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6巻
6-1
しおりを挟む1 竜に対抗する者たち
アルタイラ教会お抱えの法術士サエリの姿は神託の座にあった。
普段そこにいるのは教会のトップばかりだ。ここは、サエリのような下級職の者が訪れられる場所ではない。
では、なぜ彼女が神託の座にいるのか。
それは、彼女が遺跡の奥底に眠る「少女体」を回収して戻ってきたからである。そのため、巫女が面会を求めてきたのだ。
巫女とは、教会の中枢であり、サエリにとっては雲の上の存在である。
当初、サエリは自分の功績が評価されたのだと舞い上がっていたが、実際に、教会のトップと顔を合わせてみると、そんな高揚に冷水をぶっかけられる思いだった。
そのトップの一人である老人がサエリに問う。
「それでお主、あれをなんと見る」
「は……」
普段は隅々まで光に溢れている広い空間であったが、今は暗く深い闇が支配していた。荘厳さよりも恐怖が場を満たしている。
ひたすら平身低頭するサエリ。
彼女の前には、二人の人物がいた。
一人はサエリを呼び出した当人の巫女。そして、もう一人は教会の最高権力者、紫の法衣を纏った老人、グウィネス・クッレルヴォ大司教である。
グウィネスが再びサエリに告げる。
「お前を呼び出したのは、実際にその場を見た者の感想を聞きたくてな。そう畏まることはない。正直に申してみよ」
グウィネスの目は冷徹にサエリの頭に注がれている。穏やかな言葉に反し、グウィネスからは一言も聞き逃すまいとする獰猛な気配が漂っていた。
サエリの返答を待たぬまま、さらにグウィネスは続ける。
「お主が帰ってきたあと、我らは追加の調査部隊を出したのだが、彼らが見たのは尽く破壊されたゴーレムの残骸ばかりだった」
サエリは、リキオーたちがゴーレムの群れを僅か三人と一匹で駆逐してみせたのを鮮明に思い出す。
それは、彼女自身、目にしていながらも信じられない光景だった。
「話せぬのか……もしそれが、たかが冒険者風情の輩に為されたとすれば大事ぞ。前線で我らの力をアテにしている兵士たちに申し訳が立たぬ。もう、よい。お主は何も見なかったのじゃ。無論、お主の働きには相応の褒美を取らせよう」
あの悪夢を公言するなと言われても、それをしないのは至極当然だ。あんなものを信じる方が馬鹿げていると思う。それに、身の振り方は心得ている。
結局、サエリはほとんど何も口にすることなく、その場を下がった。
サエリがいなくなると、今まで気配を消していた三人目の人物が現れ、ぞんざいな口調で大司教に語りかける。
「それでどうするんです。そいつらは監視が必要なのでしょう?」
白銀の鎧を纏ったその騎士は、神殿騎士団の一角、西方騎士団の団長であるアリヴィアンだ。
長髪を掻き上げ、巫女にやに下がった視線を向けているが、当の巫女は彼の視線を完全に無視している。
グウィネスが厳かに告げる。
「監視はヴェロニカの手の者にやらせる。お前は今回発掘された統御体を始動させよ」
「へいへい」
西方騎士団は遺跡から引き揚げられた遺物を復元し、それを戦線へ投入することで名声を得、今の地位を築いてきた。
今までゴーレムは一体ずつしか使役できなかったが、統御体が始動すればゴーレムを部隊として動かすことが可能となる。
ゴーレム一体で、ヒト族の一個小隊四十人の戦力に相当する。それが何体も纏まって戦線に投入されれば、長引く獣人との戦争にも大きな変化が訪れるだろう。
アリヴィアンが退室していくのを見送ると、それまで黙っていた巫女が誰に問うでもない様子で言葉を紡ぐ。
「それにしても、その冒険者の輩というのは何者なのかしら?」
「さて。冒険者風情が何者であろうと、気にすることもなかろう」
