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第二章
24 魔女のツカイ
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ガイスラー公爵家はこの国で代々続く最も古く厳かな家系だ。王族にも公爵家の血を引くものは数人存在するし、王妃として嫁いだ者もいる。
その領地も国の一割を占めるほど。独立してもいいほどなのに、公爵家は王家に敬意を示すのでそうしない。王族との関係も良好で、貴族会議での発言権も重い。
高貴で由緒ある家だ。ガイスラー公爵家の騎士団は先の戦争でも多くの戦績を残していて、国民からの信頼も厚い。
そしてガイスラー公爵家が他の貴族たちと一線を画す大きな特徴は、その当主が代々女性であること。
彼女たちは魔女だ。国の創造伝説では魔女が初代王を助けたと記されている。
その魔女の血を引く者が、ガイスラー公爵家だった。
エルマーはまだ信じられないと言ったように呟いた。
「驚きです」
「先代は三百歳近くまで生きたらしい」
「凄まじいですね。男の魔法使いは人間と寿命もそう変わらないのに」
「魔女は特別なんだよ」
ライハルトは資料を確認する。
家系図を開くと、事前に聞いていた通りだった。
「公爵家の血を引く者に行方不明者が何人かいる」
エルマーは、「そうですね」と軽く頷いた。
ライハルトは煙草を挟んだ指でこめかみを軽く叩きながら、
「政治だろうな。殺されたか、隠されたか」
「五十年前までの資料では悍ましさを感じましたが、現当主のバルバラ様が継いでからはそうでもありませんね」
「ここ見ろ」
咥え煙草で両手を自由にして、エルマーへ家系図を見せるようにする。
また煙草を持ち直し、トントンと指で該当の人間を示した。
「五番目の息子と彼の二人の息子、次期当主である二番目の娘の子どもが死んでる」
「そうですね。現当主の時代となってからお隠れになったのは、この方々だけです」
さすが百五十歳ともあり、家系図に残っている彼女の子は十七人だ。
魔女の平均寿命は二百五十歳で、それまでは体力の衰えもないらしい。いくら子供を産んでも、身体は弱らないようだ。
現当主のバルバラに交代してから死没した公爵家の者は、五番目の息子であるテオバルトと、彼の二人の息子。それと、次期当主であり魔女のアンネマリーの娘、エミーリアだった。
他は存命だ。数々の名前を眺め下ろしながら、ライハルトは呟く。
「この中で、ツカイは誰だろうな」
「……ツカイとは、黒猫やカラスのことですか?」
ライハルトは頷く。エルマーは神妙な顔つきで考え込んだ。
これは巷では知られていない『事実』だ。
公爵家には代々魔女が生まれる。そして魔女のツカイとして、黒猫やカラスの獣人も生まれる。
ミカが黒猫の獣人だと知って真っ先に思い浮かんだのは公爵家だ。
公爵家には、黒猫やカラスに変化する者がいる。
しかし、普通の猫の獣人と違って、ツカイ達には特徴がある。
艶めく黒髪と、魔女と揃いの、青空のような碧眼をもつらしい。
ミカも黒髪で黒猫の獣人だ。
「ツカイ……僕はそのあたりに関して詳しくないんです。ツカイって、何なんですか?」
公爵家には謎が多い。彼らは自分たちの情報を積極的に公表しない。
だからこそ畏敬を受けている。しかしそれらは厳重な秘密ではなく、実際に公爵家に関われば知ることのできる情報も多い。
魔女が当主であること、そして彼女らにはツカイがいること。これらは少し調べれば分かることだ。
そもそも公爵家が極秘する情報は噂としても回らない。
「ツカイは、魔女の宝だ」
「宝?」
ライハルトは煙草を灰皿へ押し付ける。火が、プツと途切れて、か細い煙が揺蕩った。
「魔女とは違って自由に魔法を使うことはできないが、魔力を預かることができたり、特別な能力をもつ、と言われている。カラスは家を守り、黒猫は繁栄を齎す幸福の存在だ。公爵家、いわば国の繁栄に必要な存在。使いとは言っているが、宝だ。魔女はツカイを大切にする。魔女にとってはどんな宝石や権力より大事なものらしい」
「存在自体が幸福……魔女と、カラスや黒猫って、何だか御伽話のようですね」
「事実だ」
ライハルトは背もたれに体重をかけて、淡々と告げた。
「現に、今の魔女の一番目の息子はカラスの能力をもつ。基本的には獣人と能力は変わらないが、魔女の補佐をしている」
「なんでそんなこと知ってるんですか」
「本人が昔、そう言っていた」
「本人?」
「三年前のパラル船。覚えてるだろ?」
「ああ!」
三年前に携わった客船事業では、公爵家の保有する領海の港と街を停船港にした。
その際に長男と交渉したが、彼は船の上で自分はカラスの獣人だと鷹揚に笑っていた。
海に関しては翼をもつ彼が一任されている。長男がカラスの獣人であり魔女のツカイだったのだ。
彼は『侯爵家には教えないでくれ』と悪戯っぽく笑っていたが、エルマーはデューリンガー侯爵家とは関係がないのでノーカウントだ。
母親であり魔女の現当主が百五十歳なら、彼は幾つなのだろう。見かけは三十代の生き生きとした男に見えたが、百歳近いのかもしれない。
「他言するなよ」
「もちろん」
エルマーも彼には会ったことがある。感動したように「あの方がツカイのカラスなんですね……」としみじみと言った。
それから何か気付いたように、
「そうなると、黒猫は誰なんですか?」
「その情報がない」
そう。
ライハルトが知りたかったのは、『黒猫』だ。
公爵家の現ツカイである黒猫は、一体誰なのか。
「もしかして、亡くなったうちの誰かだったのでしょうか?」
ライハルトは視線で、テオバルトとエミーリアの名をなぞる。
カラスである長男は、他のツカイは自分の息子たちで同じくカラスだと言っていた。ツカイに関して三年前に少し話してくれたが、彼は黒猫に関して口にしなかった。
ツカイを誇りに思っている様子で口ぶりは饒舌だったのに、なぜ黒猫を話題にしなかったのか。
……もう、居ないからではないか?
