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こんな依頼が・・・
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これは登録会社でのアルバイトのお話。
その中のほんの一つ。
今日のお仕事は・・・『選挙の講演を聞くサクラ』
ある候補者の演説を聞く・・・それだけの簡単なお仕事。時間は2時間拘束で時給1200円・・・2400円・・・だが、これも1回とカウントされる。この登録会社は一ヶ月に働いた回数×300円の追加ボーナスが出るので、1回は1回。9時間フル出勤も4時間も今回の2時間も・・・同じ1回なのだ。
そして集まった有象無象・・・いくら聞くだけのサクラとはいえ、服装にも気をつけないか?ラメの入ったスカジャンとかニッカポッカ・・・鳶さんですか?いえ、背中に『喧嘩上等』とか・・・まだそんな人いたんですね?
今日の集合場所は直接現地ということで、某市民館前には色とりどりな頭髪と服装・・・さながら成人式の様でもあり、若者の集会の様でもあるが、今日行われるのは〇〇陣営決起集会・・・集会という意味合いでは合ってるのかな?
「君が代表者でいいのかな?」
スーツ姿の白髪の男性が話しかけてきた。
「はい。〇〇会社より派遣されてきたものです。人数はご依頼通り50名となっておりますが、申し訳ありません」
「どうかしたのかね?人数が集まらなかったとでも?」
「いえ、人数は間違いなく50名いますが、その・・・見た目と言いますか・・・素行といいますか・・・」
視線で促した先には公共道徳に欠ける数多くの・・・
歩行者の妨げとなる歩道の占拠
灰皿のない場所での煙草とポイ捨て
空き缶のポイ捨て
周囲を顧みない大声での会話
etc
「・・・まぁ、頭数と指定したのはコチラだ。多少のことには目を瞑ろう」
口元がかなりヒクついてるが・・・ボクも代表者・・・というだけで責任者ではないから・・・扱いは彼らと同じ(釈然としないけど)
「ここにいてもいたずらに周囲に影響が・・・なので、まずは施設内に入ってもらおうか。その際にこのハガキを渡すので、帰りにサインを貰ってから帰ってください。それが給与との交換となりますので」
そう言って渡されたのは、今回の立候補者の写真がプリントされたハガキ・・・そして、帰りにサインをもらう・・・これは事前に会社で説明されていたから了承はしている。
そして会場に入っていくサクラが一杯・・・そして・・・演説が始まって数分・・・最初は全員座れるのか?って位に多かった人が・・・いつの間にかガラガラに・・・原因は言わずも知れた・・・彼等だ。
演説が始まると・・・ロビーに出ていき、タバコを・・・飲み物を・・・最後には寝だす奴も・・・それが参加したサクラの殆どを占め、真面目にサクラをしていたのは、ボクを含めた四人だけだった。
「・・・他人・・・他人だ」
そう心に念じ、無事演説終了。
「お疲れ様。君達四人だけかな?仕事をきちんとしてくれたのは」
そうですね・・・会場内には後援会関係者と分かる方々の他には、僕達しか・・・そして
「君たちには追加の報酬を渡す様、先方に伝えておくから。今日はありがとう」
皮肉たっぷりに言われた。そりゃそうだろ・・・僕達に2時間で2400円が流れるって事は、登録会社にも幾らか・・・場合によっては同額?一人頭2400円が・・・つまり向こうは5000円近く払うのだから・・・もしかしたらもっと多いかも?・・・が50人分ともなれば・・・ね?
