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第四章
41 ミカがいない
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【第四章】
居場所を特定するのが一歩遅れた。消えたミカを探し出すのに三時間もかかってしまったのだ。
彼は街の外れの小屋に連れ去られていた。
それも、ローレンツによって。
ライハルトは爆発的に湧き起こる怒りを抑えて、連れ立った警官に命令する。
「こいつを留置所に連れて行け。リエッツの市民に危害を加えた」
「離せっ!」
「黙れ」
口内の切れたローレンツは舌足らずで喚き黒猫のミカに手を伸ばした。ライハルトはその腕を蹴り飛ばした。
ローレンツが「うがっ」と吐血混じりに呻く。ライハルトはミカを抱きあげて、警官に剣を返す。
ローレンツは足元で悶えていた。
「お前を絶対に許さない」
警官達がローレンツを捕捉する。「ライハルト様」と顔面蒼白で駆け寄ってくる署長に、ライハルトは宣告した。
「こいつを捉えておけ。決して逃すな。俺の男に対する殺人未遂だ」
「そんな」
署長は顔面蒼白でライハルトの腕の中へ視線を移す。すぐさま獣人だと理解したのだろう。
ライハルトは怒りのこもった声で告げた。
「すぐに裁判にかけろ。殺人未遂と薬物使用だ」
「薬物まで」
「こいつは爵位もちだ」
「な、なんと」
「絞首刑から始めろ」
「……はい」
「連れて行け」
署長は声を荒げて部下に指示をした。ローレンツは麻酔銃を撃たれて気を失っている。
速やかに運ばれていくローレンツを尻目に、ライハルトはミカへ呼びかけた。
「ミカ、聞こえるか? ミカ」
ぐったりとした猫の胸に耳を当てる。心臓は動いている。けれど死んでしまったように冷たい体だった。
――『君の兄は土砂崩れに巻き込まれて死んでるんだよ』
ライハルトが小屋へ突入する間際、ローレンツがそう怒鳴っていた。
……なんてことを、言いやがったんだ。
足元には割れた鏡がある。
唯一の遺品が砕け散っていた。そして兄ももう居ない。
それがどれだけミカの心を破壊したか。
「ミカ……」
「ライハルト様!」
警官らは小屋を去ったがまだ外は騒がしい。入ってきたのはエルマーだった。彼は腕の中の猫を見遣ると、「その猫は……」と動揺をあらわにする。
ライハルトは説明抜きに指示した。
「すぐに屋敷へ帰る。医者を手配しろ」
「ええ、承知しました」
「……その鏡を回収しろ」
「これをですか?」
エルマーが目を丸くする。ライハルトは首を上下させた。
「あぁ」
それはミカにとって必要なものだ。
ミカが攫われて三時間が経っている。夕暮れも終盤で太陽の沈む空は明るいが、ほとんどの空が濃紺に染まっている。
少し目を離した隙にミカがいなくなってから、すぐに警察に連絡した。ライハルトの邸宅の警備団にも連絡がいっている。
ライハルトの所有する警備団の馬車へミカを運ぶ。エルマーは手配へ回ったらしく姿は無かった。馬車は邸宅へ向かって走り出す。ライハルトはミカへ再度呼びかけた。
「ミカ、ミカ」
黒猫の体は脱力していた。瞼を閉じて反応しない。骨すら溶けてしまったように柔らかく、小さく、か弱い。
ヒルトマン邸には監視をつけていたはずだがローレンツはそれを掻い潜ってきたようだ。ミカには教えていなかったが男爵家は経済的にも危機に瀕し、この数ヶ月で没落寸前だった。
おまけに子息夫人であるルイーザが孕んだ子はローレンツの子ではなかった。彼女は複数の男と関係があり、妊娠を機にローレンツを自分のものにしようとしたらしい。
あっという間に不幸へ直下する現実を受け入れられなかったのかローレンツは薬に手をつけ始めていた。ライハルトは調査でそれを知っていたが、もちろん放置していた。
勝手に腐っていくならそれがいい。ミカの知らない場所で魔物は朽ちるべきだ。
だが奴はここまでやってきた。
異常な精神で執着するのはミカだったのだ。
「ミカ、もう大丈夫だ」
ローレンツは二度とミカに手を出せない。
裁判は減刑がつきものだ。ならば極刑から始める。リエッツ市内で起きた犯罪なら求刑を指示する権利がライハルトにはあった。絞首刑とまではいかないまでもローレンツを首都の監獄へ送り、ヒルトマン家から男爵の爵位を奪うか財産を没収するかはできるだろう。
