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第五章
52 三億
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かなりの金が動いたらしい。それもそのはずで、新しい身分を用意してもらうのに加え、礼矢……玲は、由良にある難しいお願いをした。
『——涼を引き取ってくれる家を探してください』
この施設からは度々子供達が里子に出される。
玲はそれを良しとしない。
施設で里子に出されると行先を教えられない。『子供達のために』、たとえ兄弟だとしても里親は明かされないらしい。
涼と離れ離れになるなど嫌だ。仮に涼が養子になったとして、親が『青い目』の彼を、いざと言う時守ってくれるか分からない。
簡単には手出しできない家に入ってほしい。
『何か怖いものがやってきても涼を守れるような家です。安全で裕福な家族を涼に与えてください』
青い瞳……。
この青が見つかっては、いけない気がする。
記憶に刻まれているのは母の暗い表情だ。どうして涼の瞳が青いのか訊ねた時、あの人は酷く辛そうに俯いていた。
『涼を守れる家を探してください』
身分証はすぐに用意できるが、家は難しい。簡単ではないと分かっていたができれば涼が中学へ上がる前には準備してほしかった。
由良は『分かった』と了承してくれた。
そうして玲が犯した襲撃以降、大倉玲と大倉涼は、半端な時期ではあるが中学校、小学校に通うことになった。
施設には由良が交渉している。決して玲を里子に送らないこと、そして涼の引き取り手は嵐海が探すことを、施設側も了解してくれたみたいだ。
嵐海……組長が、涼の家を協力してくれることになったらしい。
玲は、求めている。
青い瞳をもつ涼が暮らす安全な場所を。
玲は探している。
平和を求める心で、また別の何かを。
常にこの魂には黒と白が入り乱れている。嵐に覆われた夜闇の黒と、平和を夢見る白い世界。沸き立つような血の赤と、ただ何にも襲われませんようにと祈る平穏な空の青が、心の中に同居している。
玲は、中学校に一学年の後半から通い始めた。
馴染むのには慣れている。くだらないことで笑ったり、遊んだりしていると同級生たちは直ぐ受け入れてくれた。
そうやって学校生活を送りつつも誰にも心を許さずに生きていた。どこから来たのか、なぜ『転校』してきたかだけでなく、弟がいることや施設で暮らしていることすらも玲は語らない。
由良とは連絡を取り合うが、彼は東京に住んでいるのでここからだとかなり時間がかかる。ヤクザと関わりがあるとは思えない、驚くほど長閑な日々だった。
名前を変えたら隠れる必要のない人生が降ってきた。レイはレイなのに、礼矢と玲ではまるで違う。
涼はスポーツクラブで活躍してもいいし、玲も好きに勉強していい。目立つことをしても構わないし、写真に撮られても大丈夫なのだ。
深山礼矢と深山涼介を捨てたら、兄弟は自由になった。
あの青い目さえなければ、涼はもっと安全なのに。
この目を抉ってしまおうか。けれど青は綺麗だった。自由な生活で涼には二つだけ約束させた。無闇に本当の名前を明かさないことと、カラーコンタクトをつけること。どれも強制にはしなかった。涼という子は、無理を強いると「なぜ」「何で」と煩いから。
安寧の生活に身を浸している。
だけど玲の心にはやはり、暗澹の靄が蔓延っている。
ふとした瞬間に探してしまう。顔は真っ直ぐ前を向きながらも、目玉だけはギョロリと探し続けている。
……アレを。
——見つけたのは、ある秋の日だった。
学校から施設に戻る帰り道、道路の脇に見覚えのある黒塗りの車が停車していた。玲はそれを見つけると驚き、小走りで車へ向かった。
運転席に由良晃の横顔を認める。彼は言葉を発さない。何故だろうと思っていると、代わりに後部座席の窓が開いた。
