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第一章
11 旦那様に愛されているんでしょう?
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きっと鳴き声の調子や顔色で察しているのだろう。概ね間違っていないので、これについては感心するしかない。
「お前、身体洗ってんのか? 洗ってやるよ」
「ニャ! ンナーッ(何を馬鹿なことを!)」
「たまには湯に浸かれ」
「にゃっ、ニィッ、にゃ、みゃっ(バカ! バカ! バカ! バカ!)」
「今悪口言ってんだろ」
「ミャ(え)」
猫の姿なら何を言っても構わないと思っていたのにこうして通じてしまうからたまに困る。
必死の抵抗で入浴という魔の手から逃れることはできた。結局抱きしめられたままだが、無事にベッドへと辿り着く。
ミカに与えられている命令は、主にこれだ。主人の就寝に同衾すること。
ライハルトの隣で、身を丸めて、眠るのが仕事である。
「おいで」
寝る前の彼は、人間姿で相手するライハルトとはまるで別人だ。
ミカを腕の中に閉じ込めるも、ここは全く息苦しくない。
「ミカの目は真っ赤だな……」
「……みゃー」
ぼんやりとこちらを見つめ、額を撫でる男の雰囲気は、柔らかいと言うより崩れている。
一緒に寝ていて分かることがある。ライハルトは皆の想像よりもかなり疲れていた。
そのせいか彼が寝付くまでの時間はかなり短い。彼が眠って以降も、ミカはぬいぐるみのようにじっとして、その体温を感じている。
暫くして、寝息が聞こえてくる。
ミカは小さく、「ニャー……」と呟いた。
返事はない。今日も無事に就寝したようだ。ミカは瞼を閉じて、ライハルトの腕に鼻先を押しつけた。
いつからだろう。ライハルトが『テール』と呼ばなくなったのは。
夜の間だけだが、一緒に過ごせば彼がかなり仕事以外では大雑把な性格をしていることは分かるから、きっと『テール』と名付けたことすら忘れているのだろうとは想像がつく。
とは言え人前で黒猫に対し『ミカ』と呼びかけるのはミカにとっても心中穏やかでない。今の所黒猫はライハルトの部屋を出ていないので、他人に知られていないからいいけれど。
そんなことを考えながら、ミカはまだ陽が昇る兆しもないほど早朝に、人間の姿でライハルトの寝室を出た。
対猫と対人間のライハルトの態度は天と地ほども違う。彼が目覚めた時に人間のミカが隣にいれば、きっとミカの裸の背中を蹴飛ばしてでも起こしてくるだろう。
なので、ミカはいつもライハルトが目覚める前に起きて与えられた自分の部屋へと帰る。本来はライハルトが寝付いてからすぐベッドを抜け出したいものだが、そうすると彼が気付いて猫のミカを抱きしめてくるのだ。
そう言うわけで、ミカの起床はかなり早い。
「おはようございます」
「ミカさん、おはよう」
上司であるユリアーナの朝も早い。仕事着に着替えて、調理室へ降りていくと、既にメイド長であるユリアーナが支度を始めていた。
ライハルトが仕事至上主義なだけあって、この屋敷の使用人たちもまた、仕事に一途だ。ヒルトマン邸ではこれほど早く始業する者はミカ以外にいなかった。だからいつも、ミカの仕事量が他の何倍も多くなっていた。
ここでは皆が、熱心だ。
「いつも早くて感心ね、ミカさん。でもあなた、今日はお休みじゃなかった?」
「え。そうでしたっけ」
「そうよ。ゆっくりしてらっしゃい」
「はぁ……」
これもまた、ミカの驚く点でもある。この邸宅には休日がミカに与えられている。
以前の屋敷で勤めていた頃には考えられない。概念としては知っていも無関係だと思っていた。
ミカはどう返したら、と小さく俯く。
ユリアーナは続けた。
「でもちょうど良かった。少し待ってね。……はい、これ」
「なんですか?」
「お給料よ。四十日が経過したでしょう? 一ヶ月分の給料を渡しておくわ」
「……」
「どうしたの?」
「……い、いえ」
「それ持ってお部屋にお帰り。今日はゆっくりするのよ」
「は、い……」
ミカはずっしりとした袋に恐れを成している。大事に両手にして、調理室を出るとすぐ中身を確認した。
「お給料だ……!」
しかも、お金が沢山入っている。沢山。いっぱい! こんなにも!
