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最終章
56 ※はじめてみたい
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当然みたいに言ってみせる陽太だが、幸平にとっては心を大きく揺する渾身の告白だ。
幸平は少し俯き、唇を噛み締める。小さく吐息した。
こんな風に思いを伝えられるなんて、夢にも思わなかった。幸平が想像した夢は、幸平の告白を陽太に正面から受け入れられることだった。
でも実際にはこうして、陽太の方から幸平に「好き」を伝えてくれる。
鼻の奥がツンと痛くなりまた涙が目にたまる。せめて溢れ出さないよう堪える。
溢れ出すのは、言葉だけでいい。
「俺もずっと陽太君のことが好きだった」
するとまるで、陽太の方も涙を堪えるような笑い方をした。
「そっか」
「両思いだね」
「うん」
「……」
「……」
お互いに照れている。また? とは自分でも思う。
陽太は眉を下げて微笑んだ。彼の手がこちらに伸びてきて、幸平の頸を撫でる。
「なんか、手繋いで抱きしめてキスして、俺らやり直してるみたいだな」
「ぎこちなくて、初めてみたいだね」
「実際、恋人同士としては初めてだし……あーっ!」
「どうしたの」
「すげぇ嬉しい」
「……」
どちらともなく近づきあって、ゆっくりと、唇が重なる。ただ優しく触れ合うだけの、初めてみたいなキスだった。
何だか楽しくて仕方なくて、幸平の胸に小さく悪戯心が滲む。幸平は一番近い距離のまま、揶揄うように笑いかけた。
「でも、陽太くんのセックスはぎこちなくない」
「……えっ」
「ろ」陽太は本気で驚いたように目を丸くした。更におかしくなって、幸平は「はは」と笑う。
「えー……付き合うと、コウちゃんってエロくなんの?」
「わかんない」
「……いや、最初からエロかったな」
「陽太君とするの、気持ちいいよね」
「待って」
「ん?」
「鼻血出る」
「あははっ」
好きが溢れて、「出ないで」と幸平は陽太の鼻先にキスをした。陽太は直ぐに鼻を手のひらで抑えて、「ヤベェって」と上目遣いをする。
幸平はじーっと陽太を陽太を見つめた。そうやって待っていると、陽太は我慢しきれないとばかりに唇を重ねてくる。
幸平は陽太を抱きしめながらまた笑い声を立てた。
……コウちゃん。
「コウちゃん」と乱れた声が落ちてくる。
幸平は「ぅ」だか「あっ」だか濡れた声を漏らす。
汗で湿った太ももを抱えられて、ぐっと折り曲げられた。
後ろから突かれていた体勢が、向かい合う形に変わる。陽太は一度腰を打ち付けてから、前髪を掻き上げた。
「んぁっ! あ……う、んんっ」
「動くよ」
「う、ん……はっ! あっ、ふ」
腰を掴まれると同時、太い塊が容赦なく奥まで貫いてくる。既にイカされたナカはぐっしょりと蕩けていて、膨張したペニスを目一杯に咥え込んでいる。
ベッドに移動してからはもうずっと体を繋げていた。
挿入される前に身体中を散々愛撫されて、幸平はそれだけで達してしまった。充分すぎるほどにナカを解されて、熱く火照り、もう待ちきれない頃に太いペニスが割って入ってくる。
揺さぶられて、イカされて。バックで攻められていたけれど、幸平が「顔みたい」と呟くとすぐに対面に変わった。
陽太が前のめりに覆い被さってくる。ググッと先端が潜り込んできて、より深いところに達したかと思えば、ぎゅーっと更に深く押し付けてくる。
声が勝手に溢れ出してきた。
「あああ~~……っ、は、ふか……っ」
「うん」