嵐海組長がいた。
彼と対面するのは襲撃以降初めてだ。今更ではあるが玲は組長の手を切りつけている。
ど、どうしよう。凄まじい威圧のオーラを放っている。
息を呑む玲に、組長が言った。
「大倉玲。あの時は悪かったな……」
「……え」
「何か他に俺にできることはあるか?」
玲は何も答えられなかった。
ただびっくりして、目を丸くしている。
数秒後ハッと我に返るが、それでも思考は回らず、条件反射的に首を横に振ってしまう。
「そうか」
組長が目尻に深い皺を寄せた。そうすると途端にやわらかくなって、まるで好々爺のように見えるので更に驚く。
茫然としているうちに黒い窓が閉まる。窓で分断される間際、組長が目を伏せるようにして僅かだけ首を下に揺すった。
「……」
「玲」
呼ばれてゆっくりと首をもたげる。
運転席から由良が現れて、玲を見下ろしていた。
後部座席にいたらしい若い組員が運転席に乗り込んでいく。由良を置いて車が走り出した。由良は以前に見たときのような、いかにも反社やっています的スーツではなく、今日は、ハイネックのシャツを着ていて、すらっとした格好だった。
こうしていると本当に、若いのだなと思う。
残った由良晃は今後について語った。
「お前は親父に怪我を負わせた」
玲は黙って彼の言葉に耳を傾ける。
「親父を慕う者には過激な若い衆が多い。なんとか収めたいところだったが奴らは気が立っている。お前に報復するつもりだ」
「……」
「だから俺がお前に罰を課すことにした」
「……罰?」
人通りの少ない路地に二人はいる。手短に話を終えたいようだった。時間がないのにわざわざ、東京から何時間もかけて来てくれたのは、この話がかなり重要だからだ。
あの人……組長も、会いに来てくれた。
「三億」
由良は煙草に火をつける。
「くらいだな」
と、付け足して、由良は煙を深く吐いた。
その白い塊が薄れていくのを眺めながら玲は呟く。
「三億円?」
「あぁ。お前が債務者。俺が債権者。意味分かるか?」
「分かりますよ。俺が由良さんに三億の借金してるってことですよね」
由良がゆったりと首を上下に振った。スーツを着ていた時にセットしていた髪も今は無造作で、黒髪が目元にかかっている。
すると若い女性が二人の傍を通り過ぎていった。彼女は由良に視線をやって、通り過ぎてから、また一度振り返る。
由良は目を惹く外見をしている。腰の位置もやたら高く、スタイルも抜群にいい。玲は彼を見上げるのが面倒で、由良の手元の煙草を眺めていた。
「そうだ。死ぬ気で返せ。俺はお前が金を返すまで働かせる」
「一生かかりそう」
「あぁ。死ぬまでだ」
「……」
「まぁ、そういう体でいく。事実お前に二億近く使ってるしな。金の流れは動いてる」
思わず顔を上げる。
上目遣いで見つめながら「由良さんって」と言った。
「お金持ちなんですね」
「……親父も金を出してるがな」
由良は煙草をくわえて一服した。
玲はまた黙り込んだ。オメガ性の大倉玲の身分と、涼の身分、それに加えて涼の家を用意するのに金を使っている。
他にも細々と金を借りている。東京の病院に入院している祖母の医療費や涼に関しての全て。しかしそれは『大倉』の兄弟と涼の家に比べたら然程大きな額ではないのだろう。
「金ならいくらでもある。あと一億か二億使えるけど、どうする」
由良は冗談なのか本気なのか判別できない口調で言った。
玲は冗談と受け取って無視をしようとしたが、ふと、口を閉ざす。
やがて唇を開き、
「……ハウス」
と囁いた。
「ハウス?」
由良が眉間に皺を寄せる。
脳裏を過ぎるのは、かつてあの町で過ごしていたシェルターだ。
皆の……隠れ場所を奪ってしまった。
ハウスだけが安全だったのに。申し訳なくて胸が苦しいのに、もう謝ることすらできない。
あの人たちはまだ逃げ続けているのだから、玲には追えないのだ。