大司教はそう一言だけ興味なさそうに呟くと、その場を去っていった。
暗い室内に一人残された巫女は、ほっそりとした二の腕を撫でながら暗い笑みを浮かべる。元が壮絶な美女であるだけに、いやに妖艶な表情だ。
闇に呑み込まれていた彼女の姿が、急に光りだす。
「ククッ、竜どもめ。おこがましいわ」
光の中でそう笑い声を上げたのは、女の声ではなかった。
教会において権力の半分を担う巫女、フィニアース。
勿論ただの巫女風情が、事実上アルタイラ軍の権力を握る大司教に対し、対等に振る舞えるはずもない。
しかし、なぜフィニアースにそれが可能なのか。
そもそも巫女という存在は、魔力耐性が強く、依代としての力を期待されている。
彼女たちの中には、ヒト族にとって信仰の対象である御遣いをその身に宿らせた者たちがいるのだ。そうした者たちは降臨者と呼ばれている。
彼女たちは、普段は隠しているものの、いざとなれば、常人では対面して平気で立っていられないほどのオーラを纏うことができる。
尤も降臨者の存在を知る者は、教会や軍でもトップのごく一部の者たちだけだが。
フィニアースの中身は、十三番目の御遣い、ドラガンであった。
本来、御遣いは十二人しかいない。ドラガンは十二人の御遣いたちによって生み出された、新しい使徒だった。
しかしドラガンは、御遣いたちに反感を抱いていた。
創世神ユーゼルを囚えたのは、ドラガンなのだ。
御遣いは「存在と無」の力を持っている。その力においては名前こそが能力を示す。ゆえにドラゴンに似たその名前を持つドラガンは、竜の力を行使できる。
そもそもそのためだけに、ドラガンは作られた。
こうした事情があり、十二人の使徒たちはドラガンを下に置こうとしていたが……
「奴らとていずれ……」
ドラガンは、人知れずたくらみを深めるのだった。
2 新しい仲間
リキオーはハヤテを連れて森へ来ていた。
先日の遺跡でのゴーレムとの戦闘で、リキオーはハヤテの攻撃の変化に気づいた。
ハヤテの攻撃はどちらかと言えば直線的だったが、それが柔軟でしなやかな動きを見せるようになっていたのだ。しかし、ハヤテ自身に変わった様子はない。
頭を垂れ、リキオーにおもねるような視線を向けてくるハヤテ。彼の首をガシガシと荒く掻き上げてやりながら、リキオーは優しい眼差しで告げる。
「ハヤテ、見せて」
「クゥン」
ハヤテは主の声に応えて一声啼くと、前に投げ出した前足の上に頭を乗せた。
すると、それはにゅうっと彼の影の中から現れた。
ハヤテの白い体と対照的な真っ黒の体。雄ライオンのようなフサフサの毛並みをしているハヤテに対して、しなやかな体つきをしている。容貌は狼のようで、ハヤテと並んでも遜色ない体格だ。
リキオーはこの獣と面識があった。
「お前か。エギ・セブリス」
リキオーたちとかつて一戦を交えた黒い獣である。
エギ・セブリス。それは神の名前であり、リキオーがこの世界で初めて訪れた森を守護していた神獣だ。
気高い眼差しが真っ直ぐに見つめてくるが、以前会ったときと比べると存在感が薄い。
リキオーが、ハヤテにそうするように手を伸ばして顎のラインを撫で上げると、それは嫌がりもせずされるがままにしていた。
ハヤテは頭を伏せたまま、リキオーとその獣にチラチラと視線を向けている。
リキオーが試すように問う。
「いいのか? 仮にも神の一柱であったお前がヒトの手に下ることになるのだぞ」
黒い獣はリキオーの目を真っ直ぐに見返してくる。リキオーにもその決意が見て取れた。
今度はハヤテの方へ視線を移す。
「ハヤテ、お前の選んだものに俺が難癖をつけると思ったか?」
ハヤテは頭を上げてリキオーを見つめ、期待に目を輝かせている。
リキオーが頷くと、ハヤテは主に頭を擦り寄せてくる。いつものようにガシガシと掻いてやり、リキオーは再び黒い獣に向き合った。