陽太は幸平の手首をベッドに押さえつけて、また唇を落としてくる。
「んぅっ! は……っ、ぅ、ぅっ」
「コウちゃん、ぅ」
「あっ、う? よ、たくん、あー……っ、うっ」
肌と肌がくっつきあって熱い。高鳴る鼓動がどちらのものかは分からない。
幸平は濡れた目で陽太を見つめる。陽太は目を細めて、ゆっくりと腰を動かしてくる。
ペニスで愛撫された内壁がきゅーっと陽太を締め上げた。陽太は堪えるように眉間に皺を寄せながらも、優しくナカを撫でてくる。
「ぁ~っ……ぅ、んんっ、あっ」
「……っ」
「き、もち……あっあっ、んっ!」
膨らんだペニスに、火照った内壁がぴたりと密着する。深く繋がったまま、ゆったりと蕩けるような動きで蜜口を掻き混ぜられる。
絡み合った指に力を込めて、波のような快感に堪える。幸平はただ、陽太に甘く揺さぶられていた。
「ふ、んん~……は、あー……っ、あっあっ」
「コウちゃん、」
「んぐっ、よ、たくん、ふ、……っ」
キスの合間に何度も「コウちゃん」と名前を呼ばれると、それだけで気がどうにかなってしまいそうだ。
幸平は瞼をギュッと閉じて、注ぎ込まれる快感に溺れる。
が、陽太は決して幸平から目を離そうとしない。
「うっ、んうっ、は……あっ」
「コウちゃん」
「あっ、陽太く、んん~~……っ」
名前を呼ばれるたびに、薄く目を開いて一生懸命「ようたくん」と呼び返す。
それが嬉しいのか、陽太は繰り返し「コウちゃん」と囁く。コウちゃん。陽太君。喘ぎ声混じりに返す。陽太は、心底幸せそうに目を細める。
普段なら子供っぽい無邪気な笑みも、幸平を攻めあげながらの笑みだと、見惚れるほどに色っぽい。
きっと幸平はみっともない蕩けた顔を晒しているのに、陽太はいつも惚れ惚れとする程かっこいい。そんな陽太は、一番綺麗なものを見つめるみたいに幸平を見下ろしてくる。それがとても不思議で、気持ちが満たされる。
「あぅ、んん~……ぅ、」
「……は」
「あっ、んんんッ……あっ、あっ!」
「あっつ」
「うぅ、ひっ、あ……~~っ、あっ!?」
硬いペニスが内壁を強く抉った。何度も丁寧に往復してくるから、ナカはすっかり熟れてしまっている。
突かれる毎に、一回一回あられも無い声が飛び出る。気持ちよくて、声を制御することなんてできない。
接合部は赤く腫れて、その太い性器を嘘みたいにぱっくりと飲み込んでいた。
この場所は陽太だけを迎え入れる。
陽太しか知らない。こんなに気持ちいいこと。
でもそれは、幸平だけじゃないらしい。
「あっ、ああっ、う、は、……っ!」
「コウちゃん、好き」
「うううっ、あ、んぁっ、」
「大好き」
「……ッ! はあっ、んぅう~~っ」
陽太も幸平だけと言ってくれた。陽太も幸平しか見ていない。
そう考えるとまたナカが疼く。溢れる愛情に頭がチカチカして、幸平は「好き」「気持ちいい」しか考えられなくなる。
狭い中を目一杯にこじ開けたペニスが、また一気に奥まで貫いてくる。
「~~……っ、う、ぐっ」
過ぎる快感に奥歯を噛み締めた。目を瞑ると、陽太が目尻にキスを落としてくる。
繋がる部分からは、くちゅくちゅと、絶え間なく淫音が溢れ出している。
「ううううっ、あっ、は、イ……っ」
「かわい、は……、」
「んっ、も、ふか、ああっ、ぅあ~~……」
「好き」
「あぅ、あっあっあっ、は、」
「好きすぎ」
「……~~——ッ! あ、ううっ、うぐっ」
突然、ぐるんっとナカを抉り上げてくる。それを機に律動がまた激しくなった。
敏感になったナカをカリで引っ掻くようにしてペニスを激しく抜き差ししてくる。ふやけきったナカは必死に律動を受け入れて、熱が更に溜まっていった。
