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第一章
9 この人、アルファだ
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「蛇よりもその服装に気をつけた方がいいと思いますよ」
「ん?」
咥え煙草のテトは片手で前髪をかきあげる。視線だけこちらに向ける様は色っぽく、きっと邸宅の女性陣は彼に色めき立っているのだなと内心にする。
「シャツもズボンも、半端な丈でしょう」
「暑いからな。今日は良い天気だ」
「良い天気ですね。ちょっと失礼」
「うおっ」
呑気に朗らかな笑みを浮かべるテトを流し、ユリアンは身を屈めて彼のふくらはぎを確認する。するとやはりと言うべきか、ふくらはぎに黒い点が張り付いている。
「何? どうした?」
「食われてます」
ユリアンは彼の足元で両膝を抱えたまま顔だけ上げてテトへ向けた。
テトはきょとんと目を瞬かせる。が、何かに気付いたのか彼も同様にしゃがみ込んだ。そうして自身のふくらはぎを見ると、
「えっ、何!? 何だこれ!?」
「マダニです」
「マダニ!?」
しかも珍しいタイプのマダニだ。ユリアンは好奇心で目を輝かせて、テトのふくらはぎに顎で食いつく小さなマダニにじっと見入った。
マダニは基本的に鹿に寄生して生息している。この辺は鹿もやってくるのでマダニがいてもおかしくはない。が、色がルーランド王国で見られる種類とは違って、若干薄い。もしや、公爵邸の騎士団のせいか? 戦争で他国へ出兵するので彼らが外来性のマダニを運んできたのかもしれない。となると、休戦中ではあるが敵国のベルマニア王国産の可能性がある。もしそうならマダニが媒介する病気も特殊に違いない。何にせよ、これは、
「あの蛇なんかよりよっぽど危険ですよ。マダニに噛まれて発症する感染症に、三割の確率で死ぬ病気があります」
「し、死ぬ!?」
広大とはいえ公爵邸で働いていてマダニを知らないとは、普段はよっぽど邸宅から出てこないのだろう。
ユリアンは立ち上がり、膝を抱えるテトを見下ろした。
「大丈夫です。さっさと取り除いて薬を飲んでおきましょう」
「俺、死ぬのか!?」
「傷口を放置して感染症に罹った場合です。発症すると三割の確率で、死にます」
「死ぬ!?」
テトは愕然として煙草を唇に挟んだ。喫煙者は不思議なもので、動転すればするほど煙を吸い込む傾向がある。それもよっぽど毒なのにな。
ユリアンはテトを小屋へ招待することにした。今はまだ顎が肌に食い込んでいる程度だがそのうち頭を突っ込んでくる。そうなる前に取り除くべきだ。
かわいそうに、震えながら小屋にやってきたテトは、長いこと邸宅で働いているらしく小屋に見覚えがあるようだった。
「ここには昔、ベンノが住んでいたと思うけど。今はジュリが住んでるんだな。ジュリはベンノの弟子なのか?」
「まぁ、そんなようなものです」
「へぇ!」
テトは懐かしむように声を弾ませた後、ふくらはぎを見下ろしてまた泣きそうに怯える。
ユリアンは救急箱から、木の枝を尖らせて作った器具と薬草を煎じた消毒液と塗り薬を取り出した。と、その時になって気付いた。
――テトは、アルファ性だ。
広い庭にいたから匂いを感じ取れなかった。こうして小屋に二人きりになるとよく分かる。
エラ含めた使用人達やベンノがベータ性なので、最近はチョーカーをしていない。ロドリックも留守にしているから、アルファ性と出会うことはないと油断していた。
どうしよう。今からチョーカーを付けるか? だがそれでは自分がオメガ性だと教えるようなもの。テトは命の危機に動揺しているし匂いなんか気付かないはず。
ひとまず今は、マダニを処理しよう。ユリアンは器具とコップ一杯の水を持って、窓際の椅子に腰掛けるテトの前に膝をつく。
「痛いですよ。我慢してくださいね」
「あ、あぁ……」
慎重にマダニを取り除くが、やはり痛みを伴うのでテトは苦しげに顔を歪めた。やがて無事に処理は完了し傷口を消毒する。体の一部が皮膚に入り込んでいる様子もない。栄養剤を水に溶かしてかき混ぜながら、「もう大丈夫ですよ」と言うと、テトはホッと安堵の表情を見せた。
「ありがとう。助かった」
「この辺に来るなら皮膚の隠れる服を着てくださいね」
「そうするよ」
さて、どうしようかな。
アルファ性の人間は警戒した方がいい。ユリアンはヒートがこないオメガ性だけれどもしものことがある。
用事は済んだし小屋から出て行ってもらおう。どう切り出すか迷っていると、いきなりテトが「あっ!」と声を上げた。
「この箱の中に何かいるぞ」
「あ」
テーブルにはマルクスの箱を置いたままだった。カサカサ中から音がするので気になったらしい。
うっかりしていて、箱を隠すのを忘れていた。立ち上がったテトが箱の側面を興味深そうに観察する。ユリアンはすぐさま言った。
「珍しい昆虫を捉えているだけです。テトさん、仕事があるのでは?」