「いいんだな?」
黒い獣は頭を下げた。
それは、彼のテイムを受け入れ、神の座からヒトのペットに堕ちることを意味していた。
リキオーは拳を黒い獣の頭に押し当ててテイミングを開始する。
すると、すぐに変化は訪れた。
しなやかな黒い獣の体躯に青い輪郭の光のラインが現れ、ブワッと濃厚な存在感が溢れてくる。それは以前、その黒い獣と戦ったときのようだった。
「よし! お前は今日から楓だ」
リキオーがそう命名すると、ハヤテは体を起こす。そして喜びを露わにして「オウッ、オウーン」と高らかに吠えた。
銀狼団に新しいメンバーが加入した瞬間だった。
***
リキオーがハヤテと「カエデ」と命名した黒い獣を伴って屋敷へと帰ってくると、剣術道場へ行っていたマリアと顔を合わせた。
リキオーがマリアに声をかける。
「よう、今、帰りか。あ、こっちはな――」
「おう。お前はやっと出てきたのか」
そうカエデに声をかけたマリアは、以前からその存在を知っていたかのような口振りである。
そんな気安さでマリアはカエデに手を伸ばすと、突き出された鼻先を愛おしそうに撫でた。カエデも知己のようにマリアに身を委ねて目を細めていた。
奥からアネッテも顔を見せると、カエデの前に腰を下ろした。そして、しなやかなカエデの体を抱きしめる。カエデは目を細めてアネッテに身を預けた。
「歓迎するわ。フフ。そう、カエデというのね。素敵な名前だわ」
「お前たち。こいつのこと知ってたのか? 俺はさっき知ったばかりだぞ」
リキオーがムッとした口調で言うと、マリアとアネッテは互いに視線を合わせた。
「だって、ねえ」
「うむ。ご主人はニブいからな。もうずっと前からハヤテはカエデとともにいたぞ」
「な、なんだとぅ」
顔を見合わせてクスクスと笑い声を立てる女性陣に対し、一人リキオーは、ガーンとショックを受けてうなだれていた。
すっかり打ち解けた様子のカエデとメンバーたち。ハヤテもパタパタとしっぽを振って、アネッテとマリアに歓迎されているカエデを嬉しそうに見つめていた。
夕食の席でカエデはハヤテと並んでいたが、その存在感は段違いだった。
そこだけ墨を落としたような静謐な高貴さを湛えているのだ。
ハヤテがやんちゃなせいか、対照的な落ち着きぶりが大物らしい雰囲気を振り撒いている。さしずめしっかり者の姉と落ち着きのない弟といった感じだ。
カエデのステータスは、テイムされたことによりレベル1になってしまったが、最初からハヤテとほぼ同等な値であった。さらに、初めからスキルを獲得していた。
ジョブはハヤテと同じ剣狼であり、ハヤテがエギ・セブリスを取り込んだときに手に入れたスキル【眷属化】をすでに有している。
面白いのは【隠形】と【透刃】という特殊スキルを持っていることだ。
【隠形】で、カエデはハヤテの影に入ることができる。【透刃】というのは【隠形】時に影の中から攻撃するテクニックらしい。
そして今回わかったことだが、【眷属化】を発揮すると二人の敏捷値が大幅に上昇し、また別のスキルが解放されるようなのだ。しかし【???】と表示され、それが何かはわからない。
女性陣は、新しい家族になったカエデとスキンシップを取りたくてウズウズしている様子だった。それを察してか、カエデが自分から距離を狭めてくる。すると、マリアは少し距離を置いて慎重だったが、アネッテはガバッと抱きついた。カエデはアネッテの抱擁に抵抗せず身を任せる。
「ハヤテさんもいいけど、カエデも素敵よ」
「うん。カエデはとても綺麗だな。勿論ハヤテの毛並みも気持ちいいけど」
ハヤテは、そう言うリキオーに頭を抱えられ満足げだ。
今までカエデの存在をリキオーに黙っていて罪悪感を持っていたハヤテだったが、受け入れられたので心配がなくなったらしかった。