「シェルターを作ってくれませんか」
玲は呟いた。
「壊してしまったので」
「……分かった」
由良は頷いた。煙草を吸いつけると、短くなったそれを投げ捨てて靴先で潰す。
『——涼を引き取ってくれる家を探してください』
この施設からは度々子供達が里子に出される。
玲はそれを良しとしない。
施設で里子に出されると行先を教えられない。『子供達のために』、たとえ兄弟だとしても里親は明かされないらしい。
涼と離れ離れになるなど嫌だ。仮に涼が養子になったとして、親が『青い目』の彼を、いざと言う時守ってくれるか分からない。
簡単には手出しできない家に入ってほしい。
『何か怖いものがやってきても涼を守れるような家です。安全で裕福な家族を涼に与えてください』
青い瞳……。
この青が見つかっては、いけない気がする。
記憶に刻まれているのは母の暗い表情だ。どうして涼の瞳が青いのか訊ねた時、あの人は酷く辛そうに俯いていた。
『涼を守れる家を探してください』
身分証はすぐに用意できるが、家は難しい。簡単ではないと分かっていたができれば涼が中学へ上がる前には準備してほしかった。
由良は『分かった』と了承してくれた。
そうして玲が犯した襲撃以降、大倉玲と大倉涼は、半端な時期ではあるが中学校、小学校に通うことになった。
施設には由良が交渉している。決して玲を里子に送らないこと、そして涼の引き取り手は嵐海が探すことを、施設側も了解してくれたみたいだ。
嵐海……組長が、涼の家を協力してくれることになったらしい。
玲は、求めている。
青い瞳をもつ涼が暮らす安全な場所を。
玲は探している。
平和を求める心で、また別の何かを。
常にこの魂には黒と白が入り乱れている。嵐に覆われた夜闇の黒と、平和を夢見る白い世界。沸き立つような血の赤と、ただ何にも襲われませんようにと祈る平穏な空の青が、心の中に同居している。
玲は、中学校に一学年の後半から通い始めた。
馴染むのには慣れている。くだらないことで笑ったり、遊んだりしていると同級生たちは直ぐ受け入れてくれた。
そうやって学校生活を送りつつも誰にも心を許さずに生きていた。どこから来たのか、なぜ『転校』してきたかだけでなく、弟がいることや施設で暮らしていることすらも玲は語らない。
由良とは連絡を取り合うが、彼は東京に住んでいるのでここからだとかなり時間がかかる。ヤクザと関わりがあるとは思えない、驚くほど長閑な日々だった。
名前を変えたら隠れる必要のない人生が降ってきた。レイはレイなのに、礼矢と玲ではまるで違う。
涼はスポーツクラブで活躍してもいいし、玲も好きに勉強していい。目立つことをしても構わないし、写真に撮られても大丈夫なのだ。
深山礼矢と深山涼介を捨てたら、兄弟は自由になった。
あの青い目さえなければ、涼はもっと安全なのに。
この目を抉ってしまおうか。けれど青は綺麗だった。自由な生活で涼には二つだけ約束させた。無闇に本当の名前を明かさないことと、カラーコンタクトをつけること。どれも強制にはしなかった。涼という子は、無理を強いると「なぜ」「何で」と煩いから。
安寧の生活に身を浸している。
だけど玲の心にはやはり、暗澹の靄が蔓延っている。
ふとした瞬間に探してしまう。顔は真っ直ぐ前を向きながらも、目玉だけはギョロリと探し続けている。
……アレを。
——見つけたのは、ある秋の日だった。
学校から施設に戻る帰り道、道路の脇に見覚えのある黒塗りの車が停車していた。玲はそれを見つけると驚き、小走りで車へ向かった。
運転席に由良晃の横顔を認める。彼は言葉を発さない。何故だろうと思っていると、代わりに後部座席の窓が開いた。
嵐海組長がいた。
彼と対面するのは襲撃以降初めてだ。今更ではあるが玲は組長の手を切りつけている。
ど、どうしよう。凄まじい威圧のオーラを放っている。
