文バレ！①

第三章 初心者がやってきた！

中間地点

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　歌仙高校とは時期をまたいで七度にも渡り練習試合を行ったが、何度やろうと俺たちの勝ちだった。しかしやつらは確実に、実力を伸ばしてきている。想定外に点を取られることも増えてきた。今年の全国大会は、去年より十四校増え、総勢六十四校でのトーナメント形式で六回戦まで行われるという。少なくとも歌仙は、二回戦までは残ってきそうだ。
　聖コトバ学院ともつい先日、再び長戦をした。
「前回の侘びとして、どうしてもやり直しておきたいのです」
　とミカエルが懇願してきたので受けてやったのだが、最高のぶつかり合いだった。国語便覧に則った頭脳戦が繰り広げられ、あと一歩だったというのに、三対二で負けてしまった。
「全国大会でも同じ目にあわせてさしあげますよ。フフッ」
　そう満足気に笑われたので、絶対にさせねえ！
　ちなみに、去年の全国一位だった万葉高校はと言うとだ。練習試合の依頼を受けてくれたのは結局あの一度きりで、二度目はなかった。依頼の電話をする度に、時間の無駄だと大爆笑で断られている。全国大会で打ち負かせ、断った日々を絶対に後悔させてやるつもりだ。
　そして十一月の始め。俺たちのＯＢである欅平翼さんが、推薦で日生大に受かった。その朗報は、職員室前の掲示板に堂々と掲載されている。彼氏に先を越されたプレッシャーのせいで、美々実さんのテンションが普段に増しておかしくなったとキリから聞いた。彼女は年明けに行われるセンター入試で、日生大を受けるらしい。
　こうして、二千百十二年は幕を閉じた。
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