娘さんは♀オーク似だそうな)

「それは災難で・・・因みに、今現在こちらに知り合いはいますか?いなければ今すぐにでも元の世界に戻してあげれますが」

 幸いなことにこちらにきてソロで活動してたらしく、逃げれるならすぐにでもと懇願されたため、速攻で自宅マンションに転移した。なぜ婚約者さんのところじゃ無いかって?彼はガチ冒険者スタイルだったからね・・・色々説明も必要になりそうだったから。俺の私服に着替えてから送り届けたよ。

「じーちゃん?解決したよー?」

「何!?もうか!?それでどういうことじゃったんじゃ?」

 じーちゃんの読が正しくて、本当に異世界召喚強制拉致であったこととか伝えると

「輔・・・コレから忙しくなるぞ?」

「・・・今回はお試しであって、コレを生業にするつもりはないからね?」

「持てる力は持たざる人のために使うものじゃ!」

「じゃぁお金持ってる国会議員やお金持ちは持ってないホームレスや貧困者にいますぐお金を配ってきてよ!」

「ぐぬぬぬ」

「ラノベとかでもさよく使われてるけど、勇者だから当然だろ!力があるなら守れ!って。ならお金のない人はなんで貧乏なままなんだよ?お前らが搾取しまくってるからだろ?って、自論で想ってたんだけど、今のがまさにそれだろ?」

 極論で申し訳ないけど、たまたま手に入れた力が有効だからって、それを使って助けろって。最悪同じ日本国民だろ!なんて持ち出されたら、『イエ、ワタシハイセカイジンデス』とか言い出すけどね?

「じーちゃん、そういえばさ?少し前のアレどうなってる?」

「アレ?」

「ほら、六条さんとこの問題」

「あぁ、あれか・・・・あれはの・・・」

 一度異世界に召喚されたことでこの世界での存在が消えてしまった人のことだ。1000人近くの異世界拉致被害者のリーダーをやってたんだけど、結局自分のことしか考えない行動をとった結果、戸籍の存在しないこの世界に取り残されたんだけど、結果公安やら何やらに目をつけられたってね・・・

「最初は公安の監視下に置かれていたが、今は・・・行方不明じゃ」

「それでいいの?」

「よくは無いな・・・なんせ、不思議な力を使っておったから」

「魔法でしょ?あの人は確か自分で創造した魔法を使ったり人に与えたりできてたから、ぱっくさんに目をつけられたら、一生使い潰されるんじゃ無いかな?」

「そうなんじゃよ・・・なんとかならんかの?」

 俺としてもこっちに連れて帰ってしまった負い目があったので

「異世界関係の仕事はそいつデイわりね?一応時間がある時は手伝ってもいいけど。
 こいつに関しては仕事料はそっちの判断に任せるけど、それ次第で次があるか無いかが決まるのも伝えておいてね?」

 そして俺は要蔵の気配を探って・・・山の中に潜伏しているところを確保して、〇〇さんが勇者召喚された世界に転移して、替わりに置いて帰った。

 後日談として彼はそこで無事勇者としての責務を果たし、今はオーク姫からの求婚から逃げ続ける毎日らしい。

 じーちゃんに事の顛末を告げて、依頼料をどうするか聞いたところ、上がかなりケチったらしく・・・今後の依頼は本当に気が向いた時だけで。それ以外は断ることに決めた。じーちゃんもしぶしぶだが納得してくれた。

 レム達は?・・・その間ばーちゃんに色々教わったり、人化して4人で女子会を楽しんでた。特にクリスとは高齢同「ん?」士・・・と言うこともあって気があったようだ。

 〇〇さんと□□さんは無事結婚して、あの日の出来事は夢だったんだよきっと っと現実逃避をしていたが、それでもいいのかもしれないね?

「俺は・・・最近冒険してないな・・・武器が錆びてまうやろぉぉぉぉぉぉ!」
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