ノンフィクション劇場☆おっさんになるまでに経験したバイトや体験談☆

ばふぉりん

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引越しのお土産

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 これは大手引越し会社にて・・・会社名は伏せさせてもらいます。

 さて本題としては、個人宅の引越しの時のあるあるですが、基本的に不用品が多々出てきます。その中には不用品であっても、まだ使えるものや未開封な物まであり・・・作業中に「これあげるよ」と言って貰う事もしばしば。そんなものの中には当然食べ物であったり玩具であったり、嗜好品である事が。そして今回のお話で貰ったのは[葉巻]です。しかも未開封で桐箱?に入って・・・上下二段で50本入り!もしかしたらこれだけで今日の給料より多いかも???
 流石にこれを持ったまま仕事はできないのでお客様が預かって(なんかおかしいな?)くれて、積み地から下ろし地へ・・・引越し自体は問題なく・・・いや、普通の引越しで考えたら問題だらけかもしれない。なぜかって?
 市内で複数箇所で引越し作業があった場合、終わったチームがまだ作業中のチームに合流していくんです。基本的に4~5人のチームにその倍・・・しかしそうなると車も多くなるので、運転手と車は営業所に帰っていく。そしてどんどん増える人員・・・それは社員もバイトも・・・そして僕のところが1番最後だったらしく・・・社員11人バイト35人・・・どこの事務所移転だよ!個人宅の引っ越しだよ!?

 そして帰り・・・人の数に対して車の数が圧倒的に少ない・・・どうする?

 答え・・・10トントラックの荷台にバイトを詰め込んで帰るが正解・・・というか、それしか手がなかったわけで・・・トラックの荷台には引っ越し資材やら廃材、引き取ったゴミ等々あるが、数台に分かれて乗ってるが、それでも10人以上いましたね・・・ダメな行為というのはわかってるんですけど、あの頃は・・・普通でしたね。
 かく言う私も隣の県位だったら、助手席や中間、寝台に座るよりは進んで『荷台でいいですよ?(毛布もあるし)』と言って、伸び伸び手足を伸ばして現地まで・・・なんてことを楽しんでました・・・っと、脱線しましたね?

 そして私は戦利品である葉巻を手にニヤニヤし、家に帰るまで我慢すればいいものをつい開封してしまい・・・薫りを楽しんでると他の会社のバイトが

 (1箇所の会社で大人数の依頼をしても、集まらなかったりと・・・なので、複数の会社に10人前後単位で募集をかけた方が、失敗が少ない。なので、私が所属していた会社とは別会社から参加のバイト)

 「お?いいもの持ってんじゃねぇか、一本くれよ」

 と・・・了承も出さない鬱に数本掻っ攫っていき・・・荷台の奥(前側)の仲間の方に行き

「葉巻じゃねぇか!」
「俺にもくれよ」
「俺も」
「俺も」
「吸おうぜ!」

 マテマテ、ここはトラックの荷台・・・隙間はあるけどタバコを吸う環境じゃないぞ?しかも周りよく見ろ!燃えるものがいっぱいだぞ!

『ガリッ!べっぺっぺ!』

 みなさん葉巻の楽しみ方はご存じですか?勿論準備の方法や道具に関しても。彼等は映画か何かで見たんでしょうね・・・そのままでは火がつきにくい端っこを噛みちぎり、吐き出し、火をつけて・・・『げっほえおほえげぇぇぇ』

 葉巻はタバコと違って肺に入れす、フカス・・・タバコで言うところの『金魚』ですかね?そして香りや匂いを楽しむ・・・なのにこいつらときたら・・・

「クッソマジィ!」
「何だこれ!」
「腐ってんじゃねぇのか?」
 
 等々口々に文句を言いながら・・・結果荷台は煙が充満し、前も見えないほどに・・・しかも密閉空間ではないので当然隙間から煙が外に漏れ・・・隣や後方を走っていた車からの盛大なクラックションの嵐の中、運転手が異変に気がついて急停車。その衝撃で荷台の数人は前側に転がっていき・・・

「熱い!」
「葉巻どこいった?」
「前が見えない!」

 なんて阿鼻叫喚の地獄絵図・・・当然ながら室内照明をつけてくれてあるのですが、煙が凄くて・・・そして内側からは開けることの出来ない荷室・・・急制動からの左車線変更と現状・・・あぁドアがな・・・ってことで、私は端っこで待機。そしてオープン・・・煙は広い空間へ逃げ出し、同時に私と数人も外に避難。社員さんが荷台の惨状を見て激怒!