ミカはあまりにもびっくりして、廊下の隅で呆然としていた。ヒルトマン邸の給与はほぼ無いに等しかった。それでもミカは住まわせてもらっている身だからと納得していたのに。
まさか労働にこれほどの価値があるとは、思わなかった。
「ミカさん、おはよう」
声をかけられて振り向くと、ロミーが歩いてくる。
いつものメイド服ではなく私服だ。欠伸をしながらやってきた彼女は、「あれ、ミカさん今日はお休みですよね?」と首を傾げる。
「あ、はい。そうなんです」
「私もですよ。お腹が空いちゃって、何かもらえないかなって来たんですけど、ユリアーナさんはいますか?」
「はい」
「やったぁ。シュテファンさんだと厳しいから良かったぁ。ミカさんはどうしてこんなに早くに?」
「仕事を」
「ダメですよ!」
ロミーの反応は早い。食い気味に言って、「休むときは休まないと」と付け足した。
「そうだ! どこかお出掛けするのはどうですか? ミカさん、ここに来てから一度も町に降りてないでしょう」
「町……」
ミカは呟き、両手に握った給料袋を見つめる。
パッと顔を上げて訊ねた。
「あの、ここからディニィ地区までだとどれくらい距離がありますか?」
「ディニィ地区?」
ロミーは首を傾げ、うーんと唸った。
「そうですね。馬車と列車を使っても、三時間ほどでしょうか」
「三時間。あの、ここら辺から馬車は通っていますか?」
「町で拾えると思いますよ」
ミカは「そうですか」と頷く。ロミーはニコッと笑顔を見せた。
「ミカさんの故郷ですか?」
ミカは微笑むだけして返した。
お婆ちゃんに会いに行かないと。ヒルトマン邸にいた頃も、給料はお婆ちゃんに使っていた。受け取ってはくれなかったので、いつも食料にして差し入れていたのだ。
ミカが彼女の世話になったのは一年間ほどだ。それでも彼女がいなければミカは生き延びていない。
「旦那様がご帰宅するのは夜ですし、今日お出かけしたらどうですか?」
「そう、ですね……夕刻には帰ってこれますもんね」
「これますこれます! ディニィ地区へ向かわれるんだったら、私と同じ馬車に乗りましょう!」
「え?」
「私も妹のお店へ行こうと思ってたところなんです。途中までは一緒ですよ」
聞けば、ロミーの妹は仕立て屋で働いているらしい。ミカは勿論賛成して、それぞれ朝食をいただいてから屋敷の前で待ち合わせすることにした。
町まで徒歩で降りて、お目当ての馬車に乗る。商団は人々を輸送する商売も兼任していることが多く、荷台にはミカ達以外にも数人がいた。
屋敷の外を出たからか、ロミーの口調はより軽やかな雰囲気になる。
お喋りな彼女の話は明るくて、相槌を打っているだけでも楽しい。
まさか同僚と良好な関係を築けるなんて、と何度目かの驚きを小さく抱くミカに、「それにしても」とロミーはイタズラっぽい目つきをした。
「ミカさんは、旦那様に愛されているようですね」
「……え」
先ほどまではロミーの双子の妹の話をしていたので急な話の転換に驚いたが、内容が突拍子もないので目が点になる。
ロミーは笑みを深くした。
「もうここは邸宅の外ですよ。ぶっちゃけましょうよ、旦那」
「旦那って……」
「旦那様に愛されているんでしょう?」
「……」
ミカは数秒の沈黙の後、「あ、愛されてる?」と首を傾げた。
ロミーは勢いよく頷いた。
「そうです! お仕事の間の世間話では流されてしまったけれど、もう言い逃れさせませんよ」
「愛されてません」
「うわ」
ロミーは目を見開いて、「否定が早い」と感心した様子で呟く。
「お前、身体洗ってんのか? 洗ってやるよ」
「ニャ! ンナーッ(何を馬鹿なことを!)」
「たまには湯に浸かれ」