ミカだって離れたいに違いない。
ミカに怒り狂っていたローレンツの態度を見るに、この子はローレンツを拒絶したのだ。
ミカはローレンツと離別した。
「ミカ、お前はもう大丈夫だから」
過去に立ち向かって自分の意思を貫き通したミカ。大丈夫。この子は強い。
だが奴が放った矢があまりにも鋭く惨すぎる。与えた傷は深かった。
久方ぶりに抱く猫の体はそれでも息をしている。その小さな呼吸に、ライハルトの心が大きく震える。
ライハルトは自分の出来うる限りの優しさを込めてミカを抱きしめた。
決して傷つかないように。息がしやすいように。けれどこれ以上冷たくならないように。
ミカ。
……目を覚ましてくれ。
「……にゃあ」
腕の中から微かな声が聞こえた。
ライハルトはハッと猫の顔を覗き込む。
「ミカ!」
「ニャア」
突如として目を覚ましたミカが、小さな顔をあげた。
目を、覚ました。
ライハルトは「ミカ!」と声をあげる。
するとミカがライハルトの顔を見上げた。
だが、――彼はすぐに視線を別の方向へ向けた。
「ミャアー、ニャア、ンミャー」
「ミカ、怪我はしてないか?」
「ニャーニャーミー」
「もうあいつはいない。大丈夫だ。鏡も修復できる」
「ミャーアオ。ニャー」
「……ミカ?」
ミカが腕の中で暴れ出す。ライハルトが語りかけている最中も声を上げ続けていて、まるでこちらの言葉など聞いていないようだった。
「ミャーミャー」
「ミカ、暴れるな、大丈夫だから」
「ニャーニャー」
ミカはなき続けている。
まさか……。
突如として、ドンッと轟音が空をつんざいた。
夜空へと変化したリエッツの空に、花火が散っている。花々の光が馬車の中を照らした。
ミカがびくっと身体を震わせて、更に大声を上げる。
「ニャー! ニャー! ンニャー!」
その反応はまるで、轟音に驚いた野生の猫のようだった。
嫌な予感が胸を巣食う。一瞬の動揺を突いてミカが腕をすり抜ける。ミカは座席に着地すると、窓をカジカジと引っ掻き始めた。
「ミャーミャーニャーニャー」
「アレは花火だ。怯えなくていい……」
「……ミカ、邸宅へ向かっているだけだ」
「ンニャーア、ニャーオ、ミャー」
「……」
ミカは窓を開けようと必死だった。ライハルトの存在など眼中にない。
その姿が、道端で見かけた野良猫に重なる。
……野良猫はライハルトを一瞥すると何もなかったかのように街のどこかへ消えていった。
今のミカもまた、ライハルトなど自分に関係ないかのように外の世界を求めている。
「ニャーニャーニャー」
「……ミカ?」
問いかけるも、返事はない。その猫はただ鳴き続けているだけだ。
これは……。
ミカ……じゃない。
この猫にミカはいない。
ライハルトはどうしてかそう思えた。まるで本当の猫になってしまったように、ミカは「ニャアー」と呟き、ガシガシと窓を擦っている。
いないのだ。
黒猫から、ミカが消えてしまった。
窓の外で花火が続いている。ミカは驚き、怒ったように鳴き続けている。どこかへ逃れようと必死に、声を上げていた。
ミカが本物の猫のようになってしまってから一週間が経った。
医師に診断させたが体に異常は何もなかった。この黒猫が獣人であることは明かしたが、中身がミカだとは伝えていない。目の前で猫に変わってしまった獣人だとだけ伝えたが、医師は信じられないとばかりに顔を歪めた。
彼からしても黒猫はまさに猫で、獣人とは思えないのだと。
一日の大半を眠り、動くものを追いかけて遊び、食事や排泄だって本物の猫と同じ。精神がそこらの猫と変わらないのだ。
今のミカは本能に従って生きている。
ここに人間の気配は一切なかった。
「ミカ、目を覚ましたのか」
「ニャーニャー」
「どうした?」
ソファで眠っていたはずのミカがいつの間にか目を覚まし、部屋の中を歩き回っている。
窓際のテーブルに飛び乗ると、外を眺めながら言った。
「ミャアーニャー」
「腹減ったのか?」
「……」
まるでこちらの言葉など何ひとつ理解していないようだ。いや、実際に聞こえていない。
黒猫姿のミカはいつも、ライハルトの言葉に反応を示す。何を言ったって無視をされたことなんか一度もない。
