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第一章
15 どこにいる?
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大江は念押しするように言った。
「合意なんですよね」
「むしろコイツから咥えてきたわ」
「マジすか」
「アツいっすね!」一成……やはり許さない……。あまりの恥ずかしさに玲は枕に顔を押し付けて狸寝入りを続行した。
だがこれは玲も合意と認めている。一成の言う通り契約を結んでいて、すでに百万も手に入れているのだ。風俗どころか愛人としても破格の金額だ。
客観的に見ても合意と受け取られるだろう。玲も別に自分を襲わせて一成を陥れる方法は、考えていない。
だが合意無しならこれは大罪だった。
オメガ性は『弱者』だから。
「玲ちゃん積極的なんすね。ヒートとかでもなく?」
「そういや、コイツの周期いつなんだろうな」
「流石にうなじは噛んじゃダメっすよ」
身体的に圧倒的不利な立場にあるのがオメガ性だ。ヒートは高熱を発し、フェロモンの過剰な分泌は莫大なエネルギーを消耗する。
アルファ性と番を結べば幾らか負担も軽減できるが、番のいないオメガ性は短命だとまで言われている。
その一方でオメガ性とは、社会的に守られる存在だった。
近代までの歴史に存在する差別や迫害を踏まえた結果と言われているが経過は複雑だ。
先の大戦前までオメガ性は世界的に差別され、被奴隷化されていた。戦中は慰安婦として一部の女性と共に人身売買され、人体実験への利用や、ジェノサイドの標的にもされていた。
以前まではアルファ性と同等かそれよりも多くいたオメガ性は急激に人口減少し、今では最も希少な第二性となっている。
そうした負の遺産を顧みて、現代ではオメガ性は丁重に保護されている。
一方的にオメガ性に性交を働いたり番にすることは児童に対する性暴行と同じく重罪となる。執行猶予もつかないし、海外では死刑になる国もあった。
だがアルファ性には社会的特権階級に属する者が多い。彼らからの報復を恐れるなど何らかの事情があるオメガ性が逃れるためのシェルターも全国には秘匿完備されている。
逃げたオメガ性を捕まえるのは、アルファ性にとって容易ではない。
しかし思考を凝らして見つけ出す者もいる。
世の中には信じられない手段を用いてオメガを取り戻そうとするアルファがいるのだ。
「……噛むかよ」
すると、一成は長い間を置いてから呟いた。
玲は息を止めて彼の言葉を聞いている。大江が笑いながら言った。
「ですよね。一成さんはそういうの無理そう」
無理……。
番を作る気はないのか?
恋人と番は別だ。結婚していても番になっていない者もいる。それだけ重要だから、慎重になるのは分かるけれど。
大江の口調的に一成は『番』そのものを嫌悪しているみたいだ。
なぜ……?