 結果警察は来なかったが、夕方の主要幹線道路で大注目となりました。

 営業所になんとか戻った私たちは盛大に説教されて

「まったく・・・あんなところでタバコを吸うなんて・・・」

 ごもっともです。

「それが原因となった葉巻か?上に報告するのに証拠品がいるから没収するが・・・」

 そう言いつつも窓の外に視線を移す所長さん・・・あぁなるほど・・・そこでそっと10本ほど懐に忍ばせ・・・

「まぁこれくらいあれば十分だろ」

 よそ見してる間に持っていけ・・・それくらいにはこの会社には仕事できてるからね・・・そして後日・・・

「なぁ?葉巻吸ったのってG社のバイトか?」

「はい。どうしました?」

 どうやら後日の引っ越しの時に、梱包用資材の中から葉巻の切れ端・・・アレです・・・『ガリ!べっぺっぺ』で吐き出したやつ・・・アレが出てきて、その時のお客さまが大の煙草嫌いで・・・かなりめんどくさい問題になったそうな・・・結果G社とは完全に取引を中止しただけでなく、損害賠償云々の話にまで発展したそうです。

「と言うわけでな?上からの指示で、お客様から寸志や何かしらのお土産をもらった場合も、一度会社に報告と提出が義務となった・・・お土産はともかく寸志は・・・諦めてくれ」

 追加報酬が!!!消えるなんて・・・

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 引っ越し話別便!

上記とは別の県でのお仕事・・・会社も違います。

「今日の引っ越しはお客さん立ち会いはないから、どんどん箱に詰めてくれ!」

 なんて言う主任さん

「マテマテ!どこからそんな話になったんだ!?立ち合いはないが、は別の所に運ぶんだから、役所の人間の指示に従って作業してくれよ!」

 そう、今回の引っ越しは・・・られたお家の運び出しだ。それ以外の品も競売にかけて少しでもできるように・・・ゴミはゴミで・・・面倒な・・・お仕事でした。

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 次の引っ越し体験・・・

「今回の引っ越しは駅前で担当トラックに乗車して、4箇所に荷物を下ろして、最後は隣県の駅で下ろしてもらって終了となる」

 なんて・・・え?なんて???

 結果としては10tトラックに4家族分の引っ越し荷物(単身や家具等々)が積んであるから、お客さんのところに下ろして回る。運転手だけではきついから・・・その助手って事。そして最後は私も隣県の駅前に下ろされて、電車で帰ってこい・・・そんな依頼だった。

 トラックと合流して助手席に乗り込み、最初の荷物は・・・タイヤ4本・・・だけ??え?いいの??しかもその際に荷台を見たら・・・腰の高さで半分も埋まってない・・・楽勝???でした。2件目も自転車5台・・・引っ越しトラックに乗り切らなかったそうです。そして3件目は・・・スチールラック3本。バラせよ!そしたら乗るだろ!って・・・そして4件目ラストは・・・

「・・・なぁ?」

「・・・はい・・・」

 珍しくトラックの運転手が積荷を知らなかったらしく・・・驚愕の荷物は・・・車のでした。そして・・・引き取り者がおばあちゃんで・・・

「ヨォ~おいでなすった。これでもどうぞ」

 と、ご祝儀?を・・・1人1包・・・そして運転手さんが

「うちの会社の方針で受け取れねぇんだわ。だからお前にやるよ」

「・・・あ、ありがとうございます」

 黙ってれば・・・いや、聞いたことある。荷物に何かあった時にお客から『祝儀渡してんだから、きちんとたいおうしろ!』なんてクレームがあって、『え?もらったの?』って・・・のがあったらしい・・・って、それならおばあちゃんから受け取った時点でOUTでしょ・・・いくら私にくれたからって・・・意味ないのでは?

 そして荷物を下ろし終わるとおばあちゃんが

「ヨォ~おいでなすった。お疲れさま。これでも飲みなさい」

 と、栄養ドリンク・・・に祝儀がくくりつけられていた

「「・・・」」

 これには運転手さんと2人して目が点に・・・そして

「・・・おかしいな・・・婆さんボケてんのか?祝儀2回も出すなんて・・・まぁ、さっきも言ったがお前・・・取っとけ」

 ・・・そして手元に4包の祝儀袋・・・まぁ?って書かれてるけどね?

 そして車にのっt帰り際、ドアミラーから見たら・・・

「運転手さん・・・」

「・・・あぁ・・・まさかな・・・」

 おばあちゃんは双子でした

「ボケてはなかったようだな・・・」

 そして駅・・・

「・・・お疲れ様。気をつけて帰れよ」

 運転手さんと分かれて・・・さて、在来線で帰るのもなぁ・・・隣県だし・・・差額を自腹にして新幹線・・・は、会社と相談かな?
 それよりもおばあちゃん・・・幾ら包んでるんだろう・・・ってそれぞれの中身を確認すると

「・・・嘘でしょ?今日の日当8000円なんだけど・・・これ・・・」

 お年玉と書かれた祝儀袋の中には壱万円札が入ってました

「・・・ご祝儀だけで4万円・・・」

 これが後にも先にも最高額だった・・・

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 引っ越しネタはまだまだあるので、またの機会に
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