だが今のミカは……その黒猫は、気分で声を上げるだけだ。
居場所を特定するのが一歩遅れた。消えたミカを探し出すのに三時間もかかってしまったのだ。
彼は街の外れの小屋に連れ去られていた。
それも、ローレンツによって。
ライハルトは爆発的に湧き起こる怒りを抑えて、連れ立った警官に命令する。
「こいつを留置所に連れて行け。リエッツの市民に危害を加えた」
「離せっ!」
「黙れ」
口内の切れたローレンツは舌足らずで喚き黒猫のミカに手を伸ばした。ライハルトはその腕を蹴り飛ばした。
ローレンツが「うがっ」と吐血混じりに呻く。ライハルトはミカを抱きあげて、警官に剣を返す。
ローレンツは足元で悶えていた。
「お前を絶対に許さない」
警官達がローレンツを捕捉する。「ライハルト様」と顔面蒼白で駆け寄ってくる署長に、ライハルトは宣告した。
「こいつを捉えておけ。決して逃すな。俺の男に対する殺人未遂だ」
「そんな」
署長は顔面蒼白でライハルトの腕の中へ視線を移す。すぐさま獣人だと理解したのだろう。
ライハルトは怒りのこもった声で告げた。
「すぐに裁判にかけろ。殺人未遂と薬物使用だ」
「薬物まで」
「こいつは爵位もちだ」
「な、なんと」
「絞首刑から始めろ」
「……はい」
「連れて行け」
署長は声を荒げて部下に指示をした。ローレンツは麻酔銃を撃たれて気を失っている。
速やかに運ばれていくローレンツを尻目に、ライハルトはミカへ呼びかけた。
「ミカ、聞こえるか? ミカ」
ぐったりとした猫の胸に耳を当てる。心臓は動いている。けれど死んでしまったように冷たい体だった。
――『君の兄は土砂崩れに巻き込まれて死んでるんだよ』
ライハルトが小屋へ突入する間際、ローレンツがそう怒鳴っていた。
……なんてことを、言いやがったんだ。
足元には割れた鏡がある。
唯一の遺品が砕け散っていた。そして兄ももう居ない。
それがどれだけミカの心を破壊したか。
「ミカ……」
「ライハルト様!」
警官らは小屋を去ったがまだ外は騒がしい。入ってきたのはエルマーだった。彼は腕の中の猫を見遣ると、「その猫は……」と動揺をあらわにする。
ライハルトは説明抜きに指示した。
「すぐに屋敷へ帰る。医者を手配しろ」
「ええ、承知しました」
「……その鏡を回収しろ」
「これをですか?」
エルマーが目を丸くする。ライハルトは首を上下させた。
「あぁ」
それはミカにとって必要なものだ。
ミカが攫われて三時間が経っている。夕暮れも終盤で太陽の沈む空は明るいが、ほとんどの空が濃紺に染まっている。
少し目を離した隙にミカがいなくなってから、すぐに警察に連絡した。ライハルトの邸宅の警備団にも連絡がいっている。
ライハルトの所有する警備団の馬車へミカを運ぶ。エルマーは手配へ回ったらしく姿は無かった。馬車は邸宅へ向かって走り出す。ライハルトはミカへ再度呼びかけた。
「ミカ、ミカ」
黒猫の体は脱力していた。瞼を閉じて反応しない。骨すら溶けてしまったように柔らかく、小さく、か弱い。
ヒルトマン邸には監視をつけていたはずだがローレンツはそれを掻い潜ってきたようだ。ミカには教えていなかったが男爵家は経済的にも危機に瀕し、この数ヶ月で没落寸前だった。
おまけに子息夫人であるルイーザが孕んだ子はローレンツの子ではなかった。彼女は複数の男と関係があり、妊娠を機にローレンツを自分のものにしようとしたらしい。
あっという間に不幸へ直下する現実を受け入れられなかったのかローレンツは薬に手をつけ始めていた。ライハルトは調査でそれを知っていたが、もちろん放置していた。
勝手に腐っていくならそれがいい。ミカの知らない場所で魔物は朽ちるべきだ。
だが奴はここまでやってきた。
異常な精神で執着するのはミカだったのだ。
「ミカ、もう大丈夫だ」
ローレンツは二度とミカに手を出せない。
裁判は減刑がつきものだ。ならば極刑から始める。リエッツ市内で起きた犯罪なら求刑を指示する権利がライハルトにはあった。絞首刑とまではいかないまでもローレンツを首都の監獄へ送り、ヒルトマン家から男爵の爵位を奪うか財産を没収するかはできるだろう。
ミカだって離れたいに違いない。
ミカに怒り狂っていたローレンツの態度を見るに、この子はローレンツを拒絶したのだ。