なんで陽太は、幸平しか知らないはずなのにこんなにうまいんだろ。幸平はただ、揺さぶられているだけでなすがままだ。
幸平は少し俯き、唇を噛み締める。小さく吐息した。
こんな風に思いを伝えられるなんて、夢にも思わなかった。幸平が想像した夢は、幸平の告白を陽太に正面から受け入れられることだった。
でも実際にはこうして、陽太の方から幸平に「好き」を伝えてくれる。
鼻の奥がツンと痛くなりまた涙が目にたまる。せめて溢れ出さないよう堪える。
溢れ出すのは、言葉だけでいい。
「俺もずっと陽太君のことが好きだった」
するとまるで、陽太の方も涙を堪えるような笑い方をした。
「そっか」
「両思いだね」
「うん」
「……」
「……」
お互いに照れている。また? とは自分でも思う。
陽太は眉を下げて微笑んだ。彼の手がこちらに伸びてきて、幸平の頸を撫でる。
「なんか、手繋いで抱きしめてキスして、俺らやり直してるみたいだな」
「ぎこちなくて、初めてみたいだね」
「実際、恋人同士としては初めてだし……あーっ!」
「どうしたの」
「すげぇ嬉しい」
「……」
どちらともなく近づきあって、ゆっくりと、唇が重なる。ただ優しく触れ合うだけの、初めてみたいなキスだった。
何だか楽しくて仕方なくて、幸平の胸に小さく悪戯心が滲む。幸平は一番近い距離のまま、揶揄うように笑いかけた。
「でも、陽太くんのセックスはぎこちなくない」
「……えっ」
「ろ」陽太は本気で驚いたように目を丸くした。更におかしくなって、幸平は「はは」と笑う。
「えー……付き合うと、コウちゃんってエロくなんの?」
「わかんない」
「……いや、最初からエロかったな」
「陽太君とするの、気持ちいいよね」
「待って」
「ん?」
「鼻血出る」
「あははっ」
好きが溢れて、「出ないで」と幸平は陽太の鼻先にキスをした。陽太は直ぐに鼻を手のひらで抑えて、「ヤベェって」と上目遣いをする。
幸平はじーっと陽太を陽太を見つめた。そうやって待っていると、陽太は我慢しきれないとばかりに唇を重ねてくる。
幸平は陽太を抱きしめながらまた笑い声を立てた。
……コウちゃん。
「コウちゃん」と乱れた声が落ちてくる。
幸平は「ぅ」だか「あっ」だか濡れた声を漏らす。
汗で湿った太ももを抱えられて、ぐっと折り曲げられた。
後ろから突かれていた体勢が、向かい合う形に変わる。陽太は一度腰を打ち付けてから、前髪を掻き上げた。
「んぁっ! あ……う、んんっ」
「動くよ」
「う、ん……はっ! あっ、ふ」
腰を掴まれると同時、太い塊が容赦なく奥まで貫いてくる。既にイカされたナカはぐっしょりと蕩けていて、膨張したペニスを目一杯に咥え込んでいる。
ベッドに移動してからはもうずっと体を繋げていた。
挿入される前に身体中を散々愛撫されて、幸平はそれだけで達してしまった。充分すぎるほどにナカを解されて、熱く火照り、もう待ちきれない頃に太いペニスが割って入ってくる。
揺さぶられて、イカされて。バックで攻められていたけれど、幸平が「顔みたい」と呟くとすぐに対面に変わった。
陽太が前のめりに覆い被さってくる。ググッと先端が潜り込んできて、より深いところに達したかと思えば、ぎゅーっと更に深く押し付けてくる。
声が勝手に溢れ出してきた。
「あああ~~……っ、は、ふか……っ」
「うん」
陽太は幸平の手首をベッドに押さえつけて、また唇を落としてくる。
「んぅっ! は……っ、ぅ、ぅっ」
「コウちゃん、ぅ」
「あっ、う? よ、たくん、あー……っ、うっ」
肌と肌がくっつきあって熱い。高鳴る鼓動がどちらのものかは分からない。