そしてロビーのでれば・・・
「・・・あれ?誰もいない?」
ロビーには数多くのゴミがあるだけで、彼等の姿は何処にもなかった。
灰皿は溢れ・・・ゴミ箱は・・・ん?まさか・・・これは・・・見せられないな・・・こっちで回収しておくしかないな・・・
そうして他の3人にも協力してもらって、館内のゴミ箱のチェックと周辺のゴミ箱を・・・そして集まった45枚の・・・
その足で登録会社に向かい、支店長と話をして・・・翌日
「お疲れ様でした。先日の選挙のお仕事のお給料ですね?」
最初の話の通りの・・・そして
「こちらが先方からの追加報酬となります」
そう言って渡されたのは封筒に入った金一封・・・登録会社との間には何かしらの話し合いがあったと思われるが、一バイトには関係のない話だ。
なんて思いつつ帰ろうとすると外が騒がしくなりガヤガヤと・・・
「この前の給料貰いに来てやったぜ」
4人の・・・
「他の後輩達の分も一緒に出してくれ」
「こうちゃんも悪いよな・・・1人500円徴収するんだろ?」
「その分俺らにも入ってくるんだからいいじゃねぇかよ」
「本当に500円で済ますつもりかねぇ?」
いや、そういった問題が過去に発生したから、給料は完全に個人単位でしか受け渡ししないんだけど・・・登録したてなんだろうね?
「それでは、サインの入ったハガキをお願いします」
「は?そんなん聞いてねぇぞ?」
「最初の登録時に説明いたしました。当日、先方から頂いたハガキに、帰る際にサインをして貰い、それと交換でお給料を出す。ハガキがないのでしたら、こちらもお給料を出すわけにはいきません」
内勤のお姉さんは何も間違った事は言ってないね。
「はぁ!?」
「そもそも、あなた方は本当にお仕事として会場に行かれたのですか?そう言った確認のためでもあるハガキを・・・どうされたのですか?」
内勤の方々には当日のうちにハガキが捨てられていた事や、4人以外誰も演説を聞いていないことや、周辺での迷惑行為の数々も報告済みだ。当然先方からも同じ様なクレームが入っているので情報の擦り合わせもスムーズに・・・もしかしてこの金一封って・・・コイツらに支払われるはずだった給料の一部なんじゃ?
「それと、先程おっしゃっていた他の方々の分も一緒に・・・というのは規約上無理なので、各人ハガキを持ってくる様お伝えください。他の業務もありますので、ハガキがないのであればお引き取りください。
それと、給与支払い期限は明日までとなっておりますので、ハガキを探すのであれば、お早めにお願いいたします」
あちゃーかな~り怒ってるねぇ~
現場での点呼リーダーとか先方との挨拶等々を熟す・・・まぁボクも片足半分内勤に突っ込んでるのと一緒だから、事務所内の人たちとも仲は良い。
ブツブツ言いながら彼等は帰って行ったが・・・
「アネさん・・・探すならって、そのブツは当日のうちに僕らが持って帰ったの知ってるじゃん・・・」
「ふふふ。アイツら今頃必死になって探してるんじゃないかな?既にクレーム処理等々で一生手元に入ってくるはずもないのにね?」
わっるい顔だ・・・カウンター業務だけあって美人なのが・・・余計に迫力を増しているけど・・・
なんて話してると
「これで良いんだろ!」
彼等がものすごい勢いで・・・
「ハガキですか?拝見いたします・・・こちらはどこで拾ったのですか?」
「はぁ!?お、俺らが持ってたものに決まってんじゃねぇかよ!おら、さっさと給料出せよ!45人分だ!」
「ですから、まとめるのはできないと・・・そもそもこのハガキではお給料は出せませんよ?」
そりゃね・・・それタダのハガキだし・・・どこに顔がプリントされてるんだい?