***
翌日、早速カエデを交えた連携の練習とレベル上げも兼ねて、パーティで狩りに出る。
受注したのは、ギルドで常時討伐依頼の出ている河原のゴブリン退治だ。ゴブリンは繁殖力が高く、放置しておくとすぐに増えて畑などに被害が出るのだ。
ヒトのレベル1であればゴブリン相手は厳しいが、カエデの場合、最初から強力なスキルを持っているので問題はない。
狩りに出る前に、カエデにもハヤテと同じネックレスを着けてやる。
一見してテイムされたペットだとわかるようにしておかないと、魔獣と勘違いされて冒険者に狩られたり、衛兵を呼ばれたりしてしまうからだ。
彼女の黒い毛並みと金色のネックレスが、非常に美しいコントラストを描いている。
カエデにもハヤテの前足に嵌めたブレードソーンのような武装が欲しいところだが、彼女にはスキル【透刃】があるので問題ないだろう。それにカエデの場合、【隠形】によって影に入って移動できるので回避力も高い。
「カエデ、俺たちの影に入ることはできないのか?」
聞いてみたが、彼女自身どうやらよくわからないようだ。ただ、ハヤテの影に入るのはいつでも可能で、後方にいても自由自在なのは便利だ。
カエデと一緒に狩りができるのが嬉しいらしく、ハヤテははしゃいでいる。そんな彼がバッシバッシとゴブリンを血祭りに上げているので、他のパーティは手持ち無沙汰だった。
カエデはリキオーたちと一緒にじっとしているだけで、メキメキとレベルが上がっていく。
「ハヤテは元気だなあ」
マリアが呆れがちにそう呟いて盾を下ろす。完全に戦闘を諦めている様子だ。
「今までマスターに打ち明けられなくて悩んでたから」
「教えてくれないなんて、俺ってハヤテから信頼されてないのか?」
リキオーがアネッテとマリアに顔を向けるが、二人ともさっと目を逸らす。なぜか無性に腹が立つとともに、内心傷つくリキオーだった。
3 イスカレイネ・その1
荒涼とした大地。一面が黄色く、岩でゴツゴツとして乾ききっている。ビョウビョウと風が荒れ狂う音以上に、妙な異音がどこからか聞こえてくる。
ゴァァァァォォォゥ。
それは獣の恐ろしい咆哮のようだ。
深い、そして広い縦長の闇。そこから響く声。まるで大地の奥底に閉じ込められことに対する怨嗟のようでもある。
その声を聞く者は必ず足を止め、魂の審判を受けるのだ。爪の前に跪くか、それとも恐怖の前に牙を突き立てるかを。
ここは地獄の一丁目。底なしの地獄の穴、イスカレイネ。
***
リキオーたちは今、クエストのついでという体を取り、東の遺跡地帯を進んでいた。
というのも、先日、遺跡から少女体を運び出したことで、自分たちに課せられた本当の使命を思い出したからである。
彼らはシルバニア大陸に渡ってきて以来、がむしゃらに駆けてきた。
とはいえ、使命をあと回しにもしてきた。それというのも、この大陸は彼らが元いたモンド大陸と違ってあまりにも広大なので、移動するだけで骨が折れるのだ。さらに彼らにとって不運だったのは、彼の生活魔法ワープでモンド大陸にある彼らのホームに戻れなくなったことだ。
リキオー一人なら、移動距離が長くて休む場所がなくても、せいぜい馬車に長時間揺られてお尻が痛いとこぼす程度だったろう。しかし彼には、信頼し愛する家族がいる。そのために休息する場所が必要だった。そこで彼は、ヒト族の住むシルバニア大陸最大の都、アルタイラにそれを求めざるをえなかったのだ。
ともかくこんなふうに日常を取り戻すのに必死で、この大陸に来た目的も曖昧になりつつあったのだった。ところがカエデが仲間になったことで、モンド大陸、さらには水竜イェニーについて連想的に思い出した。
イェニーから与えられたのは「他の竜に会ってこい」というお達しである。