「今晩のレストランは予約しています。その前に買い物でもしてきたらどうです?」
「あぁ」
「ネットの反応はさっき言った通り予想の範疇なので。俳優さんも否定してますしね。このまま玲ちゃんが一成さんの恋人ということでいきましょう」
大江は「じゃ」と言って部屋を出ていった。玄関から音がする。大江が去ったのだろう。
「聞いてたか」
一成がブランケットを剥いできた。玲はうつ伏せのまま、横顔だけで一成を見上げる。
指に挟んでいた煙草をベッド脇の灰皿に捨てた一成は、玲の腹に腕を回してきた。
「うわっ」
「っつうことで、お前は役目を続行しろ」
一瞬で一成の膝の上に乗せられる。ぬいぐるみのように後ろから抱きかかえられた。
「なんで持ち上げるんですかっ」
「お前がクソ軽いからだろ」
「理由になってない……」
「日中はどこで何をしていてもいいが夜には帰ってこい。夕飯はどっかの店で食べる。これ見よがしにお前を連れて歩くぞ」
腕の中から逃げ出そうとするが一成の力には敵わない。この男は案外くっ付きたがる性格をしているらしい。
「今日はこれから出かけっから」
「どこにですか?」
「チョーカー買うぞ」
アルファ性がオメガ性にチョーカーを送るのは、アクセサリーと同じくらいメジャーだ。
背後にアルファの男がいるとうなじがピリつく。玲は出来る限り一成と距離を取るべく身を捩る。
「あと一時間したら家出っから」
一成は言って唐突に玲を解放した。
いきなり腕を離されるものだから前に倒れるように両手をつく。一成は玲を眺め下ろしながら、
「日中は」
と冷たい声を放った。
「好きにしろとは言ったが他の男に突っ込まれるんじゃねぇぞ。他人と穴を共有すんのはクソ食らえだ」
「……しません」
凄むように言われるので、玲も怯えたように答える。
一成は返事をせずにベッドへ横たわった。玲は唾を飲み込み、ベッドから慎重に降りた。
落ちていた服を回収しつつすぐに寝室から出る。扉を閉めて廊下を数歩歩くが、突然糸が切れてよろめいた。
崩れ落ちるようにしゃがみ込む。やっと、解放された。
丸一日離してくれないなんて酷い。腰も痛いし、体も怠い。どれだけ絶倫なんだ。
玲は汗か何かの体液かでベタついた体を見下ろし、ふぅとため息を吐く。
大変な目に遭ったが、ひとまずは何とかなった。きっと一成もこの体を好んでくれている。
このまま素直に接していれば傍にいても問題ないはず。余計なことは言わないよう気を付けないと。
借金についてもそうだ。闇金融のことは知られているが、由良に関しては黙っておかないと。
家族のことも……絶対に知られてはならない。
余計な情報を与えないようにしよう。これ以上面倒な存在だと思われてはならない。
ふらつきながら自室へ帰る。玲は椅子にかけていたパーカーを羽織り、また息を吐く。
一日ぶりに携帯を確認する。と同時に、「あ」と思い出した。
「返信しないと……」
携帯には夥しい量の着信が入っている。そうだった。メッセージにまだ返信を送っていない。
《今どこいんだよ》と言う旨の文章には怒りが滲んでいる。玲は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら《引っ越しました。》《大丈夫です。また連絡します。》と綴って送る。
流石にこれでは納得しないだろう。ちゃんと会いに行かなければ。考えるが今は無性にだるくて、玲はベッドの上に横たわった。
ふと《今どこいんだよ》の字が頭の中に浮かぶ。
本当に……、どこにいるんだろう。
あてがわれた部屋は広い。静寂した空間で何もせずにじっとしていると脳がぐちゃぐちゃになったみたいに思考が煩雑する。
今更自分に輝きある未来が訪れるとは思っていない。
けれど大切な人の未来は守りたい。
折角なら金を稼ぐのだ。
そして、全部精算して終わらせよう。
玲は不意に、昔使っていた携帯を思い出した。よろよろと起き上がり、荷物を漁る。
充電が切れている。なんとか起動させ、以前使っていたメールフォルダを開いた。
《どこにいる? いつ帰ってくる?》
それは玲が送ったたった二行のメールだ。
返信は一行だけ。
《あなたはどこにいるの?》
このメールを眺めるといつも、茫漠とした不思議な感覚に陥る。