「次期当主のご令嬢が亡くなった日付は明確にされていませんが、現当主の五番目の息子であるテオバルトが亡くなったのは十年ほど前です」
エルマーは、別の資料を読み上げる。
「同時期に、テオバルトの二人の息子も亡くなっていますね」
「ああ、息子らの名前がないな」
「ええ。なんでも、テオバルト様は公爵地とは離れた場所で暮らしていたようで……上の子は土砂崩れに巻き込まれて死亡が確認されています。下の子は行方不明らしいですが」
……これは偶然だろうか。
テオバルトやその息子たちが死んだのは十三年前。ミカが路地へ捨てられたのも、同じ頃だ。
ミカには兄がいると言っていた。二人兄弟だとすると、テオバルトの息子たちと一致する。
行方不明の下の子は、ミカなのか? ならば、兄は既に死んでいることになる。
しかし、ミカは言っていた。
――『子供の頃に生き別れてからはどこにいるか分からないんです。でもきっとどこかで暮らしていると思います』
ミカは兄の生存を疑っていない。その兄が死んでいるなど、酷(こく)すぎる。
テオバルトの長男が土砂崩れで事故死しているのは確認が取れている。彼の死は確定だ。
しかし、ミカの目は赤い。もしも青かったら、ミカも気付いていないだけで自らがテオバルトの息子である可能性もある。
この点に関して見れば、ミカは行方不明の末子ではない。土砂崩れで死んだ子供も関係がないだろう。
その領地も国の一割を占めるほど。独立してもいいほどなのに、公爵家は王家に敬意を示すのでそうしない。王族との関係も良好で、貴族会議での発言権も重い。
高貴で由緒ある家だ。ガイスラー公爵家の騎士団は先の戦争でも多くの戦績を残していて、国民からの信頼も厚い。
そしてガイスラー公爵家が他の貴族たちと一線を画す大きな特徴は、その当主が代々女性であること。
彼女たちは魔女だ。国の創造伝説では魔女が初代王を助けたと記されている。
その魔女の血を引く者が、ガイスラー公爵家だった。
エルマーはまだ信じられないと言ったように呟いた。
「驚きです」
「先代は三百歳近くまで生きたらしい」
「凄まじいですね。男の魔法使いは人間と寿命もそう変わらないのに」
「魔女は特別なんだよ」
ライハルトは資料を確認する。
家系図を開くと、事前に聞いていた通りだった。
「公爵家の血を引く者に行方不明者が何人かいる」
エルマーは、「そうですね」と軽く頷いた。
ライハルトは煙草を挟んだ指でこめかみを軽く叩きながら、
「政治だろうな。殺されたか、隠されたか」
「五十年前までの資料では悍ましさを感じましたが、現当主のバルバラ様が継いでからはそうでもありませんね」
「ここ見ろ」
咥え煙草で両手を自由にして、エルマーへ家系図を見せるようにする。
また煙草を持ち直し、トントンと指で該当の人間を示した。
「五番目の息子と彼の二人の息子、次期当主である二番目の娘の子どもが死んでる」
「そうですね。現当主の時代となってからお隠れになったのは、この方々だけです」
さすが百五十歳ともあり、家系図に残っている彼女の子は十七人だ。
魔女の平均寿命は二百五十歳で、それまでは体力の衰えもないらしい。いくら子供を産んでも、身体は弱らないようだ。
現当主のバルバラに交代してから死没した公爵家の者は、五番目の息子であるテオバルトと、彼の二人の息子。それと、次期当主であり魔女のアンネマリーの娘、エミーリアだった。
他は存命だ。数々の名前を眺め下ろしながら、ライハルトは呟く。
「この中で、ツカイは誰だろうな」
「……ツカイとは、黒猫やカラスのことですか?」
ライハルトは頷く。エルマーは神妙な顔つきで考え込んだ。
これは巷では知られていない『事実』だ。
公爵家には代々魔女が生まれる。そして魔女のツカイとして、黒猫やカラスの獣人も生まれる。
ミカが黒猫の獣人だと知って真っ先に思い浮かんだのは公爵家だ。
公爵家には、黒猫やカラスに変化する者がいる。
しかし、普通の猫の獣人と違って、ツカイ達には特徴がある。
艶めく黒髪と、魔女と揃いの、青空のような碧眼をもつらしい。
ミカも黒髪で黒猫の獣人だ。
「ツカイ……僕はそのあたりに関して詳しくないんです。ツカイって、何なんですか?」
公爵家には謎が多い。彼らは自分たちの情報を積極的に公表しない。
