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事務所移転といふもの
しおりを挟む一般的に引越しといえば一般家庭を想像されるでしょうが、事務所移転・・・旧社屋から新社屋に引っ越す・・・そんなこともしばしば・・・今回はそんな中での珍事を少々
トールポーターというものがあります。普通車等に牽引することで移動し、階段が狭い立地や、ベランダからの方が作業が容易い場合などに使う設置型外部エレベーターの様なものです。一般住宅での引っ越しで、エレベーター設置義務の無い古いタイプのマンション等でも使用します。
そして事務所移転の最大の荷物・・・それはやはり、書類でしょう。箱に詰めても代償様々で数百は・・・これを階段でリレー形式で運ぶにしても限度というものがあります。そこで前述のトールポーターの出番です。家庭用コンセントで電源供給可能なので、最大の敵【雨&風】以外では無敵の戦力です!
そんな戦力の珍事・・・?として記憶してるのが・・・作業も終盤に差し掛かり、トールポーターの撤収が始まろうとしたその瞬間!
「すみません!どうしても運んでもらいたい品があるんですけど!お願いできますか!」
あれ?もう荷物は・・・それに階段でもいいんじゃ?
「それで・・・荷物はどちらに?」
「私です!」
「「「「「???」」」」」
要するに、トールポーターに乗って移動してみたかったと・・・
「・・・申し訳ありませんが、作業を見られていたと思いますが、これに人が乗るのはNGなんですよ」
危険ですからね?ボタンを押せばストップ機構の働く
最上段と最下段で自動で停止し、側板を外して中の荷物を移動する・・・そんな繰り返しなのだが・・・
「お願いします!どうか・・・どうにか1回だけでも!」
大丈夫かこの会社・・・上司がそれを許せば・・・って・・・
見れば懇願する彼女の背後で支店長が頭を下げている・・・ハァ・・・
「一回だけですよ?」
「ありがとうございます!」
花が咲き綻んだような笑顔で・・・
「おーい。今からお荷物1回あげるから、受け取り準備よろしく!」
丁寧語に・・・なってないって?知らんがな
そして無事2Fへ運ぶと、上階では驚いていたが・・・これが始まりになろうとは・・・
「儂も良いかね?」
支店長・・・
「私も!」
受付のお姉さん・・・
そんな感じで結局会社の人間全員が危険行為に身を投じるという・・・後日本社社長の耳に入りこっぴどくお叱りを受けたそうで・・・だが、その顔はにこやかだった。
なぜかって?社長曰く「・・・わしも乗ってみたいな」と・・・
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事務所移転では上記のように機械作業が伴う事が多く、安全で素早く作業を終わらせるためだと・・・同じ様に一般家庭の引っ越しでも、状況によって様々な方法が・・・例えば2Fに荷物を・・・基本的には階段を使用するが、階段に入らない物等は・・・窓から入れる事もしばしば・・・同様に搬出時に窓から下に下ろすことも・・・しかしそれらとは関係ない下ろし方も存在し・・・それは
「落とすぞ~!」
・・・である
「アンタ!それクラス長が息子の勉強机にってくれた物じゃなかったっけ?」
「そうだけど、もう使わないし、構わん、投げちゃってくれ!」
なんて家族会議終了。旦那さんに言われるままに2階の窓から階下に・・・そして粉砕される手作り感満載の机・・・クラス長?
そして庭には破壊された品物が多数・・・これは後日部下が回収するとのことなので、あっさりそのままにして、下ろし地に行くと奥様が
「子供迎えに行ってくるから、アンタ!しっかりしてよね!」
そして旦那さんに置き場所を聞きながら大物や家具系が終わり、後はダンボール系となったところで
「箱物は書いてある場所に適当に積んでおいてくれ。俺はちょっとシャワー浴びてくるから」
そう言いながら服を脱ぎ・・・あれ?今上着もズボンも脱いだよな?なのになんでまだアロハシャツの上下着てるんだ?
「・・・!?」
そうだよな・・・鯉の描かれたアロハシャツなんて・・・ねぇ?
クラス長って事かな?そして作業も終わり、トラックを路上に出す際に後方確認や『オーライオーライハーイストーップ』と・・・スキンヘッドで黒服サングラスの身長2m・・・うん。粗相のない仕事でよかった。
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「先輩?なんでこのマンションこんなに安いんですか?」
「あそこ・・・見えるか?」
立派な門と日本庭園のような平屋が
「あそこな?事務所なんだよ・・・だからここ・・・安いんだ
・・・その事務所移転はしたくないな・・・
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そしてついに次回はピンク色のお話を!軽めにしとく?それとも初っ端からハードなやつにしとく?
・・・乞うご期待!
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