ミカはローレンツと離別した。
「ミカ、お前はもう大丈夫だから」
過去に立ち向かって自分の意思を貫き通したミカ。大丈夫。この子は強い。
だが奴が放った矢があまりにも鋭く惨すぎる。与えた傷は深かった。
久方ぶりに抱く猫の体はそれでも息をしている。その小さな呼吸に、ライハルトの心が大きく震える。
ライハルトは自分の出来うる限りの優しさを込めてミカを抱きしめた。
決して傷つかないように。息がしやすいように。けれどこれ以上冷たくならないように。
ミカ。
……目を覚ましてくれ。
「……にゃあ」
腕の中から微かな声が聞こえた。
ライハルトはハッと猫の顔を覗き込む。
「ミカ!」
「ニャア」
突如として目を覚ましたミカが、小さな顔をあげた。
目を、覚ました。
ライハルトは「ミカ!」と声をあげる。
するとミカがライハルトの顔を見上げた。
だが、――彼はすぐに視線を別の方向へ向けた。
「ミャアー、ニャア、ンミャー」
「ミカ、怪我はしてないか?」
「ニャーニャーミー」
「もうあいつはいない。大丈夫だ。鏡も修復できる」
「ミャーアオ。ニャー」
「……ミカ?」
ミカが腕の中で暴れ出す。ライハルトが語りかけている最中も声を上げ続けていて、まるでこちらの言葉など聞いていないようだった。
「ミャーミャー」
「ミカ、暴れるな、大丈夫だから」
「ニャーニャー」
ミカはなき続けている。
まさか……。
突如として、ドンッと轟音が空をつんざいた。
夜空へと変化したリエッツの空に、花火が散っている。花々の光が馬車の中を照らした。
ミカがびくっと身体を震わせて、更に大声を上げる。
「ニャー! ニャー! ンニャー!」
その反応はまるで、轟音に驚いた野生の猫のようだった。
嫌な予感が胸を巣食う。一瞬の動揺を突いてミカが腕をすり抜ける。ミカは座席に着地すると、窓をカジカジと引っ掻き始めた。
「ミャーミャーニャーニャー」
「アレは花火だ。怯えなくていい……」
「……ミカ、邸宅へ向かっているだけだ」
「ンニャーア、ニャーオ、ミャー」
「……」
ミカは窓を開けようと必死だった。ライハルトの存在など眼中にない。
その姿が、道端で見かけた野良猫に重なる。
……野良猫はライハルトを一瞥すると何もなかったかのように街のどこかへ消えていった。
今のミカもまた、ライハルトなど自分に関係ないかのように外の世界を求めている。
「ニャーニャーニャー」
「……ミカ?」
問いかけるも、返事はない。その猫はただ鳴き続けているだけだ。
これは……。
ミカ……じゃない。
この猫にミカはいない。
ライハルトはどうしてかそう思えた。まるで本当の猫になってしまったように、ミカは「ニャアー」と呟き、ガシガシと窓を擦っている。
いないのだ。
黒猫から、ミカが消えてしまった。
窓の外で花火が続いている。ミカは驚き、怒ったように鳴き続けている。どこかへ逃れようと必死に、声を上げていた。
ミカが本物の猫のようになってしまってから一週間が経った。
医師に診断させたが体に異常は何もなかった。この黒猫が獣人であることは明かしたが、中身がミカだとは伝えていない。目の前で猫に変わってしまった獣人だとだけ伝えたが、医師は信じられないとばかりに顔を歪めた。
彼からしても黒猫はまさに猫で、獣人とは思えないのだと。
一日の大半を眠り、動くものを追いかけて遊び、食事や排泄だって本物の猫と同じ。精神がそこらの猫と変わらないのだ。
今のミカは本能に従って生きている。
ここに人間の気配は一切なかった。
「ミカ、目を覚ましたのか」
「ニャーニャー」
「どうした?」
ソファで眠っていたはずのミカがいつの間にか目を覚まし、部屋の中を歩き回っている。
窓際のテーブルに飛び乗ると、外を眺めながら言った。
「ミャアーニャー」
「腹減ったのか?」
「……」
まるでこちらの言葉など何ひとつ理解していないようだ。いや、実際に聞こえていない。
黒猫姿のミカはいつも、ライハルトの言葉に反応を示す。何を言ったって無視をされたことなんか一度もない。
だが今のミカは……その黒猫は、気分で声を上げるだけだ。
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