息を呑む玲に、組長が言った。
「大倉玲。あの時は悪かったな……」
「……え」
「何か他に俺にできることはあるか?」
玲は何も答えられなかった。
ただびっくりして、目を丸くしている。
数秒後ハッと我に返るが、それでも思考は回らず、条件反射的に首を横に振ってしまう。
「そうか」
組長が目尻に深い皺を寄せた。そうすると途端にやわらかくなって、まるで好々爺のように見えるので更に驚く。
茫然としているうちに黒い窓が閉まる。窓で分断される間際、組長が目を伏せるようにして僅かだけ首を下に揺すった。
「……」
「玲」
呼ばれてゆっくりと首をもたげる。
運転席から由良が現れて、玲を見下ろしていた。
後部座席にいたらしい若い組員が運転席に乗り込んでいく。由良を置いて車が走り出した。由良は以前に見たときのような、いかにも反社やっています的スーツではなく、今日は、ハイネックのシャツを着ていて、すらっとした格好だった。
こうしていると本当に、若いのだなと思う。
残った由良晃は今後について語った。
「お前は親父に怪我を負わせた」
玲は黙って彼の言葉に耳を傾ける。
「親父を慕う者には過激な若い衆が多い。なんとか収めたいところだったが奴らは気が立っている。お前に報復するつもりだ」
「……」
「だから俺がお前に罰を課すことにした」
「……罰?」
人通りの少ない路地に二人はいる。手短に話を終えたいようだった。時間がないのにわざわざ、東京から何時間もかけて来てくれたのは、この話がかなり重要だからだ。
あの人……組長も、会いに来てくれた。
「三億」
由良は煙草に火をつける。
「くらいだな」
と、付け足して、由良は煙を深く吐いた。
その白い塊が薄れていくのを眺めながら玲は呟く。
「三億円?」
「あぁ。お前が債務者。俺が債権者。意味分かるか?」
「分かりますよ。俺が由良さんに三億の借金してるってことですよね」
由良がゆったりと首を上下に振った。スーツを着ていた時にセットしていた髪も今は無造作で、黒髪が目元にかかっている。
すると若い女性が二人の傍を通り過ぎていった。彼女は由良に視線をやって、通り過ぎてから、また一度振り返る。
由良は目を惹く外見をしている。腰の位置もやたら高く、スタイルも抜群にいい。玲は彼を見上げるのが面倒で、由良の手元の煙草を眺めていた。
「そうだ。死ぬ気で返せ。俺はお前が金を返すまで働かせる」
「一生かかりそう」
「あぁ。死ぬまでだ」
「……」
「まぁ、そういう体でいく。事実お前に二億近く使ってるしな。金の流れは動いてる」
思わず顔を上げる。
上目遣いで見つめながら「由良さんって」と言った。
「お金持ちなんですね」
「……親父も金を出してるがな」
由良は煙草をくわえて一服した。
玲はまた黙り込んだ。オメガ性の大倉玲の身分と、涼の身分、それに加えて涼の家を用意するのに金を使っている。
他にも細々と金を借りている。東京の病院に入院している祖母の医療費や涼に関しての全て。しかしそれは『大倉』の兄弟と涼の家に比べたら然程大きな額ではないのだろう。
「金ならいくらでもある。あと一億か二億使えるけど、どうする」
由良は冗談なのか本気なのか判別できない口調で言った。
玲は冗談と受け取って無視をしようとしたが、ふと、口を閉ざす。
やがて唇を開き、
「……ハウス」
と囁いた。
「ハウス?」
由良が眉間に皺を寄せる。
脳裏を過ぎるのは、かつてあの町で過ごしていたシェルターだ。
皆の……隠れ場所を奪ってしまった。
ハウスだけが安全だったのに。申し訳なくて胸が苦しいのに、もう謝ることすらできない。
あの人たちはまだ逃げ続けているのだから、玲には追えないのだ。
「シェルターを作ってくれませんか」
玲は呟いた。
「壊してしまったので」
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