「今は休憩中だ。それより敬語はやめてくれよ。俺の命の恩人だろ」
「でも年上ですよね」
「構うものか。で、珍しい昆虫って?」
「ええっと……」
口籠ると、テトは黄金の瞳をこちらに向け、じっとユリアンを見据えた。
その眼差しの鋭さには覚えがあった。その正体を探る前に、テトが言う。
「安心してくれ。俺はアルファ用の抑制剤を飲んでるから」
「えっ」
予想外の発言に思わず声が出る。テトは相好を崩し、「ジュリはオメガだろ?」と呆気なく指摘する。
図星を突かれて閉口すると、テトはさらっと続けた。
「薬を飲んでるから大丈夫だ。以前、ヒートになったオメガの娘を看護したこともある」
「……僕がオメガだって分かってたんですか?」
「匂いでね。ただ、それどころじゃなかったから」
テトは言って自身の足を指差した。
意外だったのは自分に匂いがあることだ。ヒートもまともにこない欠陥品のオメガのくせして、一丁前に匂いは発しているらしい。自分では全く分からなかった。不安になるが、テトは軽く首を横に振る。
「別に臭いとかじゃないよ」
「あ、はい……珍しいですね。アルファの方が薬を飲むなんて」
「義務だろ」
「……」
「それより敬語はやめてくれって」
ユリアンはまた唇を一文字に引き結び黙り込む。義務だと断言するアルファの男を、人生で初めて見た。
世の中では、アルファを惑わすオメガが悪とされている。アルファの父もオメガの実母を孕ませたが、義母は父を咎めることはなく、父を惑わせたオメガの実母を悪とした。
古くから続くこの国の宗教の言い伝えの中に存在する淫魔という悪魔も、モデルはオメガとされている。オメガという悪魔が誘惑するから人間は致し方なく性交をしている。あくまで悪いのは淫魔であり、孕ませた側の人間は被害者なのだ。
魅惑的で、美しくて、人を惑わす悪魔的な存在がオメガ。オメガを無理やり番にして妊娠させてもアルファは大して咎められない。すべては、悪魔が悪いのだから。
淫魔の登場する宗教がある限りその考えがこの国で常識とされていると思ったのに。
「義務、ですか」
「こっちがヒートに充てられなければ何も起きないからな」
「……」
珍しい考えの人だ。
ユリアンはぼうっと沈黙した。テトは箱が気になって仕方ないのかまた机に目を向ける。彼は箱を観察しながら「落ち着かないならチョーカーをすれば?」と軽やかに告げた。
ユリアンはその場で直立不動のままいて、やがて、唇を開いた。
「あの……」
「ん?」
「……」
「どうした?」
もしかしたら、と思う。
ユリアンは唾を飲み込んでから、恐る恐る口にした。
「あの、美味しいお茶があるよ」
「お、いいね!」
もしかしたら、友達になれるかもしれない。
「ん?」
咥え煙草のテトは片手で前髪をかきあげる。視線だけこちらに向ける様は色っぽく、きっと邸宅の女性陣は彼に色めき立っているのだなと内心にする。
「シャツもズボンも、半端な丈でしょう」
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「何? どうした?」
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テトはきょとんと目を瞬かせる。が、何かに気付いたのか彼も同様にしゃがみ込んだ。そうして自身のふくらはぎを見ると、
「えっ、何!? 何だこれ!?」
「マダニです」
「マダニ!?」
しかも珍しいタイプのマダニだ。ユリアンは好奇心で目を輝かせて、テトのふくらはぎに顎で食いつく小さなマダニにじっと見入った。
マダニは基本的に鹿に寄生して生息している。この辺は鹿もやってくるのでマダニがいてもおかしくはない。が、色がルーランド王国で見られる種類とは違って、若干薄い。もしや、公爵邸の騎士団のせいか? 戦争で他国へ出兵するので彼らが外来性のマダニを運んできたのかもしれない。となると、休戦中ではあるが敵国のベルマニア王国産の可能性がある。もしそうならマダニが媒介する病気も特殊に違いない。何にせよ、これは、
「あの蛇なんかよりよっぽど危険ですよ。マダニに噛まれて発症する感染症に、三割の確率で死ぬ病気があります」
「し、死ぬ!?」
広大とはいえ公爵邸で働いていてマダニを知らないとは、普段はよっぽど邸宅から出てこないのだろう。
ユリアンは立ち上がり、膝を抱えるテトを見下ろした。
「大丈夫です。さっさと取り除いて薬を飲んでおきましょう」
「俺、死ぬのか!?」
「傷口を放置して感染症に罹った場合です。発症すると三割の確率で、死にます」
「死ぬ!?」
テトは愕然として煙草を唇に挟んだ。喫煙者は不思議なもので、動転すればするほど煙を吸い込む傾向がある。それもよっぽど毒なのにな。
ユリアンはテトを小屋へ招待することにした。今はまだ顎が肌に食い込んでいる程度だがそのうち頭を突っ込んでくる。そうなる前に取り除くべきだ。