急いで買ってきたんだろうね・・・
「にいちゃんにいちゃん?」
僕は追い打ちをかけるように話しかけ
「今回の給料と交換に必要なハガキってのはこういったヤツなんだよ?どう頑張っても無理だから、諦めなよ」
僕の持つハガキを見てもうダメだと悟った彼は、何か喚き散らしながら・・・別件の給料を取りにきていた建築現場系に拉致されて外に廃棄されていった。
「・・・登録するのに来る者拒まず・・・でもさ?もう少し考えよーよ?」
「今回は急だったから仕方なく・・・いつもなら最低ラインを設けてますから!」
◇記念すべき最初のお話・・・これ、本当にあったんですよ?派遣会社?にサクラを依頼する時点で・・・この陣営も・・・ねぇ?◇
その中のほんの一つ。
今日のお仕事は・・・『選挙の講演を聞くサクラ』
ある候補者の演説を聞く・・・それだけの簡単なお仕事。時間は2時間拘束で時給1200円・・・2400円・・・だが、これも1回とカウントされる。この登録会社は一ヶ月に働いた回数×300円の追加ボーナスが出るので、1回は1回。9時間フル出勤も4時間も今回の2時間も・・・同じ1回なのだ。
そして集まった有象無象・・・いくら聞くだけのサクラとはいえ、服装にも気をつけないか?ラメの入ったスカジャンとかニッカポッカ・・・鳶さんですか?いえ、背中に『喧嘩上等』とか・・・まだそんな人いたんですね?
今日の集合場所は直接現地ということで、某市民館前には色とりどりな頭髪と服装・・・さながら成人式の様でもあり、若者の集会の様でもあるが、今日行われるのは〇〇陣営決起集会・・・集会という意味合いでは合ってるのかな?
「君が代表者でいいのかな?」
スーツ姿の白髪の男性が話しかけてきた。
「はい。〇〇会社より派遣されてきたものです。人数はご依頼通り50名となっておりますが、申し訳ありません」
「どうかしたのかね?人数が集まらなかったとでも?」
「いえ、人数は間違いなく50名いますが、その・・・見た目と言いますか・・・素行といいますか・・・」
視線で促した先には公共道徳に欠ける数多くの・・・
歩行者の妨げとなる歩道の占拠
灰皿のない場所での煙草とポイ捨て
空き缶のポイ捨て
周囲を顧みない大声での会話
etc
「・・・まぁ、頭数と指定したのはコチラだ。多少のことには目を瞑ろう」
口元がかなりヒクついてるが・・・ボクも代表者・・・というだけで責任者ではないから・・・扱いは彼らと同じ(釈然としないけど)
「ここにいてもいたずらに周囲に影響が・・・なので、まずは施設内に入ってもらおうか。その際にこのハガキを渡すので、帰りにサインを貰ってから帰ってください。それが給与との交換となりますので」
そう言って渡されたのは、今回の立候補者の写真がプリントされたハガキ・・・そして、帰りにサインをもらう・・・これは事前に会社で説明されていたから了承はしている。
そして会場に入っていくサクラが一杯・・・そして・・・演説が始まって数分・・・最初は全員座れるのか?って位に多かった人が・・・いつの間にかガラガラに・・・原因は言わずも知れた・・・彼等だ。
演説が始まると・・・ロビーに出ていき、タバコを・・・飲み物を・・・最後には寝だす奴も・・・それが参加したサクラの殆どを占め、真面目にサクラをしていたのは、ボクを含めた四人だけだった。
「・・・他人・・・他人だ」
そう心に念じ、無事演説終了。
「お疲れ様。君達四人だけかな?仕事をきちんとしてくれたのは」
そうですね・・・会場内には後援会関係者と分かる方々の他には、僕達しか・・・そして
「君たちには追加の報酬を渡す様、先方に伝えておくから。今日はありがとう」
皮肉たっぷりに言われた。そりゃそうだろ・・・僕達に2時間で2400円が流れるって事は、登録会社にも幾らか・・・場合によっては同額?一人頭2400円が・・・つまり向こうは5000円近く払うのだから・・・もしかしたらもっと多いかも?・・・が50人分ともなれば・・・ね?