「にゃっ、ニィッ、にゃ、みゃっ(バカ! バカ! バカ! バカ!)」
「今悪口言ってんだろ」
「ミャ(え)」
猫の姿なら何を言っても構わないと思っていたのにこうして通じてしまうからたまに困る。
必死の抵抗で入浴という魔の手から逃れることはできた。結局抱きしめられたままだが、無事にベッドへと辿り着く。
ミカに与えられている命令は、主にこれだ。主人の就寝に同衾すること。
ライハルトの隣で、身を丸めて、眠るのが仕事である。
「おいで」
寝る前の彼は、人間姿で相手するライハルトとはまるで別人だ。
ミカを腕の中に閉じ込めるも、ここは全く息苦しくない。
「ミカの目は真っ赤だな……」
「……みゃー」
ぼんやりとこちらを見つめ、額を撫でる男の雰囲気は、柔らかいと言うより崩れている。
一緒に寝ていて分かることがある。ライハルトは皆の想像よりもかなり疲れていた。
そのせいか彼が寝付くまでの時間はかなり短い。彼が眠って以降も、ミカはぬいぐるみのようにじっとして、その体温を感じている。
暫くして、寝息が聞こえてくる。
ミカは小さく、「ニャー……」と呟いた。
返事はない。今日も無事に就寝したようだ。ミカは瞼を閉じて、ライハルトの腕に鼻先を押しつけた。
いつからだろう。ライハルトが『テール』と呼ばなくなったのは。
夜の間だけだが、一緒に過ごせば彼がかなり仕事以外では大雑把な性格をしていることは分かるから、きっと『テール』と名付けたことすら忘れているのだろうとは想像がつく。
とは言え人前で黒猫に対し『ミカ』と呼びかけるのはミカにとっても心中穏やかでない。今の所黒猫はライハルトの部屋を出ていないので、他人に知られていないからいいけれど。
そんなことを考えながら、ミカはまだ陽が昇る兆しもないほど早朝に、人間の姿でライハルトの寝室を出た。
対猫と対人間のライハルトの態度は天と地ほども違う。彼が目覚めた時に人間のミカが隣にいれば、きっとミカの裸の背中を蹴飛ばしてでも起こしてくるだろう。
なので、ミカはいつもライハルトが目覚める前に起きて与えられた自分の部屋へと帰る。本来はライハルトが寝付いてからすぐベッドを抜け出したいものだが、そうすると彼が気付いて猫のミカを抱きしめてくるのだ。
そう言うわけで、ミカの起床はかなり早い。
「おはようございます」
「ミカさん、おはよう」
上司であるユリアーナの朝も早い。仕事着に着替えて、調理室へ降りていくと、既にメイド長であるユリアーナが支度を始めていた。
ライハルトが仕事至上主義なだけあって、この屋敷の使用人たちもまた、仕事に一途だ。ヒルトマン邸ではこれほど早く始業する者はミカ以外にいなかった。だからいつも、ミカの仕事量が他の何倍も多くなっていた。
ここでは皆が、熱心だ。
「いつも早くて感心ね、ミカさん。でもあなた、今日はお休みじゃなかった?」
「え。そうでしたっけ」
「そうよ。ゆっくりしてらっしゃい」
「はぁ……」
これもまた、ミカの驚く点でもある。この邸宅には休日がミカに与えられている。
以前の屋敷で勤めていた頃には考えられない。概念としては知っていも無関係だと思っていた。
ミカはどう返したら、と小さく俯く。
ユリアーナは続けた。
「でもちょうど良かった。少し待ってね。……はい、これ」
「なんですか?」
「お給料よ。四十日が経過したでしょう? 一ヶ月分の給料を渡しておくわ」
「……」
「どうしたの?」
「……い、いえ」
「それ持ってお部屋にお帰り。今日はゆっくりするのよ」
「は、い……」
ミカはずっしりとした袋に恐れを成している。大事に両手にして、調理室を出るとすぐ中身を確認した。
「お給料だ……!」
しかも、お金が沢山入っている。沢山。いっぱい! こんなにも!