かわいそうに、震えながら小屋にやってきたテトは、長いこと邸宅で働いているらしく小屋に見覚えがあるようだった。
「ここには昔、ベンノが住んでいたと思うけど。今はジュリが住んでるんだな。ジュリはベンノの弟子なのか?」
「まぁ、そんなようなものです」
「へぇ!」
テトは懐かしむように声を弾ませた後、ふくらはぎを見下ろしてまた泣きそうに怯える。
ユリアンは救急箱から、木の枝を尖らせて作った器具と薬草を煎じた消毒液と塗り薬を取り出した。と、その時になって気付いた。
――テトは、アルファ性だ。
広い庭にいたから匂いを感じ取れなかった。こうして小屋に二人きりになるとよく分かる。
エラ含めた使用人達やベンノがベータ性なので、最近はチョーカーをしていない。ロドリックも留守にしているから、アルファ性と出会うことはないと油断していた。
どうしよう。今からチョーカーを付けるか? だがそれでは自分がオメガ性だと教えるようなもの。テトは命の危機に動揺しているし匂いなんか気付かないはず。
ひとまず今は、マダニを処理しよう。ユリアンは器具とコップ一杯の水を持って、窓際の椅子に腰掛けるテトの前に膝をつく。
「痛いですよ。我慢してくださいね」
「あ、あぁ……」
慎重にマダニを取り除くが、やはり痛みを伴うのでテトは苦しげに顔を歪めた。やがて無事に処理は完了し傷口を消毒する。体の一部が皮膚に入り込んでいる様子もない。栄養剤を水に溶かしてかき混ぜながら、「もう大丈夫ですよ」と言うと、テトはホッと安堵の表情を見せた。
「ありがとう。助かった」
「この辺に来るなら皮膚の隠れる服を着てくださいね」
「そうするよ」
さて、どうしようかな。
アルファ性の人間は警戒した方がいい。ユリアンはヒートがこないオメガ性だけれどもしものことがある。
用事は済んだし小屋から出て行ってもらおう。どう切り出すか迷っていると、いきなりテトが「あっ!」と声を上げた。
「この箱の中に何かいるぞ」
「あ」
テーブルにはマルクスの箱を置いたままだった。カサカサ中から音がするので気になったらしい。
うっかりしていて、箱を隠すのを忘れていた。立ち上がったテトが箱の側面を興味深そうに観察する。ユリアンはすぐさま言った。
「珍しい昆虫を捉えているだけです。テトさん、仕事があるのでは?」
「今は休憩中だ。それより敬語はやめてくれよ。俺の命の恩人だろ」
「でも年上ですよね」
「構うものか。で、珍しい昆虫って?」
「ええっと……」
口籠ると、テトは黄金の瞳をこちらに向け、じっとユリアンを見据えた。
その眼差しの鋭さには覚えがあった。その正体を探る前に、テトが言う。
「安心してくれ。俺はアルファ用の抑制剤を飲んでるから」
「えっ」
予想外の発言に思わず声が出る。テトは相好を崩し、「ジュリはオメガだろ?」と呆気なく指摘する。
図星を突かれて閉口すると、テトはさらっと続けた。
「薬を飲んでるから大丈夫だ。以前、ヒートになったオメガの娘を看護したこともある」
「……僕がオメガだって分かってたんですか?」
「匂いでね。ただ、それどころじゃなかったから」
テトは言って自身の足を指差した。
意外だったのは自分に匂いがあることだ。ヒートもまともにこない欠陥品のオメガのくせして、一丁前に匂いは発しているらしい。自分では全く分からなかった。不安になるが、テトは軽く首を横に振る。
「別に臭いとかじゃないよ」
「あ、はい……珍しいですね。アルファの方が薬を飲むなんて」
「義務だろ」
「……」
「それより敬語はやめてくれって」
ユリアンはまた唇を一文字に引き結び黙り込む。義務だと断言するアルファの男を、人生で初めて見た。
世の中では、アルファを惑わすオメガが悪とされている。アルファの父もオメガの実母を孕ませたが、義母は父を咎めることはなく、父を惑わせたオメガの実母を悪とした。
古くから続くこの国の宗教の言い伝えの中に存在する淫魔という悪魔も、モデルはオメガとされている。オメガという悪魔が誘惑するから人間は致し方なく性交をしている。あくまで悪いのは淫魔であり、孕ませた側の人間は被害者なのだ。
魅惑的で、美しくて、人を惑わす悪魔的な存在がオメガ。オメガを無理やり番にして妊娠させてもアルファは大して咎められない。すべては、悪魔が悪いのだから。
淫魔の登場する宗教がある限りその考えがこの国で常識とされていると思ったのに。
「義務、ですか」
「こっちがヒートに充てられなければ何も起きないからな」
「……」
珍しい考えの人だ。
ユリアンはぼうっと沈黙した。テトは箱が気になって仕方ないのかまた机に目を向ける。彼は箱を観察しながら「落ち着かないならチョーカーをすれば?」と軽やかに告げた。
ユリアンはその場で直立不動のままいて、やがて、唇を開いた。
「あの……」
「ん?」
「……」
「どうした?」
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