本当に、一体……俺はどこにいるんだか。
過去に使っていたメールアドレスは今の携帯でも残っていて使用はできる。だが使っていない。
今の携帯から何度かそのアドレスにメールを送ったこともある。だが返信は一つも帰ってこない。《あなたはどこにいるの?》と聞いておきながら、一切の音沙汰がないのだ。
久しぶりにメールを送ったら、返ってくるのだろうか。
試しに文字を打ってみる。
《母さん?》
送信済みの文字が浮き上がる。
玲は携帯を閉じて、ベッドに横たわる。
いつ返事が来るだろう。ずっと待ち続けていられるから、いつでもいい。返事をして欲しい。
玲は携帯を握りしめた。冷たかったその携帯がだんだんと熱をもって、生きているみたいだ。
「合意なんですよね」
「むしろコイツから咥えてきたわ」
「マジすか」
「アツいっすね!」一成……やはり許さない……。あまりの恥ずかしさに玲は枕に顔を押し付けて狸寝入りを続行した。
だがこれは玲も合意と認めている。一成の言う通り契約を結んでいて、すでに百万も手に入れているのだ。風俗どころか愛人としても破格の金額だ。
客観的に見ても合意と受け取られるだろう。玲も別に自分を襲わせて一成を陥れる方法は、考えていない。
だが合意無しならこれは大罪だった。
オメガ性は『弱者』だから。
「玲ちゃん積極的なんすね。ヒートとかでもなく?」
「そういや、コイツの周期いつなんだろうな」
「流石にうなじは噛んじゃダメっすよ」
身体的に圧倒的不利な立場にあるのがオメガ性だ。ヒートは高熱を発し、フェロモンの過剰な分泌は莫大なエネルギーを消耗する。
アルファ性と番を結べば幾らか負担も軽減できるが、番のいないオメガ性は短命だとまで言われている。
その一方でオメガ性とは、社会的に守られる存在だった。
近代までの歴史に存在する差別や迫害を踏まえた結果と言われているが経過は複雑だ。
先の大戦前までオメガ性は世界的に差別され、被奴隷化されていた。戦中は慰安婦として一部の女性と共に人身売買され、人体実験への利用や、ジェノサイドの標的にもされていた。
以前まではアルファ性と同等かそれよりも多くいたオメガ性は急激に人口減少し、今では最も希少な第二性となっている。
そうした負の遺産を顧みて、現代ではオメガ性は丁重に保護されている。
一方的にオメガ性に性交を働いたり番にすることは児童に対する性暴行と同じく重罪となる。執行猶予もつかないし、海外では死刑になる国もあった。
だがアルファ性には社会的特権階級に属する者が多い。彼らからの報復を恐れるなど何らかの事情があるオメガ性が逃れるためのシェルターも全国には秘匿完備されている。
逃げたオメガ性を捕まえるのは、アルファ性にとって容易ではない。
しかし思考を凝らして見つけ出す者もいる。
世の中には信じられない手段を用いてオメガを取り戻そうとするアルファがいるのだ。
「……噛むかよ」
すると、一成は長い間を置いてから呟いた。
玲は息を止めて彼の言葉を聞いている。大江が笑いながら言った。
「ですよね。一成さんはそういうの無理そう」
無理……。
番を作る気はないのか?
恋人と番は別だ。結婚していても番になっていない者もいる。それだけ重要だから、慎重になるのは分かるけれど。
大江の口調的に一成は『番』そのものを嫌悪しているみたいだ。
なぜ……?
「今晩のレストランは予約しています。その前に買い物でもしてきたらどうです?」
「あぁ」
「ネットの反応はさっき言った通り予想の範疇なので。俳優さんも否定してますしね。このまま玲ちゃんが一成さんの恋人ということでいきましょう」
大江は「じゃ」と言って部屋を出ていった。玄関から音がする。大江が去ったのだろう。
「聞いてたか」
一成がブランケットを剥いできた。玲はうつ伏せのまま、横顔だけで一成を見上げる。
指に挟んでいた煙草をベッド脇の灰皿に捨てた一成は、玲の腹に腕を回してきた。
「うわっ」
「っつうことで、お前は役目を続行しろ」
一瞬で一成の膝の上に乗せられる。ぬいぐるみのように後ろから抱きかかえられた。
「なんで持ち上げるんですかっ」
「お前がクソ軽いからだろ」
「理由になってない……」
