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商談

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 てっきり化かし合いになると思ったけど、始終和やかに話が進んだ。
 
「これは、質のいい胡椒ですね?これをうちに卸してもらえるということか?」

 物量も100kg単位で受けてもらえたが、値崩れを気にすると、その辺りの調整は商店側が調整するとのことで、ジャンジャン持ってきてくれ!との事だった。勿論キロでなくトンでも持ってこれるけどね?

「支払いはイェンでなく金塊とな・・・インゴット加工済みでもOK・・・他の鉱石でも可能?宝石でも・・・」

 孫娘さんはちょっと取引の規模が大きくなりすぎたようで若干遠いところを見てる湯だけど、君にもインセンティブ入ると思うからね?気をしっかり持つんだよ?
 無限収納に関しては、商売柄守秘義務は尊重するという事なので、安心することにした。そして

「そういえばあの時にこれ気にしてたよね?」

 携帯式のハンモックだ。収納状態で見せたので、最初は???だったが、会長さんの許可を得てその場で組み立て始めると、さらに驚きかおになり「コレも卸してもらえるんですか?」ということになった。使い心地は自分で確認済みで、見ただけでその使い道の有用性を感じたのであろう。

「おじ・・会長!これの寝心地は本当に良かったです!これをそのまま卸してもらえるのもいいですが、カイザーさんが許してくれて、仕組みを解析して売りに出せたら・・・商人だけでなく作る側・・・他の商人連中にも需要が生まれて、街がさらに発展するとおもうんだけど!根回しとか任せてもらえませんか?」

 祖父と孫でなく、会長と一商人としての会話だった。
 あれ?会長さん涙目だね

「これは別に俺が発明したわけではないので、解析して販売するのは構いませんよ?それなら最初に数点見本として卸しましょう。そこから先の改良云々のヒントも出しますよ?」

 他にも林の中で気に直接固定するタイプや、3本の木の間にスラックラインの様に渡してそこに床を作るやつとか?

「それとこれは確定事項なんですが、先日のワイバーンが生息してた森に住むことになりそうです」

 な~んて言うと、会長さんもお孫さんも(・Д・)×2してますね。当たり障りのない程度の経緯を説明すると納得してくれたけど

「いやはや色々規格外ですね。でもそうなると今後の取引の度にそのワイバーンの森に行くことになるということか?少々危険では・・・」

「そこも認識の違いであって、ワイバーンは動物ですから、キチンと調教?すればきっと人にも慣れて・・・そうですね、連絡手段にもなるかもしれませんね?もしかするとその先の・・・」

「連絡手段?それよりも何を言い淀んだのですか?」

「いえ、騎乗して新たな脚にできるかも・・・という」

 ぁ、会長さんの目が光ったよ

「領主辺りにその辺の話を持っていけば・・・勿論検証して実際に騎乗できることを証明してからの話にはなるが・・・」

 なんか変なスイッチ入っちゃったかな・・・

「そうなれば騎乗するための鞍の発注や森だけでなく街中か街の側に宿舎?の建設とかも必要になるでしょうから、一大事業になりますね。更には街間や、固体能力次第では海の向こうにも・・・夢が広がりますね?」

「「・・・」」

 あれ?2人とも様子がおかしいね?

「もはや国家プロジェクト・・・」

「あわわわ・・・そんな大事に・・・」

「ははは、なんかすみませんね?ちょっと家を買うくらいの気持ちで商売に来たのに、予想外にどでかいプロジェクトを提案する形になって」

◇◇

 実際この後、ワイバーンの森のリーダーに話をつけて、色々やってるうちに、会長さんが若かりし日々を思い出したように動いた結果、ワイバーン便が設立され、世界の様相がちょっとだけ変わっちゃいました。しかもその事業金の数割が定期的に振り込まれて・・・国家予算か?って位に・・・

「億ションに住めるな・・・」

なんてセリフを数年後に呟いてしまえるほどに

◇◇

「連絡用とするにしても、まずは森に家と厩舎を立てないといけないので、その資金を・・・ぁ、家はこちらで準備するので大丈夫です。落ち着いた頃に厩舎を作るのだけは手伝ってもらえれば、街の職人さんも潤いますよね?」

 この後金やその他鉱石のインゴットで支払ってもらい、それをじーちゃんに渡すとスッゲー驚いてたが、結果じーちゃん家の麓の高層マンションの最上階のペントハウスを入手するに至った。これでこちらでの拠点(転移用)が手に入ったので、今度は森用の拠点ハウスを・・・ログハウスで色々探して、かなり大きめのを入手することに成功した。勿論太陽光発電と蓄電設備や地球科学の快適生活を盛り込んだ贅沢仕様となっているけどね?人の転移は制限されてるけど物の制限はされてないから、じーちゃん経由で作ってもらったのをあっさりと収納に入れて持ち込み設置。会長さんと孫娘さんやギルドマスターとミーシャを招いての食事会や、ワイバーンの騎乗披露とか色々やってたら1年が経過していた。

「結果、この街の外にはなちゃいましたが、無事拠点とすることになりました。それでは・・・

 ここに至るまでにかかった経費の精算をサブマスターさんにしてもらってもいいですか?」

「「「・・・へ?」」」

「もともとそう言う約束だったじゃないですか?拠点が決まるまでって」

 どうやら忘れていたようだ。でもまぁ実際にはそこまでお金はかかってないし、今後のことも考えれば逆にお金が余るんだけど・・・そこはケジメとしてね?

「それでは発表します!罰則としてサブマスターさんに支払ってもらう金額は・・・ゴニョゴニョイェン」

「「「・・・」」」

「でしたが、実際もう面倒なのと、あれ以降とても街に貢献した働きをしているとギルドマスターからも聞いてるので、不問とします。ただ、今後何かあったら即断ですけどね?」

 みんなホッとした顔してる。実際あれからのサブマスターの働きは、目を見張って良くなり、ギルドにとっても街にとってもなくてはならない存在となっていたのである。(逆にギルドマスターの影が薄くなるほどに)

「前置きが長くなったけど、1周年記念ということで・・・乾杯!」

「「「乾杯!」」」
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