幸平は濡れた目で陽太を見つめる。陽太は目を細めて、ゆっくりと腰を動かしてくる。
ペニスで愛撫された内壁がきゅーっと陽太を締め上げた。陽太は堪えるように眉間に皺を寄せながらも、優しくナカを撫でてくる。
「ぁ~っ……ぅ、んんっ、あっ」
「……っ」
「き、もち……あっあっ、んっ!」
膨らんだペニスに、火照った内壁がぴたりと密着する。深く繋がったまま、ゆったりと蕩けるような動きで蜜口を掻き混ぜられる。
絡み合った指に力を込めて、波のような快感に堪える。幸平はただ、陽太に甘く揺さぶられていた。
「ふ、んん~……は、あー……っ、あっあっ」
「コウちゃん、」
「んぐっ、よ、たくん、ふ、……っ」
キスの合間に何度も「コウちゃん」と名前を呼ばれると、それだけで気がどうにかなってしまいそうだ。
幸平は瞼をギュッと閉じて、注ぎ込まれる快感に溺れる。
が、陽太は決して幸平から目を離そうとしない。
「うっ、んうっ、は……あっ」
「コウちゃん」
「あっ、陽太く、んん~~……っ」
名前を呼ばれるたびに、薄く目を開いて一生懸命「ようたくん」と呼び返す。
それが嬉しいのか、陽太は繰り返し「コウちゃん」と囁く。コウちゃん。陽太君。喘ぎ声混じりに返す。陽太は、心底幸せそうに目を細める。
普段なら子供っぽい無邪気な笑みも、幸平を攻めあげながらの笑みだと、見惚れるほどに色っぽい。
きっと幸平はみっともない蕩けた顔を晒しているのに、陽太はいつも惚れ惚れとする程かっこいい。そんな陽太は、一番綺麗なものを見つめるみたいに幸平を見下ろしてくる。それがとても不思議で、気持ちが満たされる。
「あぅ、んん~……ぅ、」
「……は」
「あっ、んんんッ……あっ、あっ!」
「あっつ」
「うぅ、ひっ、あ……~~っ、あっ!?」
硬いペニスが内壁を強く抉った。何度も丁寧に往復してくるから、ナカはすっかり熟れてしまっている。
突かれる毎に、一回一回あられも無い声が飛び出る。気持ちよくて、声を制御することなんてできない。
接合部は赤く腫れて、その太い性器を嘘みたいにぱっくりと飲み込んでいた。
この場所は陽太だけを迎え入れる。
陽太しか知らない。こんなに気持ちいいこと。
でもそれは、幸平だけじゃないらしい。
「あっ、ああっ、う、は、……っ!」
「コウちゃん、好き」
「うううっ、あ、んぁっ、」
「大好き」
「……ッ! はあっ、んぅう~~っ」
陽太も幸平だけと言ってくれた。陽太も幸平しか見ていない。
そう考えるとまたナカが疼く。溢れる愛情に頭がチカチカして、幸平は「好き」「気持ちいい」しか考えられなくなる。
狭い中を目一杯にこじ開けたペニスが、また一気に奥まで貫いてくる。
「~~……っ、う、ぐっ」
過ぎる快感に奥歯を噛み締めた。目を瞑ると、陽太が目尻にキスを落としてくる。
繋がる部分からは、くちゅくちゅと、絶え間なく淫音が溢れ出している。
「ううううっ、あっ、は、イ……っ」
「かわい、は……、」
「んっ、も、ふか、ああっ、ぅあ~~……」
「好き」
「あぅ、あっあっあっ、は、」
「好きすぎ」
「……~~——ッ! あ、ううっ、うぐっ」
突然、ぐるんっとナカを抉り上げてくる。それを機に律動がまた激しくなった。
敏感になったナカをカリで引っ掻くようにしてペニスを激しく抜き差ししてくる。ふやけきったナカは必死に律動を受け入れて、熱が更に溜まっていった。
なんで陽太は、幸平しか知らないはずなのにこんなにうまいんだろ。幸平はただ、揺さぶられているだけでなすがままだ。
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