「日中はどこで何をしていてもいいが夜には帰ってこい。夕飯はどっかの店で食べる。これ見よがしにお前を連れて歩くぞ」
腕の中から逃げ出そうとするが一成の力には敵わない。この男は案外くっ付きたがる性格をしているらしい。
「今日はこれから出かけっから」
「どこにですか?」
「チョーカー買うぞ」
アルファ性がオメガ性にチョーカーを送るのは、アクセサリーと同じくらいメジャーだ。
背後にアルファの男がいるとうなじがピリつく。玲は出来る限り一成と距離を取るべく身を捩る。
「あと一時間したら家出っから」
一成は言って唐突に玲を解放した。
いきなり腕を離されるものだから前に倒れるように両手をつく。一成は玲を眺め下ろしながら、
「日中は」
と冷たい声を放った。
「好きにしろとは言ったが他の男に突っ込まれるんじゃねぇぞ。他人と穴を共有すんのはクソ食らえだ」
「……しません」
凄むように言われるので、玲も怯えたように答える。
一成は返事をせずにベッドへ横たわった。玲は唾を飲み込み、ベッドから慎重に降りた。
落ちていた服を回収しつつすぐに寝室から出る。扉を閉めて廊下を数歩歩くが、突然糸が切れてよろめいた。
崩れ落ちるようにしゃがみ込む。やっと、解放された。
丸一日離してくれないなんて酷い。腰も痛いし、体も怠い。どれだけ絶倫なんだ。
玲は汗か何かの体液かでベタついた体を見下ろし、ふぅとため息を吐く。
大変な目に遭ったが、ひとまずは何とかなった。きっと一成もこの体を好んでくれている。
このまま素直に接していれば傍にいても問題ないはず。余計なことは言わないよう気を付けないと。
借金についてもそうだ。闇金融のことは知られているが、由良に関しては黙っておかないと。
家族のことも……絶対に知られてはならない。
余計な情報を与えないようにしよう。これ以上面倒な存在だと思われてはならない。
ふらつきながら自室へ帰る。玲は椅子にかけていたパーカーを羽織り、また息を吐く。
一日ぶりに携帯を確認する。と同時に、「あ」と思い出した。
「返信しないと……」
携帯には夥しい量の着信が入っている。そうだった。メッセージにまだ返信を送っていない。
《今どこいんだよ》と言う旨の文章には怒りが滲んでいる。玲は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら《引っ越しました。》《大丈夫です。また連絡します。》と綴って送る。
流石にこれでは納得しないだろう。ちゃんと会いに行かなければ。考えるが今は無性にだるくて、玲はベッドの上に横たわった。
ふと《今どこいんだよ》の字が頭の中に浮かぶ。
本当に……、どこにいるんだろう。
あてがわれた部屋は広い。静寂した空間で何もせずにじっとしていると脳がぐちゃぐちゃになったみたいに思考が煩雑する。
今更自分に輝きある未来が訪れるとは思っていない。
けれど大切な人の未来は守りたい。
折角なら金を稼ぐのだ。
そして、全部精算して終わらせよう。
玲は不意に、昔使っていた携帯を思い出した。よろよろと起き上がり、荷物を漁る。
充電が切れている。なんとか起動させ、以前使っていたメールフォルダを開いた。
《どこにいる? いつ帰ってくる?》
それは玲が送ったたった二行のメールだ。
返信は一行だけ。
《あなたはどこにいるの?》
このメールを眺めるといつも、茫漠とした不思議な感覚に陥る。
本当に、一体……俺はどこにいるんだか。
過去に使っていたメールアドレスは今の携帯でも残っていて使用はできる。だが使っていない。
今の携帯から何度かそのアドレスにメールを送ったこともある。だが返信は一つも帰ってこない。《あなたはどこにいるの?》と聞いておきながら、一切の音沙汰がないのだ。
久しぶりにメールを送ったら、返ってくるのだろうか。
試しに文字を打ってみる。
《母さん?》
送信済みの文字が浮き上がる。
玲は携帯を閉じて、ベッドに横たわる。
いつ返事が来るだろう。ずっと待ち続けていられるから、いつでもいい。返事をして欲しい。
玲は携帯を握りしめた。冷たかったその携帯がだんだんと熱をもって、生きているみたいだ。
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