ミカはあまりにもびっくりして、廊下の隅で呆然としていた。ヒルトマン邸の給与はほぼ無いに等しかった。それでもミカは住まわせてもらっている身だからと納得していたのに。
まさか労働にこれほどの価値があるとは、思わなかった。
「ミカさん、おはよう」
声をかけられて振り向くと、ロミーが歩いてくる。
いつものメイド服ではなく私服だ。欠伸をしながらやってきた彼女は、「あれ、ミカさん今日はお休みですよね?」と首を傾げる。
「あ、はい。そうなんです」
「私もですよ。お腹が空いちゃって、何かもらえないかなって来たんですけど、ユリアーナさんはいますか?」
「はい」
「やったぁ。シュテファンさんだと厳しいから良かったぁ。ミカさんはどうしてこんなに早くに?」
「仕事を」
「ダメですよ!」
ロミーの反応は早い。食い気味に言って、「休むときは休まないと」と付け足した。
「そうだ! どこかお出掛けするのはどうですか? ミカさん、ここに来てから一度も町に降りてないでしょう」
「町……」
ミカは呟き、両手に握った給料袋を見つめる。
パッと顔を上げて訊ねた。
「あの、ここからディニィ地区までだとどれくらい距離がありますか?」
「ディニィ地区?」
ロミーは首を傾げ、うーんと唸った。
「そうですね。馬車と列車を使っても、三時間ほどでしょうか」
「三時間。あの、ここら辺から馬車は通っていますか?」
「町で拾えると思いますよ」
ミカは「そうですか」と頷く。ロミーはニコッと笑顔を見せた。
「ミカさんの故郷ですか?」
ミカは微笑むだけして返した。
お婆ちゃんに会いに行かないと。ヒルトマン邸にいた頃も、給料はお婆ちゃんに使っていた。受け取ってはくれなかったので、いつも食料にして差し入れていたのだ。
ミカが彼女の世話になったのは一年間ほどだ。それでも彼女がいなければミカは生き延びていない。
「旦那様がご帰宅するのは夜ですし、今日お出かけしたらどうですか?」
「そう、ですね……夕刻には帰ってこれますもんね」
「これますこれます! ディニィ地区へ向かわれるんだったら、私と同じ馬車に乗りましょう!」
「え?」
「私も妹のお店へ行こうと思ってたところなんです。途中までは一緒ですよ」
聞けば、ロミーの妹は仕立て屋で働いているらしい。ミカは勿論賛成して、それぞれ朝食をいただいてから屋敷の前で待ち合わせすることにした。
町まで徒歩で降りて、お目当ての馬車に乗る。商団は人々を輸送する商売も兼任していることが多く、荷台にはミカ達以外にも数人がいた。
屋敷の外を出たからか、ロミーの口調はより軽やかな雰囲気になる。
お喋りな彼女の話は明るくて、相槌を打っているだけでも楽しい。
まさか同僚と良好な関係を築けるなんて、と何度目かの驚きを小さく抱くミカに、「それにしても」とロミーはイタズラっぽい目つきをした。
「ミカさんは、旦那様に愛されているようですね」
「……え」
先ほどまではロミーの双子の妹の話をしていたので急な話の転換に驚いたが、内容が突拍子もないので目が点になる。
ロミーは笑みを深くした。
「もうここは邸宅の外ですよ。ぶっちゃけましょうよ、旦那」
「旦那って……」
「旦那様に愛されているんでしょう?」
「……」
ミカは数秒の沈黙の後、「あ、愛されてる?」と首を傾げた。
ロミーは勢いよく頷いた。
「そうです! お仕事の間の世間話では流されてしまったけれど、もう言い逃れさせませんよ」
「愛されてません」
「うわ」
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