そしてロビーのでれば・・・
「・・・あれ?誰もいない?」
ロビーには数多くのゴミがあるだけで、彼等の姿は何処にもなかった。
灰皿は溢れ・・・ゴミ箱は・・・ん?まさか・・・これは・・・見せられないな・・・こっちで回収しておくしかないな・・・
そうして他の3人にも協力してもらって、館内のゴミ箱のチェックと周辺のゴミ箱を・・・そして集まった45枚の・・・
その足で登録会社に向かい、支店長と話をして・・・翌日
「お疲れ様でした。先日の選挙のお仕事のお給料ですね?」
最初の話の通りの・・・そして
「こちらが先方からの追加報酬となります」
そう言って渡されたのは封筒に入った金一封・・・登録会社との間には何かしらの話し合いがあったと思われるが、一バイトには関係のない話だ。
なんて思いつつ帰ろうとすると外が騒がしくなりガヤガヤと・・・
「この前の給料貰いに来てやったぜ」
4人の・・・
「他の後輩達の分も一緒に出してくれ」
「こうちゃんも悪いよな・・・1人500円徴収するんだろ?」
「その分俺らにも入ってくるんだからいいじゃねぇかよ」
「本当に500円で済ますつもりかねぇ?」
いや、そういった問題が過去に発生したから、給料は完全に個人単位でしか受け渡ししないんだけど・・・登録したてなんだろうね?
「それでは、サインの入ったハガキをお願いします」
「は?そんなん聞いてねぇぞ?」
「最初の登録時に説明いたしました。当日、先方から頂いたハガキに、帰る際にサインをして貰い、それと交換でお給料を出す。ハガキがないのでしたら、こちらもお給料を出すわけにはいきません」
内勤のお姉さんは何も間違った事は言ってないね。
「はぁ!?」
「そもそも、あなた方は本当にお仕事として会場に行かれたのですか?そう言った確認のためでもあるハガキを・・・どうされたのですか?」
内勤の方々には当日のうちにハガキが捨てられていた事や、4人以外誰も演説を聞いていないことや、周辺での迷惑行為の数々も報告済みだ。当然先方からも同じ様なクレームが入っているので情報の擦り合わせもスムーズに・・・もしかしてこの金一封って・・・コイツらに支払われるはずだった給料の一部なんじゃ?
「それと、先程おっしゃっていた他の方々の分も一緒に・・・というのは規約上無理なので、各人ハガキを持ってくる様お伝えください。他の業務もありますので、ハガキがないのであればお引き取りください。
それと、給与支払い期限は明日までとなっておりますので、ハガキを探すのであれば、お早めにお願いいたします」
あちゃーかな~り怒ってるねぇ~
現場での点呼リーダーとか先方との挨拶等々を熟す・・・まぁボクも片足半分内勤に突っ込んでるのと一緒だから、事務所内の人たちとも仲は良い。
ブツブツ言いながら彼等は帰って行ったが・・・
「アネさん・・・探すならって、そのブツは当日のうちに僕らが持って帰ったの知ってるじゃん・・・」
「ふふふ。アイツら今頃必死になって探してるんじゃないかな?既にクレーム処理等々で一生手元に入ってくるはずもないのにね?」
わっるい顔だ・・・カウンター業務だけあって美人なのが・・・余計に迫力を増しているけど・・・
なんて話してると
「これで良いんだろ!」
彼等がものすごい勢いで・・・
「ハガキですか?拝見いたします・・・こちらはどこで拾ったのですか?」
「はぁ!?お、俺らが持ってたものに決まってんじゃねぇかよ!おら、さっさと給料出せよ!45人分だ!」
「ですから、まとめるのはできないと・・・そもそもこのハガキではお給料は出せませんよ?」
そりゃね・・・それタダのハガキだし・・・どこに顔がプリントされてるんだい?
急いで買ってきたんだろうね・・・
「にいちゃんにいちゃん?」
僕は追い打ちをかけるように話しかけ
「今回の給料と交換に必要なハガキってのはこういったヤツなんだよ?どう頑張っても無理だから、諦めなよ」
僕の持つハガキを見てもうダメだと悟った彼は、何か喚き散らしながら・・・別件の給料を取りにきていた建築現場系に拉致されて外に廃棄されていった。
「・・・登録するのに来る者拒まず・・・でもさ?もう少し考えよーよ?」
「今回は急だったから仕方なく・・・いつもなら最低ラインを設けてますから!」
◇記念すべき最初のお話・・・これ、本当にあったんですよ?派遣会社?にサクラを依頼する時点で・・・この陣営も・・・ねぇ?◇
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