だからこそ畏敬を受けている。しかしそれらは厳重な秘密ではなく、実際に公爵家に関われば知ることのできる情報も多い。
魔女が当主であること、そして彼女らにはツカイがいること。これらは少し調べれば分かることだ。
そもそも公爵家が極秘する情報は噂としても回らない。
「ツカイは、魔女の宝だ」
「宝?」
ライハルトは煙草を灰皿へ押し付ける。火が、プツと途切れて、か細い煙が揺蕩った。
「魔女とは違って自由に魔法を使うことはできないが、魔力を預かることができたり、特別な能力をもつ、と言われている。カラスは家を守り、黒猫は繁栄を齎す幸福の存在だ。公爵家、いわば国の繁栄に必要な存在。使いとは言っているが、宝だ。魔女はツカイを大切にする。魔女にとってはどんな宝石や権力より大事なものらしい」
「存在自体が幸福……魔女と、カラスや黒猫って、何だか御伽話のようですね」
「事実だ」
ライハルトは背もたれに体重をかけて、淡々と告げた。
「現に、今の魔女の一番目の息子はカラスの能力をもつ。基本的には獣人と能力は変わらないが、魔女の補佐をしている」
「なんでそんなこと知ってるんですか」
「本人が昔、そう言っていた」
「本人?」
「三年前のパラル船。覚えてるだろ?」
「ああ!」
三年前に携わった客船事業では、公爵家の保有する領海の港と街を停船港にした。
その際に長男と交渉したが、彼は船の上で自分はカラスの獣人だと鷹揚に笑っていた。
海に関しては翼をもつ彼が一任されている。長男がカラスの獣人であり魔女のツカイだったのだ。
彼は『侯爵家には教えないでくれ』と悪戯っぽく笑っていたが、エルマーはデューリンガー侯爵家とは関係がないのでノーカウントだ。
母親であり魔女の現当主が百五十歳なら、彼は幾つなのだろう。見かけは三十代の生き生きとした男に見えたが、百歳近いのかもしれない。
「他言するなよ」
「もちろん」
エルマーも彼には会ったことがある。感動したように「あの方がツカイのカラスなんですね……」としみじみと言った。
それから何か気付いたように、
「そうなると、黒猫は誰なんですか?」
「その情報がない」
そう。
ライハルトが知りたかったのは、『黒猫』だ。
公爵家の現ツカイである黒猫は、一体誰なのか。
「もしかして、亡くなったうちの誰かだったのでしょうか?」
ライハルトは視線で、テオバルトとエミーリアの名をなぞる。
カラスである長男は、他のツカイは自分の息子たちで同じくカラスだと言っていた。ツカイに関して三年前に少し話してくれたが、彼は黒猫に関して口にしなかった。
ツカイを誇りに思っている様子で口ぶりは饒舌だったのに、なぜ黒猫を話題にしなかったのか。
……もう、居ないからではないか?
「次期当主のご令嬢が亡くなった日付は明確にされていませんが、現当主の五番目の息子であるテオバルトが亡くなったのは十年ほど前です」
エルマーは、別の資料を読み上げる。
「同時期に、テオバルトの二人の息子も亡くなっていますね」
「ああ、息子らの名前がないな」
「ええ。なんでも、テオバルト様は公爵地とは離れた場所で暮らしていたようで……上の子は土砂崩れに巻き込まれて死亡が確認されています。下の子は行方不明らしいですが」
……これは偶然だろうか。
テオバルトやその息子たちが死んだのは十三年前。ミカが路地へ捨てられたのも、同じ頃だ。
ミカには兄がいると言っていた。二人兄弟だとすると、テオバルトの息子たちと一致する。
行方不明の下の子は、ミカなのか? ならば、兄は既に死んでいることになる。
しかし、ミカは言っていた。
――『子供の頃に生き別れてからはどこにいるか分からないんです。でもきっとどこかで暮らしていると思います』
ミカは兄の生存を疑っていない。その兄が死んでいるなど、酷(こく)すぎる。
テオバルトの長男が土砂崩れで事故死しているのは確認が取れている。彼の死は確定だ。
しかし、ミカの目は赤い。もしも青かったら、ミカも気付いていないだけで自らがテオバルトの息子である可能性もある。
この点に関して見れば、ミカは行方不明の末子ではない。土砂崩れで死んだ子供も関係がないだろう。
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