なお、他の竜の居場所に関しての詳細な情報は、イェニーから直接受け取っている。
モンド大陸には、水竜と火竜がいた。このシルバニア大陸には、黒、緑、そして金の竜がいるという。
そして、VRMMO『アルゲートオンライン』の知識から、シルバニア大陸に竜がいるとすればここしかないとリキオーが考えたのが、今から向かおうとしている、底なしの地獄の穴、イスカレイネなのである。そこは先日指名クエストで訪れた、古戦場エンドルフィアのフィールドダンジョンを越えたところにあるのだ。
ギルドによる洞窟タイプのダンジョンの調査依頼もあり、ここまで足を伸ばす冒険者も珍しくはない。さらにリキオーたちが遺跡からの発掘品を持ち帰ったことで、冒険者たちの間に一攫千金を狙うムードが高まっていた。ギルドのクエストを受けなくても、この地で活動する冒険者も増えているらしいという情報もあった。
アネッテがリキオーに尋ねる。
「それで私たち、どうやって行くんですか?」
「あー。とりあえず目指すべきは古戦場エンドルフィアだな」
リキオーの生活魔法ワープでは、彼らのホームであるフェル湖の屋敷に戻れなくなったが、大陸内の移動なら全く問題ない。
一行は、エンドルフィアに向かうルートの途中で、他人の目を避けるために道を外れた森に入った。
「ようし、ここからは一気に飛ぶぞ」
リキオーが目の前の何もない空間に手刀でスッと裂け目を入れる。すると、波のように動く鏡面が現れ、たちまち人一人が入るには十分な大きさになった。
リキオーが先に入るように促すと、ハヤテが「ワウッ」と一声吠えて自分の影の中にいるカエデもろともジャンプして入った。
アネッテとマリアは、互いに牽制し合っていていつまでも動かない。リキオーは嘆息すると、二人の手を取って引っ張る。
「お前たち、何をやっとるんじゃあ。ほら、さっさと行くぞ」
「あン、そうじゃなくてですねぇ」
「う。ご主人と二人で……」
二人のジト目を受けながらも、リキオーは二人を先に行かせる。そして最後に一人で鏡面に飛び込んだ。
鏡面の向こうは、つい先日も訪れたダンジョン入り口のキャンプ地にほど近い場所である。
ハヤテと彼の影から出てきたカエデは、すでに周辺の警戒をしてくれていた。鏡面から現れたリキオーを目にすると二匹とも駆け寄ってくる。
「何もなかったか? ありがとうお前たち」
リキオーはハヤテとカエデの首の後ろを撫でてやった。
カエデもここまで来れば、人目を気にする必要もないため、ハヤテの影から出ていることにしたようだ。
「ここから先はフィールドタイプのダンジョンだな。全員、戦闘準備。マリア、前に立て」
「うむ」
マリアに声をかけると、リキオーもローブを脱いで、気持ちをシフトチェンジして一気に戦闘態勢になった。
アネッテも準備を始める。最近では彼女もリキオーが教えたゲーム機能であるインベントリを使うことに抵抗がなくなったようで、着替えなど装備品を出し入れしているらしい。
それでもさすがに人前で服を脱ぐのは憚られるので、その際は、リキオーに土魔法で簡易な着替え部屋を作ってもらっていた。
今回はマリアもそれを利用して、アヴァロンアーマーフルセットで出てきた。
「ハヤテは先に行け。カエデはマリアと一緒に。俺は殿に就く」
「はい」
ハヤテが、ハッハッと息を吐き出しながら飛び出していく。カエデはリキオーをチラッと振り返り、彼が頷くのを確認してから、すぐに前方を見据えた。
ちなみに先日のパワーレベリングで、カエデはレベル5になった。ゴブリンを討伐した程度ではそれくらいまでしか上がらなかったが、ここは戦闘の最前線である。他の銀狼団メンバーにとっても経験値的にちょうどいい魔物が出る。
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